デファクトスタンダードとは
ビジネスにおいて確立すべき状態であり、商品開発を担っている世界中の企業がデファクトスタンダードを目指しているといっても過言ではありません。
そこで、デファクトスタンダードがどういったものであるか、ここでご紹介していきます。
デファクトスタンダードとは
デファクトスタンダードとは「事実上の標準」を指します。
「JIS規格」や「ISO標準」といったような、どこかの機関が定めた標準規格としてではなく、世間一般的に認知された「事実上の基準」のことをいいます。
デファクトスタンダードの例
一般的に標準規格となっているものは多くあることでしょう。2000年代には携帯型ゲーム機としてニンテンドーDSが世界的大ヒットを飛ばしました。
DS以外にも携帯型ゲーム機はソニーのPSPがライバルとして存在しており、モンスターハンターの登場で一時追い上げられるも、世界市場の規模でみるとシリーズ累計1億5千万台と、PSPより倍近い販売台数を記録しました。
DSは圧倒的な存在で流通し、ゲームに精通していない大人や年配の世代にも周知されているほどでした。
ほかにも、パソコンのWindowsなど、厳しい競争を勝ち抜いて世間的にシェアを独占したものが、デファクトスタンダードとして擁立されています。
また、規格の乱立を防ぐため、DVDやブルーレイのように、いくつかの企業が集まって、デファクトスタンダードを決めていくこともあります。
なぜデファクトスタンダードを狙うのか
企業は市場でシェアを多く支配できると、販売数も軒並み伸び、多大な収益を確保できます。
利益がある分高額な広告費をかけることもでき、利用者の口コミが拡散していくことで、さらに収益を確保できます。
デファクトスタンダードはだれかが決めるのではなく、市場で勝ち抜いた商品が消費者によって選ばれるといってもいいでしょう。
一度デファクトスタンダードによって擁立されてしまえば、それを覆すことはかなりの困難な道のりといえます。
このことから、各企業はデファクトスタンダードを狙っているのです。
デファクトスタンダードの問題点
デファクトスタンダードにも問題点があります。それは市場を独占するあまり、商品の値が高騰する可能性もあるからです。
競争もなくなると、「ベンダーロックイン」という他企業の同種の製品やシステムへの乗り換えが困難になるケースがあり、ユーザーがそれらを購入しないといけなくなるという、コスト増の懸念も増えてきます。
これには独占禁止法による抵触もあり得ますので、注意が必要となっています。
さらに、デファクトスタンダードを目指すあまり、各企業間が対立し、同じような製品やサービスでも互換性が全くなく、消費者が困惑するケースも少なくありません。
デファクトスタンダードの対義語
デファクトスタンダードをと対義語として挙げられるのが、「デジュリスタンダード」です。これはISOやJISなどによって標準規格が設けられており、デファクトスタンダードのような市場の混乱はありません。
また、デファクトスタンダードのように独占禁止法違反になることもなく、国際的標準として外国に輸出しても問題ないことが挙げられます。
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デファクトスタンダードを打ち破ったプレステ
デファクトスタンダードが確立した業界では、その企業もブランド力が上がります。先述したゲーム機において、任天堂はDS以外でもゲーム業界で長年デファクトスタンダードを担ってきました。
初期のファミコン、スーパーファミコン、ゲームボーイにおいては、開発した任天堂のブランドは世界中で知れ渡り、ゲーム機といえば任天堂というブランド力が執着していました。
ハードが市場を独占的に売れていると、各ゲームメーカーは任天堂と契約してゲーム開発を行うようになっていきます。
しかし、技術が進歩すると、独占的シェアを脅かす存在も出てきます。
事実、任天堂はスーパーファミコンからの次世代機となるニンテンドー64(1996年発売)ではソニーのプレイステーションに大苦戦を強いられます。
1994年に発売されたプレイステーションは後継機のプレイステーション2までシェアを拡大し、据え置き型ゲーム機として世界最高販売台数を確保しており、ニンテンドー64の5倍近い販売台数を誇り、任天堂と契約していたメーカーを取り入れることに成功していきました。
しかし、任天堂も黙ってはいませんでした。2004年にDS、2006年にWiiを発売し、共にプレイステーションシリーズに匹敵する販売台数を叩きだし、ソニーの独壇場となりかけたデファクトスタンダードを盛り返しています。
このように、企業努力によってはデファクトスタンダードを打ち破ることは可能といえ、デファクトスタンダードを擁立した企業も、技術開発を怠ることは危険といえます。
この記事のまとめ
デファクトスタンダードとはモノづくりの文化がある日本では必ず手に入れたいものでもあります。
デファクトスタンダードで擁立した商品が、後にデジュリスタンダードとして標準化されていけば、より大きな利益を確保することが可能といえるでしょう。
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