総合病院で働く医療ソーシャルワーカーの役割と総合病院で働くメリット
大きい総合病院で働く医療ソーシャルワーカー(社会福祉士や精神保健福祉士)の役割と、働くメリットについて、まとめてみました。
医療ソーシャルワーカーとは
日本医療ソーシャルワーカー協会によると、医療ソーシャルワーカーは
「保健医療機関において、社会福祉の立場から患者さんやその家族の方々の抱える経済的・心理的・社会的問題の解決、調整を援助し、社会復帰の促進を図る業務を行います。」
とされています。
基本的にどこの病院でも役割は上記の通りですが、実際は働く病院の種類によって、業務や役割が変わります。
大きい総合病院(急性期病床)で働く医療ソーシャルワーカー
<病院例:大学附属病院、日赤病院、公立病院、民間病院等)>
大きい総合病院では高度医療を提供しています。
様々な診療科があり、がんや難治性の疾患のような、いわゆる大きな病気の治療を行います。
3次救急も受け入れていると、患者の出入りは激しく、現場はスピード感のある雰囲気になります。
退院・転院の支援
ここでの医療ソーシャルワーカーの役割は、まず、退院・転院の支援です。
急性期の治療が終了したものの、引き続きリハビリや療養、在宅環境調整の期間が必要な場合、転院先を探して転院調整を行います。
診療報酬(病院の収入)の観点や、次の治療が必要な患者を受け入れる観点から、病院側は治療が終了次第、早く退院させたいという傾向があります。
そのため、なるべく早く転院調整を行わなければならず、非常にスピード感を求められます。
患者や家族とのスピード感が合わないときは苦労があります。
経済的な問題への介入
次に、経済的な問題への介入です。
救急車等で運ばれてくる場合、中には保険が無い方やお金がない方もいます。
また、治療により働けなくなり経済的に困窮してしまった方もいます。経済的な問題への介入も大きな役割です。
次に、治療と仕事の両立など治療生活に関わる相談もあります。
がんや難治性の疾患、慢性疾患を抱えている方は、治療をしながら生活をしなければなりません。
特に、がんは進行度によっては、長期的な治療が必要であり、また様々な治療法や治療段階があります。
大きな病院は、がん診療連携拠点病院であるところが多く、そうすると「がん相談支援センター」を設置しています。
「がん相談支援センター」での相談業務の兼務がある場合もあります。
スピード感が大切
全体の傾向としては、大きい病院はとにかくスピード感がある雰囲気になりますので、患者の入れ替わりが激しく多忙になる傾向になります。
一方、様々な疾病や患者に触れることになり、医療ソーシャルワーカーとしての力量は非常に身につくと考えられます。
急性期の総合病院で一定期間経験を積めば、その後、他のどんな機能の病院へ移っても対応できるといっても過言ではありません。
また、経営母体がしっかりした病院が多いため、他の病院に比べて給与の水準が高めです。
医療ソーシャルワーカーと言っても、働く先の病院の規模や機能によって、役割や業務、待遇が異なります。
自分は病院でどんな仕事がしたいのか考えた上で、どのような病院が良いか考えると良いでしょう。