正社員登用制度とは? 最新統計でわかる実態と正社員のメリット・デメリット
正社員登用制度で実際に非正規雇用から正社員になった人はいるのか、最新の統計も交えて紹介していきます。
また、正社員登用制度の試験を受ける前に知っておきたい、正社員になることのメリット・デメリットと面接で必ず聞かれることも解説。
事前に読んで参考にしてください。
正社員登用制度とは
正社員登用制度とは、契約社員やアルバイト・パートなど正社員以外の雇用形態から、正社員へと転換する制度のことです。
この章では正社員登用制度の法的な位置付けや、導入している企業の割合などを紹介します。
バイトやパート・契約社員から正社員になること
正社員登用制度は法律で条件や定義が定められたものではありません。
したがって、正社員登用制度があるかどうか、正社員登用される基準などは企業によってまちまちです。
正社員登用される基準の例
- 一定期間を経たらほぼ確実に正社員登用される
- 社内での試験を受けて合格した人のみ正社員登用される
- 制度としてはあるものの正社員登用実績がない
このように、正社員登用制度と一口に言っても、基準は企業にゆだねられています。
正社員登用制度のハードルが非常に高いため、制度としてはあるものの実績がないという企業もあります。
正社員登用制度の現状
上の図の通り、正社員登用制度がある企業は72%です。
過去1年で登用実績がある企業の割合は、正社員登用制度のある企業では46%だったのに対して、正社員登用制度のない企業は8%でした。
正社員登用制度がある企業の方が、正社員になれる可能性が高いと言えます。
また、正社員登用実績がある企業のうち、「今後も正社員登用したい」と応えた企業は74%。
正社員登用を継続的に行っている企業では、今後もパートやアルバイトから正社員に登用を続けて行きたいとしています。
正社員登用制度は企業にもメリットがある
正社員登用制度では、面接だけで正社員を採用するのに比べて事前にパート・アルバイトなどで仕事をしている様子がわかります。
したがって、企業にとっても正社員登用は以下のようなメリットがあると言えるでしょう。
正社員登用制度の企業側のメリット
- 仕事ぶりが事前にわかる
- 人間関係が事前に構築できる
- 面接だけではわからない人となりがわかる
正社員登用制度では、社風に合っているかなどを踏まえたうえで正社員として雇うかを決められるので、企業側としては離職率を低く抑えることを期待できます。
正社員登用制度が多い業界
上の図の通り、過去1年以内に正社員登用実績があったのは「医療・福祉」70%が最も多く、次いで「製造業」「生活関連サービス業・娯楽業」59%となっています。
一方で、正社員登用実績があった企業の割合が最も低いのは「金融・保険業」37%となっています。
正社員登用を目指しているのであれば、実績の多い業界を選ぶことを検討していもいいかもしれません。
正社員登用制度の試験とは?どうすれば受けられる?
正社員登用制度は、先に述べた通り企業によって内容はまちまちですが、面接は大抵の場合あります。
この章では、正社員登用制度の試験や志望動機の考え方を紹介します。
正社員登用制度の試験の受け方は企業による
正社員登用制度の受け方は企業によって様々です。
正社員登用試験の例
- 上司の面談のみ
- 人事部や社長面談
- 筆記試験と面接
勤続年数が一定年数以上ある人が、自身の希望や上司の推薦などで正社員登用試験を受けることになります。
新卒採用や中途採用と異なる点は、万が一面接で落ちたとしても、そのままアルバイトやパートで働き続けて再びチャンスがもらえる可能性があることです。
正社員登用制度の面接で必ず質問されること
正社員登用制度の内容は企業によるものの、面接は必ず行われると考えて良いでしょう。
正社員登用制度の面接では、以下の3つの質問への回答は準備しておくべきです。
- なぜ正社員になりたいのか
- 自己PR
- 志望動機
パートやアルバイトとして働いてきて、正社員になりたいのはなぜか、正社員になったらどのような能力が活かせるのかを明確にして面接で伝えましょう。
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正社員登用制度で正社員になるメリット・デメリット
- メリット1.安定した給与を得られる
- メリット2.社会保険に入れる
- メリット3.社会的信用を得られる
- デメリット:働き方が自由に決められなくなる
正社員になることでメリットも多いですが、デメリットも当然ながらあります。
自らの望むキャリアプランやライフスタイルによっては、必ずしも正社員がベストとは限りません。
この章では、正社員になることのメリット・デメリットを掘り下げていきます。
正社員のメリット1.安定した給与を得られる
パートやアルバイトの場合は、働いた時間だけ給与をもらうので、勤務日数が減れば給与が減ります。
一方で、正社員は基本給が決められているため、例えば年末年始やゴールデンウイークなどで出勤日が少なくても給料は変わりません。
また、正社員は非正規雇用だと受けられなかったボーナスや住宅手当・扶養手当などの福利厚生を享受できるようになります。
金銭的に安定した生活を送れるようになるのは正社員の大きなメリットです。
正社員のメリット2.社会保険に入れる
正社員が加入できる社会保険
- 厚生年金
- 健康保険
- 雇用保険
- 労災保険
企業は職場で働くすべての正社員を社会保険加入させる義務を負っています。
一方でアルバイトやパートの場合は週に20時間以上などの条件を満たさない限り社会保険に入ることができません。
正社員として社会保険に加入すると、保険料の半分を企業が負担するので、支払いが軽くなるメリットがあります。
厚生年金に加入することで将来受け取れる年金が多くなるのもメリットが大きいと言えます。
正社員のメリット3.社会的信用を得られる
正社員という立場を手に入れれば、社会的な信用性も増します。
アルバイトやパートでは不利になることがある、住宅購入時のローンの審査やクレジットカードの審査にも通りやすくなります。
正社員のデメリットは?
正社員になることによって、アルバイトやパートとは違う働き方を余儀なくされるところもあります。
たとえば、アルバイトのときは勤務時間や休日を比較的自由に決められたものの、正社員になればフルタイムの勤務となり、場合によっては残業や休日出勤・転勤を命じられることもあります。
正社員は自らの望むキャリアプランやライフスタイルに合わない場合もあります。
正社員登用される人の特徴
- 仕事ができる
- 会社の人との関係が円満
- その会社で働きたい気持ちをアピールしている
どの会社でも共通していることは、「正社員には会社の重要な業務をしっかりと任せたい」と考えている点です。
会社の人から「この人になら安心して仕事を任せられる」と思ってもらえる人の特徴をまとめました。
正社員登用される人の特徴1.仕事ができる
正社員に登用されるには、仕事ができることが前提です。
任された仕事をしっかりこなし、さらに正社員の人と同等かそれ以上の働きをしていることで、上司の目に留まり正社員登用の試験を受けられるようになります。
正社員を雇用すると、企業にとっては社会保険料を企業が負担したりボーナスを払ったりするコストがかかります。
コスト以上の働きをしてくれると見込まれることが、正社員登用への第一歩です。
正社員登用される人の特徴2.会社の人との関係が円満
どんなに仕事ができる人であっても、「一緒に今後も働きたい」と会社の人に思ってもらえなければ正社員登用は難しいでしょう。
退職理由として多いのが社内の人間関係です。
せっかく正社員として採用しても、人間関係を理由に辞めてしまったり、もしくは社内の他の人が辞めてしまうことになるのであれば、正社員登用の声はかかりません。
気持ちよく社内の人と付き合っていける人が正社員に求められます。
正社員登用される人の特徴3.その会社で働きたい気持ちをアピールしている
正社員として長く働きたい、その会社に貢献したいという熱意をしっかりアピールしていることも大切です。
普段の業務においても自ら改善案を出すなど、積極性を示した方が良いでしょう。
正社員に登用されないのはこんな人
指示待ちで言われたことだけをこなしている人は、残念ながら正社員として採用されることは難しいでしょう。
正社員として働くことになれば役職がついて、部下の面倒を見る可能性もあります。
リーダーシップを発揮したり、社内で改善できることを提案・実行したりするなど会社をよりよくして行ける人材が正社員として求められています。
正社員登用制度のある会社に応募するときの注意点は?
正社員登用制度があるといっても、その実態は企業によってまったく異なることには注意が必要です。
なかには、正社員になるためには非常に高いハードルを課しており、ほとんど正社員登用実績はないといった企業も存在します。
こうした企業に入ってしまった場合、「思っていたのと違った…」という状況に陥りかねません。
もし、ゆくゆく正社員になることを希望したうえでアルバイトや契約社員として入社する場合には、過去にどのくらいの人が正社員登用制度を使って正社員へとステップアップしたのかについて確認しておくとよいでしょう。
正社員登用制度とは | まとめ
- アルバイトやパートなどの非正規社員から正社員に登用する制度
- 法律上の義務ではないので制度がない企業も
- 正社員登用の実績があるか事前に確認すべき
正社員登用制度は法律上義務付けられているものではありません。
したがって、制度の有無や仕組みは企業によって様々です。
正社員を目指していて正社員登用制度のある企業でパートやるバイトとして働くのであれば、実際に正社員登用の実績があるのかを確認しておくべきでしょう。
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