新幹線車掌は時間厳守! 大変だけど、やりがいのある仕事
投稿者プロフィール
投稿者の仕事満足度
- 総合満足度
- 4.50
- 仕事内容
- 5.00
- やりがい
- 5.00
- 働きやすさ
- 4.00
- 給料・年収
- 5.00
- 休日・待遇
- 4.00
- 成長・将来性
- 4.00
- メッセージ
-
新幹線の車掌は、にこにこしながら車内巡回をして、車内放送をするだけの楽な仕事だと思われているかもしれません。
確かに、何も起きなければ楽かもしれません。
しかし、旅客がドアに挟まれたら、決められたマニュアルを迅速確実に行う必要があります。
列車が故障したら床下に入って点検もしなければなりません。もしもの時に備えて常に訓練し、新しいマニュアルが出たら確実に頭に叩き込み、乗務しています。
旅客の命を守りながら、新幹線の安心安定輸送を最前線で担う仕事です。
これらを念頭に置き、どんな車掌になりたいかを想像しながら就職活動頑張って下さい。
- 仕事内容
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「新入社員研修」「2年間の駅勤務」「車掌養成の研修と試験」に合格すると運輸所というところに配属されます。
私は関西の運輸所に所属し、ドアの開閉、切符の検札、発券、変更、車いす旅客の乗降補助、車内放送、車内点検、旅客案内などの車掌業務を行いました。
異常時には、旅客の救護、列車や線路の点検なども行いました。
当時、車掌は車掌長(クルーのリーダー)、後部車掌(ドア開閉担当)、中乗り車掌(何でも屋)の3人で構成されていました。
現在は車掌長と後部車掌の2人で構成されています。
車掌業務を2~5年程やると、次は運転士の養成研修に入ります。
- なるには
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私の知り合いに鉄道会社に入った人はいなかったため、本やインターネットで鉄道業界全体の勉強をしました。
リクルーターがいれば、話を聞いた方がいいです。
入社試験で必ずクレペリンという適性検査を受け、それをクリアしないと確実に落とされます。
数字の羅列をひたすら計算するものなので、自分でも似たような問題を作って練習しました。
- やりがい
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自然災害や人身事故などで列車が遅れている時に乗務すると、列車が無事に終点へ到着した時の達成感はすごいです。
車掌と運転士で協力して情報をかき集め、旅客に最新情報を案内したり、はしごをかけて隣に止まっている車両に旅客を移動させたり、毎回頭をフル回転させながらチームプレーで乗り越えていくのは、とてもやりがいを感じました。
- つらいこと
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とにかく時間厳守で、常に時間を気にしておく必要があります。
1秒でも遅刻すると、2週間は乗務できず反省と指導の毎日です。
私も退職してからだいぶ経ちますが、いまだに時間が気になって仕方ないです。
泊まり勤務なので、1時就寝6時起床もあれば、22時就寝4時起床もあります。
慣れるまではかなり大変だと思います。
例えば、夜に列車遅延があって就寝時間が遅くなっても、翌朝は所定通りの早い時間に起床しなければなりません。
- 向いてる人
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時間が厳守できる人が向いています。
時間にルーズな人は、常に腕時計を身につけ、何をするにも時間を決めて行動しましょう。
例えば、何時何分までに買い物を終えてスーパーの出口にいると決めます。
商品を選びレジに並ぼうとしたら、列が出来ていて時間に間に合いそうにない。
それがわかったらダッシュで商品を戻し、買わずに出口に向かってください。
それぐらい時間厳守をしなければならない仕事であり、会社です。
- 志望理由
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旅行中に乗った新幹線の車掌がとても親切で素敵な人だったため、このような人達と一緒に働いて、私もお客様に親切丁寧な接客サービスをしたい!と思ったからです。
実際働いてみて、素敵な車掌ばかりではなく個性豊かな車掌が多いなと思いました。
- 働きやすさ
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職場の男女比率は8:2ぐらいですが、肩身の狭い思いをしたことはありませんでした。女性の寝室やロッカーは国鉄民営化後に整備されたものなので、どこもとても綺麗でした。
しかし車掌業務は基本的に泊まり勤務のため、子供を持つ母親が復職するには厳しいです。
周りに親やサポート体制がある女性は復職していますが、それが出来ない女性は駅の日勤業務に異動したり、退職せざるをえないのが現状です。
- 給料・年収
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大卒の1年目の基本給が20万ほど、勤続10年目で40万弱です。
これに休日手当や深夜早朝手当、残業手当が上乗せされます。
私が働いていた時は乗務手当というものがあり、これが月8万前後ありましたが、現在は廃止され別の制度になっています。
ボーナスも年2回あり、人事考課で数%上乗せされることもあります。
- 休日・待遇
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休日出勤や残業はほとんどないので、充実したプライベートを送る人が多いです。
半年に一回ずつ、連続休暇という10連休前後の休みが申請できます。休みが入るかどうかは抽選で、入ると前後に特休公休などもつなげてくれる管理者が多く、私は20連休とれたこともあります。
家の用事など単発の休日も申請できますが、繁忙期(年末年始やGW、お盆など)は入りにくいため、その時期に家族で帰省や旅行を楽しむことは難しいです。
- 就職・転職
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新幹線を保有するJRは4社ありますが、正社員で車掌採用という枠はないです。
必ず駅員を経験してから、自動的に車掌養成に入れる会社もあれば、新幹線の車掌は狭き門で、試験に通らなければ養成すら入れない会社もあります。
入社してから後悔しないように、希望する会社の車掌になるまでの流れを必ず確認してください。
私の時は適正検査と個人面接が4回ぐらいで、時事問題などの試験はありませんでした。
前の年はグループディスカッションがあったので、毎年面接方法を変えている可能性があります。
面接重視だと思うので、色んな場面を想定して練習してください。
- 恋愛・結婚
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若手車掌の5割が職場や社内恋愛・結婚だと思います。
3割ぐらいが車内販売とグリーン車を担当するパーサーの人との恋愛・結婚です。
不規則な勤務時間と不定休のため、普通の土日休みの人とはなかなかスケジュールが合わせにくいからだと思います。
高卒、短卒、専門卒だと地域採用なので基本的には転勤はありませんが、高専卒、大卒、院卒だと転勤があるため、単身赴任になる可能性があります。
- 成長・将来性
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車掌業務は事細かにマニュアルが決められており、それを遵守していれば普通に仕事はできます。
それ以上の努力をしない人は成長できないと思います。
ノルマもないし、管理者から文句も言われないからです。
もっと接客力を高めるために、英会話の勉強をしたり、サービス介助士の資格をとったり、自分で成長しようとする人には職場も支援してくれます。補助金支給や表彰もされます。
車掌は3人から2人に減員されましたが、短区間のみ巡回する車掌が増設されました。
2人だけではカバーしきれない区間に乗務し、防犯強化、旅客案内に務めます。リニアは無人走行が可能といいますが、新幹線がある限り、車掌という職業はなくならないと思います。