病院勤務の管理栄養士がやりがいを感じるとき
仕事ではつらいこと、悩むことが多々ありますが、たまにやりがいを感じる瞬間があるからこそ頑張れるものだと働いていて感じます。
今回はわたしが管理栄養士として病院に勤務していた頃にやりがいを感じたエピソードについてご紹介していきます。
人それぞれだとは思いますが、職業へのイメージを持つ参考にしてもらえると幸いです。
患者さんに信頼され、仲良くなれたとき
病院の管理栄養士は外来患者様と入院患者様のどちらとも関わる機会が多いです。
外来であれば栄養指導、入院であれば栄養指導の他にも毎日の食事の時間に患者様のところへ行って食事を摂っている場面を観察したり、食事に対する意見を聞いたりするなど多くの場面で関わります。
患者様は、人から自分の食事について色々聞かれたり口出しされることに抵抗のある方も少なくありません。
医者の言うことは聞いても、管理栄養士となると素直に聞き入れてくれなかったりすることはよくあります。
また、管理栄養士は女性が多く、更に年齢が若いとなるとなおさらです。
そんな患者様達に指導をしっかり受け入れてもらうためには、日頃からのコミュニケーションがとても大切になってきます。
栄養の話だけではなく、体調のこと、趣味の話、世間話でも患者様と向き合ってしっかり聞いてあげることで徐々に患者様からの信頼を得ることが出来ます。
疾患を持って通院や入院をしている患者様なので、時には攻撃的な口調だったり、あまり人と関わろうとしなかったりという方も多いです。
しかし、日々少しずつでも関わりを持つことで頑なだった方も退院前にはすっかり打ち解けて他のスタッフには言わない悩みや愚痴を言ってくれたりもして、その時にはとても嬉しい気持ちになります。
そういう関係性を築けると、「栄養士さんがそう言うなら食事も頑張ってみようかな」といったような気持ちを患者様から引き出すことができ、栄養指導の成果にも繋がっていきます。
他職種から頼られるとき
看護師やPT・OT・STなど、病院内には様々な医療スタッフがいます。
病院では多職種での連携にて治療を進めていくので、他の職種のスタッフと関わる場面はよくあります。
やはりスタッフの中にも様々な人がいるので、私が他職種の人に相談があるときは担当が決まっていない限りは、丁寧に対応してくれる人や、仕事ができる人にお願いすることが多いです。
なので、たくさんいる栄養士の中で自分に相談されたときは「この人は自分を頼ってくれている」とやりがいを感じます。
また、特定の患者様の件ではなく、「こういうときは管理栄養士としてはどう思うか」といった意見を求められたり、「自分の勉強のため栄養の知識を教えてほしい」といったような内容も多くあり、そういう時は人としても信頼されているのかなと感じ嬉しいです。
頼られるということは、日々の自分の仕事ぶりを見て判断してくれていると思うので、これからもしっかり頑張ろうという気持ちになります。
ドクターから頼られるとき
先ほど、他職種から頼られるとき、というエピソードがありましたが、その中でもドクターから頼られるのはまた別の喜びがあります。
患者様の栄養内容について、もっと栄養を増やした方がいいんじゃないか、今使っている栄養剤を別のものに切り替えた方が良いのでは、など日々管理栄養士としてドクターへ提案をします。
しかし、ドクターによってはすんなり受け入れてもらえなかったりすることも多いです。
まだ管理栄養士として経験が浅い時は自分の説明の仕方が悪かったり、根拠となるものの提示が甘かったりといった部分があり、なかなか難しかったです。
しかし、経験を積んでいくと、ドクターによっては「あなたが言うならやってみて」とGOサインをくれたり、「こういう患者さんなんだけどいい方法ないかな」と相談されたりということが増えました。
ドクターに信頼して色々任せて貰えるようになると、自分がしたい栄養管理を実現できることが増え、仕事にとてもやりがいを持てます。
もっとこうしたら良くなるのでは、次はこうしてみよう、といったことを考えながら仕事が出来るのは大変ですが、とても楽しく自分の成長にもつながります。