管理栄養士として働き続けるために心掛けたい3つのポイント
「管理栄養士は結婚しても長く勤められるよ」と学生時代、母が言っていたのを思い出します。
確かに管理栄養士は長く働ける職業ですが、意識すべきことがあります。
このポイントを意識して、私は10年間、管理栄養士として働き続けることができました。
そこで今回は、管理栄養士として働き続けるために心掛けたい3つのポイントをご紹介します。
コミュニケーションスキル
管理栄養士の仕事は病院や施設、保育園など多岐に渡ります。
年齢層は、赤ちゃんから高齢者まで幅広く、対応するためにはコミュニケーションスキルが必要です。
わかりやすく伝えられる技術があれば、内容の理解も深まるでしょう。
生まれ育った環境によっても食習慣は異なりますし、一度習慣化されたものは簡単に変えられません。
健康状態にも個人差があるため、コミュニケーションを通して適切にアドバイスをすることが大切です。
患者様や利用者様などの声に耳を傾けて、まずは否定せずに今までの食習慣を聞き、受け入れてあげると良いでしょう。
コミュニケーション能力が高いと働きやすくなる
コミュニケーション能力が高いと、患者様や利用者様などと接する以外でも、さまざまな機会で役立ちます。
病院や施設、保育園などの現場で働く管理栄養士は、医師や看護師など他職種と連携しながら働く場面が多いものです。
コミュニケーションが取れている現場では、ミールラウンドで得られなかった情報でも、他職種の方から教えてもらえることがあるでしょう。
また、厨房内でもコミュニケーションが良好だと、食事の相談もしやすくなります。
普段からコミュニケーションをはかっておくと、質の高い仕事に繋がります。
行動力
失敗を恐れず、気になったことは行動に移しましょう。
行動しなければ、何も生まれません。
考えているだけの人と、小さな一歩でも行動に移した人では、将来大きな差がみられるでしょう。
また、AIやITなどの技術革新により、業務の効率化が行われることが予想されるため、自ら考えて行動する力が大切になると思います。
とはいえ、行動する上で壁にぶつかることもあるかもしれません。
苦しい場面に遭遇した場合でも、乗り越えれば必ずあなたの糧となり、大切な経験として残ります。
また、同じような場面に見舞われても、乗り越えてきた経験が役立つでしょう。何もしなければそれまで。
でも、一歩踏み出した先には、今まで見えなかった景色が見えてくるのではないでしょうか。
管理栄養士として長く活躍できる存在になれるよう、行動力を意識しながら働くことが大事です。
行動する勇気がでないとき
行動する勇気がでないときは、小さな成功体験を積み重ねることが大切です。
行動力が必要だとわかっていても、「自分には無理かもしれない」「行動した先のイメージができない」など、踏みとどまりたくなることもあるでしょう。
失敗経験があると、怖さがあるかもしれません。そんなときは、何かを調べるだけなど小さなステップでも良いと思います。
たとえ小さなことでも、成功体験を得られればモチベーションも維持できます。
学ぶ姿勢
ウォルト・ディズニーが残した言葉のなかに「現状維持では、後退するばかりである」という格言があります。
今と同じことをしていたら、環境に取り残されてしまうということです。
そのため、向上心をもち続け、新しいことへのチャレンジを恐れない姿勢が大切だと思います。
この意識は、管理栄養士ももっておいた方が良いでしょう。
管理栄養士の資格は、試験に合格すれば取得できますが、学んだときの情報のままでは時代の変化に追いつきません。
栄養の知識は日々変化しています。
ひと昔前は常識だったことが、今ではまったく違う解釈になっていることもあります。
だからこそ、変化に対応できるように、学ぶ姿勢を大切にしましょう。
それが、管理栄養士として時代の波に乗るコツです。
今の非常識は昔の常識?
例えば、「卵はコレステロールが高いから、1日1個までにしましょう」といわれていたことが、今では「健康な方であれば、卵の個数はそれほど気にしなくても大丈夫」というように変化しています。
確かに卵のコレステロールは高いのですが、食事性のコレステロールからの影響は少ないと判断されたことによります。
なかには、食事中のコレステロールに反応する方もいるため注意は必要ですが、栄養豊富な卵の活用法は広がりそうですね。
ただし、この情報も未来には変わっているかもしれません。
目の前にいる患者様や利用者様のために、食への探究心とともに学ぶ姿勢を大切にし、常に向上心をもち続けることが、管理栄養士として働く上で大切なことだと思います。