フィランソロピーとは

フィランソロピーは、まだ日本では聞きなれない言葉ですが、20世紀初頭にアメリカで誕生した概念で、企業による社会貢献活動を指します。





今注目されるフィランソロピーとは何か?

寄付や慈善事業などに対する総称のことですが、日本では「博愛主義」や「慈善」と訳されます。

フィランソロピーの語源は、古代ギリシア語のフィロス(愛すること)と、アントロポス(人類)で、「人類を愛すること」という意味を持ちます。

また、フィランソロピーを実践している人のことを、フィランソロピストや篤志家と呼びます。

日本ではまだ、フィランソロピーの本来の定義が定着していないせいか、フランス語由来の「メセナ」と混同される場合が多いようです。

メセナは企業による芸術活動や文化活動への支援を指しますが、フィランソロピーは企業による公益活動全般を指しますので、より広い概念だといえます。

ビジネスにおけるフィランソロピーという概念

最近では、ビジネスの分野においてもフィランソロピーという言葉が浸透しています。

成長が見込める非営利組織や、公益性の高い企業に対して、中長期的な視野で支援をするとうことも、フィランソロピーとして考えられています。

これはベンチャーフィランソロピーと呼ばれ、資金の提供などがなされます。

フィランソロピーは資金を提供するという面から、チャリティと混同されがちですが、フィランソロピーは人類愛や生活の質の向上(QOL)を元に考えられます。

このフィランソロピーの概念があまり日本に浸透していないのは何故なのでしょうか。

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日本とフィランソロピーの関係

先にも述べたように、ビジネス分野でのフィランソロピーは、中小企業やベンチャー企業、非営利組織などに投資することで、社会的課題の解決を図ることを目的としています。

アメリカでは活発に投資が行われていますが、日本ではそのような投資額は少なく、まだアメリカの1/40程度にとどまっています。

チャリティの文化も日本とアメリカでは桁違いですので、社会貢献に関する関心がまだまだ薄いということも考えられます。

またフィランソロピーよりも、税金を介して富の再配分をする方が良いと考える人や、フィランソロピーを推進すると、社会主義に繋がるのではないかという疑問もあるためでしょう。

確かに、富める人とそうでない人の差をなるべく少なくするという点では、税金を使えば公平に思えるかもしれません。

また、皆が平等な社会になると、努力して資本を手にしようとする人が減り、労働者階級は皆一律という社会主義・共産主義的な思想に繋がるのではないかという懸念もわかります。

ですが、フィランソロピーとは、投資を通じてイノベーションを起こし、それによって社会貢献を達成することを目的としていますので、極めて民主主義的な行為といえます。

格差を縮めるというよりは、人類愛という観点から全体の生活の質の向上を図るものです。

フィランソロピーを浸透させるには

フィランソロピーが日本に定着するためには、まず慈善事業の種類などを把握する必要があるでしょう。

チャリティやメセナといった、フィランソロピーと近い概念と、切り離して考えることも重要です。

もともとチャリティ文化が盛んなアメリカにおいては、これらの概念がしっかりと分けられ、経営層もフィランソロピーを理解していますが、日本はまだCSRの一環としか考えられてないでしょう。

この記事のまとめ

日本は長期的な視野で投資を行うということに対しても、遅れを取っているといえます。

投資という行為そのものが、あまり根付いていないという理由もあるでしょう。

今後日本でもフィランソロピストが生まれるためには、社会貢献が将来的には見返りになるということを理解する必要があります。

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