銀行員時代にやってしまった、失敗3選
社会人として、避けては通れないのが「失敗・ミス」です。
仕事に慣れていないから起こしてしまう失敗や、慣れているからこそ起こしてしまう失敗など、その内容は様々です。
私が銀行員として実際に経験した失敗の中から「何年目でも起こり得る」「起こる頻度が高い」失敗と、それによってどのような問題に繋がるかについて、3つご紹介します。
失敗1. 署名・捺印漏れ
銀行は「書く書類が多い」というイメージがあります。
各銀行で手続きのデジタル化は進んでいるものの、書面確認は依然として残ったままです。
「何の書類が必要」「どの箇所に記入が必要」かについても、人間の判断を必要とします。
法令の改正によって、これまで不要だった書類が必要になるいう変化も少なくありません。
そのため、知識の少ない銀行員はもちろん、経験のある銀行員でさえ、どの書類・どの箇所にお客様の記入が必要なのかを間違えることがあります。
問題はお客様が帰ったあとに発覚した場合です。
完結した手続きは「他の銀行員による精査」によって、別のタイミングで処理する手続きは「処理時」に発覚します。
連絡をとることができれば家に訪問してでも訂正する必要があります。
連絡がとれない場合は、お客様には「受付完了」と伝えたにもかかわらず手続きができていないままになり、事故として本部に届けることになります。
失敗2. 金額の打ち間違い
入出金や振込など「お金を動かす仕事」は、銀行員であれば避けては通れないと言って過言ではありません。
伝票や小切手の金額を、その通りに機械に打ち込んだり、機械が読み込んだ金額に間違いがないか確認したりと、人の目による確認が求められます。
一見簡単に思えますが、この過程での「金額の打ち間違い」は、誰もが一度は経験するほど起こりやすい失敗です。
処理の数が多いことや、時限による焦り、思い込みなどの理由で人為的ミスが起こります。
これはその場ですぐに気付いたとしても、お客様に確実に迷惑をかけてしまう失敗でもあります。
一度確定してしまうと、簡単に訂正ができません。
防止策としては、各銀行で設定されている「基本動作」を徹底すること です。
不注意は防ぎようがないと思うかもしれません。
しかし経験上、ただの不注意だからこそ、基本動作をしていれば意識を向けて気付くことができるものがほとんどです。
失敗3. 返却・交付間違い
銀行で扱う書類には「控え」など、お客様に返却・交付するものがあります。
「返却を忘れたのであれば、訪問や郵送などで届ければ良いだけ」と思う人もいるかもしれません。
しかし、それだけでは済まない場合もあることに注意が必要です。
銀行では以下のような、見慣れない書類が持ち込まれることがあります。
・税金を支払う「納付書」
・学費を振込む「振込書」
初めて見る様式であっても、どれが返却するべき「控え」かを正確に判断しなくてはいけません。
また複数の様式が違う書類が持ち込まれて、1枚だけ切り離す場所が違うという状況でも、見過ごさないよう丁寧に確認しなければいけません。
その際に、銀行で必要なものを誤って返却してしまうと、さらに大きな問題となります。
「何時までに回収しないと、処理するセンターへの持ち出しが間に合わない」という事故に繋がります。
仕事の失敗は、誰にでも起こり得ることです。
しかし失敗をしたとき、自分一人でリカバリーできるものではないと理解し、失敗を起こさないように注意する必要があります。
また銀行では、手続きが頻繁に変わるため「知識不足による失敗」は新入社員に限ったことではありません。
私は自らの失敗から、少しでも不安や疑問を感じた場合は、お客様が帰る前に確認し、多少時間がかかっても確実な仕事をするべきだと学びました。