ボトルネックとは
ここでは「ボトルネック」をビジネスシーンで使う時の意味や改善方法について学んでみましょう。
全体の生産性や業務効率を低下させる原因が「ボトルネック」
英語で「ビンの首」という意味の「ボトルネック(bottle neck)」。
ビンは一般的に首が細く長いため、中に入っている液体をグラスに注ごうとしても出てくる量が制限されます。
このことからビジネス上では、生産性や業務効率が低下している場合に、その原因になっている事柄を「ボトルネック」と呼ぶのです。
例えば、あるメーカーが製品を製造するにあたり、複数の工場を順に通って工程を進めていくとしましょう。
この中にいくら製造能力が高い工場があったとしても、すべての工場を順に通るからには、1日にこなせる製造数が最も少ない工場に合わせて業務を進めるしかありません。
つまり、最も製造能力が低い工場が、このメーカーの「ボトルネック」となっているというわけです。
メーカーには、最も製造能力が低い工場に生産性の高い機械を導入したり、従業員を補充したりするといった「ボトルネック」を解消に近づける対策が求められます。
機械の導入や従業員の補充だけでは解消しないことが多い
上でご紹介したのはごく単純な例であり、実際のビジネスシーンでは機械の導入や従業員の補充だけでは解消しないケースがほとんどです。
そもそも、何が「ボトルネック」になっているのかを特定することからして、簡単ではありません。
上の例でいうと、それぞれの工程によって業務の難しさや従業員の熟練度合いが異なるため、製造数が多いことだけが重要ではないからです。
単純な業務をどんどんこなして1日の製造数を大量に上げている工場の中に、「ボトルネック」があるということも考えられます。
しかも、メーカーでは多種多様な製品を販売していて、それぞれの工場においても複数の製品を取り扱っていることがほとんどであるため、ますます「ボトルネック」を特定することが難しくなるのです。
また、製造現場以外のサービス業などの会社組織においては、自社が得意先へサービスを提供するにあたって、最も業務効率を悪くしている部署が「ボトルネック」だといえるでしょう。
この場合、同じ「製造」業務を行う工場同士とは異なり、それぞれの部署でまったく役割が違う業務を行っているため、「ボトルネック」を見つけ出すことは余計に困難だといえます。
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ベストセラー「ザ・ゴール」に学ぶ、生産性アップの方法
生産管理の手本書といえるゴールドラット博士の著書、「ザ・ゴール」では、生産性を改善するためには次の5つの手順を踏むことが大切だと説かれています。
手順1 「ボトルネック」を見つける
業務が滞っている工程、稼働率が高い工程、重要な工程、問題が発生している原因を整理して、「ボトルネック」を見つけ出します。
手順2 「ボトルネック」を改善する
手順1で見つけ出した「ボトルネック」になっている工程において、段取り時間を短かくする、トラブルを減らす、待ち時間を減らす、製品の出来高を上げる、稼働時間を延長する、といった改善を図り、生産性の向上を狙います。
手順3 「ボトルネック」以外が「ボトルネック」に合わせる
他の工程では、「ボトルネック」になっている工程が生産性を最大限に向上できるようにサポートします。
手順4 「ボトルネック」になっている工程を強化する
設備投資などによって、「ボトルネック」になっている工程を強化することを検討します。
手順5 手順1から4を繰り返し行う
手順4までで「ボトルネック」が解消された場合は、また新たな「ボトルネック」を見つけ出す取り組みから繰り返し行います。
この記事のまとめ
生産性や業務効率を低下させる原因を指す「ボトルネック」。
これを見つけ出して改善することは困難であるため、手順を踏むことが大切です。
業務内容は会社によってさまざまですが、この改善方法はあらゆるビジネスシーンで応用できるでしょう。
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