社会福祉士の「相談援助職」が持つべき3つのコミュニケーション技術
こんにちは、かねまるです!
社会福祉士の働き方の一つに「相談援助職」があります。
もしかしたら、社会福祉士と聞いて一番最初に思い浮かぶ働き方かもしれませんね。
私自身、デイサービスの生活相談員を7年勤め、現在は包括支援センターの社会福祉士として、相談援助職を続けています。
相談援助職にとって、信頼関係を結ぶコミュニケーション技術は、とても大切なものになります。
そこで今回は、相談援助職を目指す人に向けて、3つのコミュニケーション技法を解説したいと思います。
目線の高さを合わせる
一つ目の技法、それは「目線の高さを合わせる」です。
わかりやすい例を見ていきましょう。
例えば、居酒屋で店員さんが注文を取るとき、自分たちより低い位置になるようしゃがみ、こちらを見上げている姿を見たことはありませんか?
これはお客さんに対し、目線の高さを下げることで自分の立ち位置を下げる、お客さんを立てる行為となります。
逆に、ファミレスで店員さんがこちらを全く見ず、高い目線の位置で注文を取っていると、なんとなく嫌な気持ちになる人もいると思います。
対等に扱われていない気持ちになってしまうんですね。
「目線の高さを合わせる」ことには、大きく二つの意味があります。
②対等の関係であることを理解してもらう
それぞれ解説していきます。
①視覚的に認知してもらう
主に高齢者を対象とした考え方です。
高齢者は高齢化すると、視力が落ちてきたり、認知能力が低下したりします。
視覚的にも脳の認知的にも、こちらを認識する能力が落ちてくるということです。
そのため、目線の高さを合わせることによって、話しかけているということが認識してもらえるようになります。
②対等の関係にあることを理解してもらう
相談援助職は上下関係なく、相談者の相談を受けます。
つまり関係は対等なわけです。
極端に下手になると、相手は「お客様」になってしまいます。
そうすると、「こちらが客なんだから、商売のあなたがどうにかすべき」といった具合に、自助努力をしなくなる可能性が上がります。
逆に上手から接すると、相談者も相談しづらくなってしまいます。
「どうせきつく言われるだけなんだから、何も相談したくないな」みたいな感じですね。
あくまで対等な関係で相談対応する。
これによって、適切な相談援助が可能となります。
相手の喋る速度とトーンに合わせる
相手の喋る速度に合わせたり、トーンを合わせたりすると、相談者が話しやすくなります。
というのも、相談者は自分の考え方や状況によって、喋る速度やトーンを変化させるからです。
静かにゆっくりと話す人は相手に同じように聞いてほしいし、ましてや大声や早口で返事をしてほしいとは思わないでしょう。
逆に耳が遠い人は自分の声が聞こえないため、大きな声で話すようになります。
この場合、聞こえるように大きい声で話してほしいと思っていることが多いです。
つまり、相手の調子に合わせて喋ることで、相手が望むコミュニケーションが可能になるということです。
ただ、一つだけ注意点があります。
それは相手がヒートアップしているときです。
この場合は相手の喋る声がどんどん速く、大きくなっていきますが、同じペースで話すとより相手がヒートアップしてしまいます。
徐々に相手がペースダウンするよう、一段階遅い速度や低いトーンで話すようにしましょう。
適度なオウム返しをする
相手の話を聞く際は、ただ頷くだけでなく、適度にオウム返しをしましょう。
「ご主人の言い方がきつくて、本当に困っていらっしゃるんですね。」
これは、話を理解していますよとアピールするための技法です。
生返事で「はい…はい…」とだけ言われると、相談者は本当に話を聞いてくれているのか不安になってくるんですね。
また、違った返答をすると、理解してもらってないと感じてしまうことになります。
(なんでそんなことがわかるの?勝手な考え方をして、この人はわかってくれようとしない)
こういったことも起こりえます。
そこでオウム返しの登場です。
これは相手が言った言葉をそのまま返しているので、勝手なこちらの考えを表現することはありません。
また、生返事でもなく、理解していると感じてもらうことができます。
極端にオウム返しをしすぎると、それはそれでふざけている感じになってしまいますので、適度な配分を心がけてみてください。
今回はコミュニケーション技法のうち、簡単に使える3つの技術を紹介しました。
これらを意識するだけで、相談者はぐっと話しやすくなります。
「あなたは相談しやすいのよね」と言われるような援助職を、ぜひ目指してみてください。