垂直統合とは

垂直統合とは、これは企業形態を決める上で会社経営にとって要となる大事なキーワードです。

ここではこの垂直統合の意味とそのメリットやデメリットについて実際の経営モデルの例を上げながら説明します。





垂直統合のメリットとデメリット

製造業の経営の一つの手法が垂直統合モデルです。

垂直統合モデルでは開発から設計、製造、販売まですべての工程を自社ですべてまかなうことをいいます。

それを行うために、大きな企業では他の企業の買収、合併を行って自社グループとして統一して運営することもあります。

垂直統合のメリットは、すべての過程でのコントロールが容易になるので、開発段階での商品のコンセプトが一貫してユーザーまで伝わりやすく、個性を打ち出したものづくりがしやすいという点が挙げられます。

外注しない分、中間のマージンも抑えることができたり、製品の安定した供給ができるという特徴があります。

すべての工程を把握しやすいのでクレームなどにも迅速に対応できるという利点もあります。

垂直統合のデメリットは、全自社で行う分、初期設備投資や固定費が高くなり回収するのに長い年月を要する点です。

そのため時代の変化により市場のニーズが急激に変わった時に、フレキシブルに対応しづらいという点が挙げられます。

水平分業モデルとは

垂直統合モデルとは対称的に、すべてを自社で行うのではなく、製品化から販売に至る各工程の中のある部分を外部に委託する手法を「水平分業」といいます。

水平分業のメリットは自社の苦手な分野を外部のエキスパートに委託することにより、限られた経営資源の中で効率よく商品を作ることができるという点です。

また、委託する会社を変えるだけで時代のニーズに合わせて短期間で新しい商品を作り出すことができるというメリットもあります。

水平分業のデメリットは、外注費用が発生する点や、外注先と調整をするための手間や費用がかかるといった点があげられます。

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ユニクロにみる垂直統合の例

垂直統合の例としては、ユニクロの経営モデルが挙げられます。

もともとは衣料品小売企業であったユニクロは、企画から製造、物流、販売まですべて自社で一貫して行う垂直統合モデルを取り入れることによって急成長した会社です。

在庫を見ながら工場へ発注できること、中間のコストを抑えられることなどから、他社と同じ品質の製品でも低価格で提供することが可能になり、他社との差別化に成功しました。

アップルの新しい形の垂直統合戦略

他社の製品には真似のできない独自の製品作りをするアップル社は独自のクラウドサービス、コンテンツプラットホーム、OS、CPU、ハードウェアを持っている点で垂直統合モデルを採用しているといえますが、製造やアプリ開発においては外部に委託して水平分業の手法も取り入れているのが特徴です。

ただしアップル独自のデザイン品質を実現するために必要な製造機械は工場へ貸し出したり、アプリの開発においても厳しい審査基準を設けるなど、徹底した管理をすることで一貫したブランド戦略を行っています。

このようにアップル社は垂直統合と水平分業、両方のモデルのメリットをうまく生かして成功している例といえるでしょう。

この記事のまとめ

企業にとって垂直統合という戦略は会社の経営にとって大事な方針の一つです。

これからの時代はアップルのように、これまでの手法にとらわれないような時代に合った経営モデルを作ることが必要となっていくでしょう。

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