就職3年目の大学受験予備校職員が市役所へ転職した理由
厚生労働省の調査によると、新卒から3年以内に職場を辞める人は全体の約3割にものぼるといいます。
若手社会人にとって転職を考えるタイミングとなる“就職3年目”。
私自身、新卒で大学受験予備校に入社したものの、3年目で自分の働き方について考えるきっかけがあり、市役所への転職を決めました。
この記事では、なぜ私が3年目に市役所への転職を決めたのかをご紹介します。
働く時間帯を変えたかった
一番の理由は「勤務時間」です。
ここでは、そもそもなぜ3年目に転職を考えたのかを説明したうえで、勤務時間のどのような点に悩んだのかをご紹介します。
自分の働き方が客観的に見えるようになる3年目
社会人1~2年目の頃は、目の前の仕事を覚えるのが精一杯で、他のことを考えている余裕はありませんでした。
しかし、3年目にもなってくると、仕事にも慣れて少し余裕が出始め、1~2年目の経験を踏まえて「自分はこれからどんな風に働きたいのか」を考えられるようになります。
そのときに、勤務時間について考えさせられる出来事があったのです。
上司の何気ない一言が転職を考えるきっかけに
当時は予備校で働いていたので、勤務時間が不規則でした。
午前10時から午後6時までの日もあれば、午後2時から午後10時までの日もあるような勤務体系。
そんな中で、当時の校舎長と会話しているときに聞いた何気ない一言が、私には衝撃的でした。
「平日に子どもの起きている姿を見たことがないんだよね」
当時の校舎長のお子様はまだ3歳。
夜は早く寝てしまうので、毎日仕事から帰ってきたら既に寝てしまっていたようです。
私は将来自分が家族を持ったときは、家族との時間を大切にしたいと考えていました。
そのため、この校舎長の言葉がきっかけで「予備校業界で働くのは自分の求める働き方に合っていないのかもしれない」と思うようになったのです。
安定した職場で働きたかった
勤務体験の不安定さももちろんですが、これから少子高齢社会が進む中で、教育業界そのものへの不安もありました。
20年後、30年後まで教育業界でしか働いた経験がないままで良いのか、と不安に感じていた部分もあります。
また、給与体系についても安定した職場が良いという想いがありました。
予備校で働いていた当時の給与の方式は、固定給+営業の歩合制。
そして、年2回のボーナスも完全歩合制でした。
もちろん営業がうまくいったときは月々の給料やボーナスに反映されましたが、ノルマを達成するために給料以上のストレスがたまっていた記憶があります。
公務員になると月々の給料もボーナスも固定されるという安定感に強い魅力を感じ、公務員への転職を志しました。
転職するなら早いほうが良いと思った
当時の私は、公務員への転職は早ければ早いほうが良いと思っていました。
理由としては大きく2点あります。
若いほうが受験できる自治体の幅が広い
私が受験した大卒枠の公務員試験は年齢制限が22~28歳まででしたが、自治体によっては25歳までしか受験できないところもありました。
受験を考えた時点で私は25歳だったので、年齢制限がある以上は早めに受験対策を行うべきだと考え、すぐに行動に移しました。
同じ仕事に慣れすぎると抜け出せなくなる
予備校の仕事はやりがいがあったので、そのまま続けるという選択肢もありました。
しかし、自分の理想の働き方は「家族との時間を大切にすること」。
ここがぶれてはいけないと思いました。
ただ、同じ仕事に慣れてくると、どうしても環境の変化を避けるようになります。
勤務時間を変えるために公務員になろうと考えているなら、仕事に慣れきってしまう前に転職するべきだと考えました。
3年目だからこそ勉強時間を確保できた
当時を振り返ると「3年目だったからこそ勉強時間を確保できた」と感じています。
なぜなら、冒頭でも説明したように1~2年目は目の前の業務に追われていました。
しかし、3年目になると、業務面や業界知識など、一通りの知識が身につくので、業務外は公務員試験の勉強を行う時間も作れるようになりました。
さらに、ある程度の社会人としての一般常識やスキルも身に付きます。
そのおかげで、新卒のころの就活に比べて、面接などは落ち着いて受けることができました。
このように、転職を考えるきっかけや勉強時間を確保できるようになったタイミング、社会人としてのスキルはすべて就職してから3年目に揃ったように感じます。
以上のことから、私は3年間の民間経験を経て、公務員への転職を果たしました。