保健師の仕事で大事なのは信頼関係を築くこと
保健師という仕事は、医療や保健分野に興味のある人でなければ、その仕事内容まではわからない人が多いのではないでしょうか?
私はそうでした。
おそらく、保健師の仕事は対象も年代の区切りがなく幅広く、その仕事内容も健康に関することだけではなく、生活全体に関わるため、 はっきりした保健師像のイメージは掴みにくいものと考えます。
ここでは、保健師を目指されている方が、より具体的な仕事内容のイメージを掴み、今までよりも目指す保健師像がはっきりしたものになるようなお話をさせていただきたいと思います!
保健師の魅力
保健師は、地域住民を対象にする仕事であり、病院のような外科や内科などの明確な区切りもなければ、手術やこの薬!といった明らかな関わりの道筋が決まっている仕事でもありません。
その対象の健康課題をみつけ、その人の生活全般をみてアプローチの仕方を模索していく仕事なので、一人ひとりの対象ごとにアプローチの仕方は違い、関わる保健師の関わり方にも【その保健師らしさ】がある、【私】ならではの支援の仕方が魅力的な仕事です。
信頼関係が築かれて、まずは【私】を受け入れてもらえなければ届けたい支援も行き渡らないので、自分の人間性が非常に試される場という難しさがあります。
ですが、対象者から頼りにされるようになり、そうして対象者の問題が改善に繋がったときにはとても感謝され、自分も達成感と何とも言えない温かい気持ちを感じられる、とても人間味のある仕事なのです。
保健師の仕事で覚悟が必要なこと
先に述べたような、支援の過程で築き上げられた住民の方との関係性は、【自分】の存在価値を実感させてくれるものです。
そして、病院のような入退院のような区切りのある付き合いではなく、その人がそこの住民である限り支援や関係性が長期間に渡り続いていくのが保健師の仕事です。
それは、とても充実感のある一方で、健康課題の改善からまたも課題に逆戻りしてしまったり、逆に最初から対象に受け入れてもらえずに必要な支援につながらなかったりしたときに、自分の無力さを味わう苦い経験にもなります。
ニュースで見かけるような幼い子供や高齢者の虐待などの痛ましい出来事は、決して珍しいことではなく、どの地域にも存在しています。
そのような問題に直面する覚悟と、決して逃げ出さずに向き合う覚悟が、保健師にはとても重要なのです。
保健師を目指す皆さんへ
保健師の活動の全ては、地域住民に受け入れられ、信頼関係を築くことから始まると言っても過言ではありません。
同じ健康への関わりの分野でも、病院であれば対象の方から、痛いつらいなど体の不調を感じて『助けてください』と歩み寄ってきますよね?
それに対して、地域住民への関わりは、対象自身は何かつらい症状があるわけでもないため、特に問題を感じてもいなければ誰かの支援が必要とすら感じていない場合も多く、求められていない人にアプローチしていかなければいけないという難しさがあるのです。
その難しさを突破していくには、自分の価値観だけで物事を捉えず、様々な人がいて様々な価値観があることを認め、その価値観に歩み寄る心の広さを併せ持たなければなりません。
どうかそのことを心の中心におき、
・信頼とは何か?
・人を受け入れることの強さ
・人に受け入れられることへの感謝
そういったことを日々の生活の中でよく感じとって、人間力を高める努力を惜しまないでください。
具体的な仕事内容…とまではいきませんでしたが、保健師の魅力や必要な覚悟の話を通して、保健師という仕事がいかに互いの繋がりが重要なものか、今までよりもイメージがしっかり湧いてくれるとうれしいです。
これから保健師を目指す皆様、今経験している勉強、家族や友人、先生などあらゆる人との関係、全ての経験に感謝し、自分の糧として人間力に磨きをかけてください。
皆様が素晴らしい保健師になられることを楽しみにしております!