生産技術に向いているのはどんな人? 3つの要素を解説
生産技術の仕事は設計が図面化した製品を大量生産するときに、どこで生産するか、どういう工程で製造するのがよいか、品質・安全・環境・コストの面で考えていく仕事です。
そしてラインを設計して、設備を発注し、ラインが整然と製品を生産できるように調整していく仕事です。
それでは今回は生産技術の仕事に向いている人について解説をします。
好奇心が強く、自分で調べられる人
生産技術に限りませんが、会社に入って職場に配属されると学校では学んでいないことばかりに直面します。
まず生産ラインを見に行くと、たくさんの設備が整然と並んでいて、次から次へと製品が流れては、設備内に運ばれ加工されて出てきます。
製品によりますが、わずか10秒の間に見違える姿になった製品が設備から出てきて、さらに次の設備へ運ばれということが繰り返されています。
一体設備内では何が行われているのか、このロボットはなぜ違う形の製品が流れてきたことを判別しているのだろうか、分からないことだらけです。
そういった不明なことを、一つ一つ興味を持って調べていくことが大切です。
上司や先輩に聞いても教えてはくれますが、新入社員を教育している余裕のある人はなかなかいません。
先輩や上司の力を借りずに、自分で調べる力が大切になります。
自分で調べる力とは参考書や図面をひたすら読むということだけでは無くて、設備メーカーの人を工場で見かけたら捕まえて話を聞く、工場の作業者と仲良くなって教えて貰うなど積極的な姿勢のことです。
コミュニケーション能力が高い人
製造業で理系の職種としてメインになるのが、設計開発と生産技術です。
理系を選ぶ人にはどちらかというと、数学や物理に興味があって、人と話すよりもコンピューターや機械に接している方が楽しいと言う人が多いと思います。
設計開発の仕事は一日中CADの前で図面を書いていたり、実験装置でデータを集めていたりすることが多いので、大学の研究室の延長という部分があります。
それに比べて、生産技術の仕事は同じ理系職種ですが、断然人と関わることが多くなります。
例えば下記のようなものは、すべて自分が主催者となり開催をするものです。
それ以外にも、自分が呼ばれる立場で会議に出席をして意見を言う機会が多くあります。
コミュニケーションが苦手で理系を選んで、設計・開発のような仕事をイメージしていた人は、最初とまどいを覚えるかもしれません。
そういう人でも経験を積めば、慣れてきますが、性格的にもともと対人関係がどうしても苦手だという人にはしんどいかもしれません。
頭の回転が速い人/機転が利く人
生産技術の仕事では深く考えぬいて回答をタイプの人よりも、回転よく素早く回答を出せる人の方が向いています。
設計開発の仕事ではこれまで前例のなかった(答えのない)問題に取り組んだり、深い思考をしないと結論にたどり着かない課題に取り組む場合が多くあります。
それはまだ形の無い新製品を、自分の頭の中で想像して問題を解決する必要があるからです。
それに対して生産技術の仕事で良くある課題は、目に見える設備のトラブルがほとんどです。
そのため設計開発と違い、その回答はある程度すでに別の設備でも起きていたり、現場で注意深く観察することで問題が解決する類のものが多いのです。
だから生産技術の仕事が容易かというとそうではなくて、とにかく早く問題を解決することが求められます。
いかに早く回答にたどり着いて、それを達成する手段を考え、対応することが必要です。
そのため頭の回転や機転の速さ、行動力が求められます。
生産技術でも設計・開発に近い仕事がある
生産技術でも新工法の開発や設備開発といった仕事もあり、こちらは上述の設計・開発の仕事に近いです。
加工機に一日中張り付いて、加工条件を色々変えてデータを取ったり、設備の図面を一日中書いているような仕事です。
ただし、最初は現場にでて設備を覚えるために、設計・開発的な仕事に配属されることは少ないです。
生産技術に向いている人は上述した内容を見直すと、フットワークが軽く、コミュニケーション上手なタイプの人といえるのかと思います。
そういった資質はあまり受験では試されませんし、大学生活で学問・研究に没頭してきたタイプの人だと苦手な場合があるかもしれません。
ただ慣れていないだけなら問題ありませんが、性格的にきついという場合は、入社前の面接、入社後の配属面談で人事担当の人に伝えると良いです。
その人の個性を最大限に生かせることが、企業にとってもメリットになるからです。