納棺師になるには
納棺師になるまでの道のり
葬儀会社への就職
納棺師として働くための最も一般的な方法は、葬儀全般を執り行っている会社に就職することです。
求人は他の一般企業と同じように見つけられるため、しっかりと企業研究をし、適切な態度で試験に臨めば合格の可能性は大いにあると考えていいでしょう。
注意すべき点としては、葬儀会社に入社したからといって必ずしも納棺の仕事ができるとは限らないということです。
納棺は葬儀の流れの一部分に過ぎません。
葬儀会社はその他全体の進行や事務、送迎等、葬儀に関する多岐にわたる業務を全て担当しているため、たとえ納棺作業を希望してもその他の業務を担当することになるかもしれないということは覚悟しておきましょう。
納棺・湯灌専門業者への就職
納棺や湯灌を専門に行っている会社に就職すれば、確実に納棺師として働くことができます。
一般的には、まず半年程度、着付けや化粧の技術、葬儀・仏事についての知識を学んだ後、社内での実技試験に合格することで納棺師として現場に出ることができます。
ただし、この業種は求人が出にくいため、場合によっては就職活動が困難になることも覚悟しておきましょう。
とはいえ、長く勤めてくれる社員を求めているところも多く、求人を出していない会社にも直接問い合わせをして相談してみると、場合によっては面接をしてくれることもあるようです。
20代で正社員への就職・転職
納棺師の資格・難易度
特別な資格は必要なし
納棺師を志す時点で、特別に必要になる資格や学歴はありません。
年齢的にも性別的にも障害となることが比較的少ない職種であると考えてよいでしょう。
入社後の研修で知識を学ぶ
納棺師は資格が不要である代わりに、入社後の研修で必要な知識や技術を学ぶことになります。
どの会社も独自の研修を設けて知識や技術の指導をしますが、納棺師の仕事は、専門の技術や知識だけがあれば務まるというものではありません。
深い悲しみに包まれる葬儀という場において適切な言動、所作がとれることはもちろん、遺族へのきめ細やかな心配りが必要不可欠になってきます。
研修中に行われる試験を突破できなければ現場に出ることはできません。
研修の内容や裁量は各社異なりますが、大変厳しいものであることが一般的です。
学歴や資格が不要である分、入社後に多くの学びの場が設けられていると覚えておきましょう。
納棺師になるための学校の種類
葬儀関連の専門学校
専門学校の中には、葬儀に関連するコースがあるところがあります。
そのような学校に進学し、基本的な知識や技術を学んでから就職活動を行うというのもひとつの方法です。
進学するメリットしては、専門学校には就職先のパイプが豊富にあることが挙げられます。
専門学校でしっかり努力することで希望の就職先に進むことができる可能性が高まるといえるでしょう。
専門学校で学ぶこと
専門学校における葬儀関係の学科では葬祭業全般に必要な知識や技術を学ぶことになります。
その中の一つに納棺や湯灌の実習が含まれています。
葬祭業の基礎知識を始め、関連する法律やビジネスマナー、遺族の心理面をサポートするグリーフケアの授業など、葬祭業に関連するさまざまな知識の習得や花祭壇の施工や司会実務など葬儀のあらゆる場面に対応できるようなカリキュラムが組まれています。
納棺師の手がける仕事は葬儀の中での一部分にすぎないため、葬儀の流れ全体を知ることは大変重要な視点となり実際に入職した後、自身の仕事の幅を広げることにもつながります。
このように葬儀全般に関する広い知識を得ることができることも大きなメリットであるといえます。
20代で正社員への就職・転職
納棺師に向いている人
納棺師の仕事場は、葬儀という厳粛な場です。
遺族の思いを汲み取った上で、言葉のみならず、所作や表情まで慈しみの思いをもって業務にあたることが納棺師にとって何より重要なことです。
これには納棺師一人ひとりが思いやりの心を持つことが必須であるといえます。
また納棺師はその業務の特性上、常に死と向き合わなければならない職業です。
思いやりの心を持ち、タフな精神力を持つ人でなければこの仕事は務まらないでしょう。
納棺師のキャリアプラン・キャリアパス
納棺師の仕事は一人でも出来る仕事でもありますが、納棺は一人で行うにはかなりの労力と時間を要するため、経験を積んだとしても個人で活動する人は非常にまれです。
ただし納棺や湯灌を専門に行う業者で経験を積み、人脈を作ってから、独立し、少人数で事業を始めるというケースはそれほど珍しくありません。
経営が軌道に乗れば地方に事業所を開設し、会社の規模を広げることも夢ではありません。
納棺師を目指せる年齢は?
納棺師になるために必要な資格や学歴はなく、何歳からでも目指すことができます。
中小規模の葬儀会社の中には新卒採用をせず、中途採用に重点を置いているところも多くあります。
社会人としての常識を持さえ持っていれば、誰でも納棺師を目指せると考えてよいでしょう。