臨床検査技師を目指していた私が臨床工学技士になった理由
臨床工学技士という職種は医療ドラマや映画、ニュースなどで年々認知度が上がってきました。
しかし職種の名称に理系で、工学的な分野だと認識し、難しい職業だと感じる方もいらっしゃるはずですし、私自身もそうでした。
このような私が臨床工学技士を目指した経緯をお伝えしたいと思います。
初めて臨床工学技士を知ったきっかけ
当時臨床検査技師を目指して進学した私でしたが、入学式で臨床工学専攻科の存在を知りました。
専攻科でしたので、既に何かしらの医療国家資格を有している方や既定の単位を修了済みの方が対象の学部でした。
式典の祝辞を校長先生がお話しされている際には、臨床検査技師を取得後に臨床工学技士の免許取得を推奨されていました。
卒業校では臨床検査技師の知識を持った臨床工学技士の育成を勧めていました。
大学編入希望者だった私は、あまり関心を持たずに聞き流していましたが、この時臨床工学技士の存在を初めて耳にしました。
実習見学での体感
臨床検査技師のカリキュラムで行われる臨床実習では、学校附属の大病院で実践的実習を2年次後半から半年ほど行なっていました。
この臨床実習の1日分に臨床工学技士の業務を見学する日程が組まれています。
この見学実習では、実習担当の技士の後ろを単純に着いて行き説明を受ける、とても単純な内容でした。
しかし今まで臨床検査技師の実習では感じれなかった臨床現場の緊張感や多くの職種と携わる姿、病棟や手術室、ICU、救急センターなど院内全てに業務の範囲が及んでいたことに驚きを隠せませんでした。
無関心からの一転
臨床検査技師を目指していた私にとって、臨床工学技士の業務内容は非常に刺激的でした。
治療の現場に居合わせる立場であり、医師や看護師が使用する医療機器を技術的サポートをしている姿に感銘を受けました。
一方で本当に命に関わる現場にいることは緊張感もありましたが、多くの医療スタッフが一つのことに協力し合う姿勢に尊敬を覚えました。
この見学を終えた日に、大学編入を変更し臨床工学専攻科への進学を心に決めました。
それまで工学や数学の授業は苦手で、私には不得意な分野の職業だと決めつけていました。
しかし、見学時に女性技師の方から「私も工学や数学は苦手だったけど国家試験に合格できたよ。頑張って。」と応援して頂きました。
この言葉のおかげで臨床工学科に進学する勇気を持つことができました。今でも背中を押してくださったことに感謝しています。
本当に命に関わる現場にいることは緊張感もありましたが、多くの医療スタッフが一つのことに協力し合う姿勢に尊敬を覚えました