プロ野球を目指す選手が戦う独立リーグとは?
プロ野球選手になるためには、ドラフト会議でプロ球団から指名を受けなける必要があります。
ドラフト会議で指名を受けるのは、主に高校野球や大学野球、社会人野球においてプロ球団から注目されるプレーを見せた選手たちです。
しかし、近年はこの他に独立リーグでプレーする選手たちがドラフト会議で指名されるケースも珍しくありません。
プロ野球を目指す選手たちが集結する独立リーグ
日本における野球の独立リーグは、プロの野球リーグの一つです。
プロ野球とはいってもセントラルリーグとパシフィックリーグの12球団で構成される日本野球機構(NPB)のような華やかな世界ではありません。
独立リーグでプレーしている選手は基本的に、ドラフト会議で指名を受けてプロ野球(NPB)でプレーすることを目指しています。
NPBのトップ選手は数億円の年俸を得ていますが、独立リーグの場合は平均月収15万円ほどと言われており、ドラフトで指名されることを目指してハングリーに戦っています。
独立リーグに所属する選手の多くは、オフシーズンやリーグの中断期間中などにはアルバイトをしながら生計を立てています。
独立リーグのチームでプレーすることのメリットの一つは、入団した初年度からドラフト指名の対象選手となれることです。
高校や大学から直接ドラフト指名されなかった選手は社会人野球に進むこともありますが、社会人野球の場合は高卒であれば3年目、大卒であれば2年目からドラフト指名の対象となります。
独立リーグの選手は実力があれば1年目からドラフトで指名される対象となるため、本気でプロ野球を目指す選手には適しています。
全国各地に複数の独立リーグが存在
プロ野球のドラフトで指名されることを目指す選手たちがプレーする独立リーグは、全国各地に存在しています。
日本で最初に本格的な独立リーグとして誕生したのは四国アイランドリーグplusで、2005年に設立されました。
愛媛マンダリンパイレーツ、香川オリーブガイナーズ、高知ファイティングドッグス、徳島インディゴソックスという4つの球団があり、その中から多くの選手がドラフト指名されてきました。
四国アイランドリーグplusに続いて誕生したのが、2007年に設立されたベースボール・チャレンジ・リーグ(BCリーグ)です。
BCリーグは北信越、関東、東北、近畿と広いエリアで活動しており、12球団が所属しています。
その他にも2014年にスタートした関西独立リーグ、2020年にスタートした北海道ベースボールリーグなどがあります。
多くの選手が独立リーグからプロ野球選手に
実際、独立リーグからはこれまでにも多くの選手たちがドラフト指名を受けてプロ野球(NPB)の世界に入っています。
支配下選手を獲得する通常のドラフトで指名されるのは平均して年に2~3人ですが、育成選手を獲得する育成選手ドラフトを含めれば毎年、多くの選手が独立リーグからドラフト指名を受けています。
四国アイランドリーグplusの香川オリーブガイナーズから中日ドラゴンズに入団した又吉克樹投手、高知ファイティングドッグスから千葉ロッテマリーンズに入団した角中勝也選手ら、日本代表に選出された選手もいます。
また、独立リーグはプロ野球(NPB)を目指す選手の挑戦の場であるだけでなく、プロ野球で活躍した選手の再挑戦の場ともなっています。
2020年にはメジャーリーグでも活躍した川崎宗則選手がBCリーグの栃木ゴールデンブレーブス、同じくメジャーリーガーだった田澤純一投手が埼玉武蔵ヒートベアーズでプレーしました。
プロ野球のトップレベルで活躍していた選手とともにプレーできるのも、独立リーグの魅力の一つです。
野球の独立リーグは、高校や大学から直接プロ野球に進めなかった選手たちがドラフト指名を受けることを目指して戦うリーグです。
平均月給が15万円ほどと待遇は恵まれていませんが、アルバイトをしながら多くの選手がプロ入りを目指しています。
社会人野球とは異なり、独立リーグの選手は入団初年度からドラフトの対象となることから、本気でプロ野球を目指す選手にとっては大きな選択肢の一つとなっています。