プロサッカー選手になるには部活とクラブ、どちらが有利?
プロサッカー選手になるには、主に2通りの方法があります。
学校のサッカー部に所属する方法と、Jリーグの下部組織などのクラブチームに所属する方法です。
部活とクラブチームにはそれぞれに特徴があり、メリットとデメリットがあります。
プロサッカー選手になるには、どちらを選択するのがより有利なのでしょうか。
現在の日本代表は部活とクラブがほぼ半々
1993年にプロサッカーリーグのJリーグがスタートするまでは、ほとんどの人が学校のサッカー部でプレーしていました。
そのためJリーグがスタートした当初は高校のサッカー部出身の選手が大半で、クラブの下部組織出身の選手はほとんどいませんでした。
1998年に日本が初めてワールドカップに出場したときのメンバーを見ても、全22選手中21人が高校のサッカー部出身。
高校のサッカー部出身ではない唯一の選手はブラジル出身で日本に帰化した呂比須ワグナー選手のみでしたから、事実上、全選手が高校のサッカー部出身といっていい状況でした。
しかし、Jリーグが歴史を重ねてクラブの下部組織の選手も徐々に増え、状況は大きく変化しています。
実際、2018年のワールドカップに出場した日本代表選手の割合を見ると、23選手中12人が高校のサッカー部出身、11人がクラブ出身とほぼ半々になっています。
部活とクラブ、それぞれの特徴とは?
学校のサッカー部とクラブの下部組織では、それぞれにどんな特徴があるのでしょうか。
Jリーグクラブの下部組織は通常、小学生年代から高校年代までのチームを有しています。
各カテゴリーで入団のためのテストがあり、実力がともなわなければ入団することはできません。
強豪クラブの下部組織には全国から優秀な選手が集まり、レベルの高い環境で実力を高め合うことができます。
また、クラブの大きな特徴として実力があれば飛び級で上のカテゴリーでプレーすることも可能な点があり、10代の早い段階でJリーグデビューすることもあります。
中学や高校年代のうちからトップチームのプロ選手たちと練習や試合をする機会があることは、Jリーグクラブの下部組織のメリットといえます。
一方で、中学、高校、大学のサッカー部は教育の一環ですから、基本的には誰でも入部することができます。
強豪クラブの下部組織のように必ずしも優秀な選手ばかりが集まるあけではありませんが、一般的に協調性や精神面の強化など、プレー以外の面も磨かれやすいと言われています。
部活とクラブの両方を経験する選手も多い
クラブの選手はずっとクラブ、部活の選手はずっと部活でプレーしなければいけないわけではありません。
たとえば中学校ではサッカー部に所属し、高校ではクラブのユースチーム、大学では再びサッカー部に所属するといったことも可能です。
近年は部活とクラブの両方を経験している選手も多く、代表的な例としては日本代表として大活躍した中村俊輔選手や本田圭佑選手などがいます。
中村選手は中学までは横浜F.マリノスの下部組織でプレーしていましたが、高校年代のチームに昇格することができずに桐光学園高校に進学してプロへの道を切りひらきました。
本田選手も中学まではガンバ大阪の下部組織でプレーしていましたが同じく高校年代のチームに昇格できずに星稜高校に進み、高校サッカーで活躍してプロになりました。
部活とクラブのどちらも経験することでそれぞれの良さを身に付けて実力を高め、プロ入りする選手が非常に多くなっています。
部活出身の選手とクラブの下部組織出身の選手の割合は、以前は部活出身の選手が圧倒的に多い状況でした。
しかし、現在はほぼ変わらない状況になっており、どちらを選択してもプロ選手として大成できる可能性はあります。
近年の傾向としては、プロになるまでに部活とクラブの両方を経験する選手も増えています。