「てっぺん」とは

「明日の仕事はてっぺん越えるかもしれないのでよろしく」と上司に言われることがあるかもしれません。

今回はこの「てっぺん」という言葉について説明します。





「てっぺん」の意味

「てっぺん」とは天の辺、「天辺(てへん)」という言葉がもとになっています。「頭のてっぺん」と言うように、人やものの一番高い部分をさします。

しかし今回お話しする「てっぺん」は、上ということではなく、深夜0時のことを意味しています。

つまり翌日になる時間のことです。

もともとアナログ時計では深夜0時に時計の針が一番上の時計のてっぺんをさすことからこの言葉が使われるようになりました。

「てっぺん」を使うシチュエーションと会話例

「てっぺん」という言葉は主に深夜の仕事が多いテレビやアニメなどの業界用語として使われています。

「今日の収録はてっぺんまたいでしまいますがよろしくお願いします」というように使います。

またそれ以外の業種でも残業が長引いてその日のうちに仕事が終わらないときに「ああ、今日もまたテッペン超えだ」というように使うことがあります。

仕事で帰りが遅くなった場合、「今日も家につく頃にはてっぺんこえてしまう」というように、てっぺんを越える時間が職場でなくても使います。

「深夜0時を越える」というより、「てっぺんを超える」と言った方が、何となく軽い印象になりますよね。

仕事が大変な時で、疲れがピークに達するような時間だからこそ、このように「てっぺん」という言葉を使うことで気持ちを軽くするという効果もあるのかもしれません。

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てっぺん越えは労働基準法ではどうなる?

とはいえ、労働基準法から言ったらてっぺん越えは十分指導の対象になり得ます。

ブラック企業にもみられるように過度の残業は健康を害するおそれが出てくるからです。

てっぺんという言葉が主にテレビやアニメ業界で使われるのは、業界自体がどうしても深夜までかかるような仕事環境になってしまうということがあります。

収録の場合は取り直しなどで長引いたり、報道の現場になれば、何か事件や自然災害が起きれば夜中であっても関係なく迅速に対応しなければなりませんよ。

収録が遅くなるだけでなく、そのことによって下請けの番組制作会社に仕事を回すのが遅くなると、どうしても押せ押せになって制作会社が徹夜を強いられることも少なくありません。

そのため番組制作会社は時間外労働や休日出勤などが当たり前のような状況になっています。

アニメ業界の例

とくにアニメ業界の制作会社の労働環境は厳しいことで有名で、徹夜作業が多い割に年収も低く、仕事もハードなために離職率も高いという状況になっています。

最近では、労働環境のチェックも厳しくなり、労働基準法違反の取り調べをする労働基準監督署が企業の担当者を呼び出し、残業代をちゃんと払っているか、最低賃金はいくらかなど調べるようになっています。

労働基準監督署は逮捕権も持っているため、指導に従って労働環境を改善しない状態が続く場合は送検されることもあります。

しかし小さな制作会社になると、一人一人の残業代を支払うと、その分給与をカットしないと資金をやりくりできないという状況になり、結果的に会社自体の存続が難しくなってしまう事態が出てくるケースもあります。

このように労働環境に関してはなかなか折り合いをつけることが難しいのがテレビやアニメ業界です。

それでもこの業界への仕事につきたいと思う若い人が多いのは、仕事自体が魅力的でやりがいがあるからといえます。

若い人がもっと働きやすい環境を作れるように今後は業界自体の改革も必要になってくるでしょう。

この記事のまとめ

「てっぺん」とは夜中の0時という意味をあらわします。

たまにてっぺんを超えてしまうのは仕方がありませんが、いつもてっぺんを超える時間まで働かなければいけないような深夜労働に関しては、労働条件を見直したり体調管理をしながら対応していく必要があるでしょう。

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