銀行で出会った「できる新入社員」に共通していたこと
学生時代の評価は、点数や成績、学習態度などに基づいて行われます。
私は比較的要領が良いほうで、学生として求められていることを無難にこなすタイプでした。
ところが社会人になると失敗ばかりで、何をしても周りの人より上手くできません。
最初の3年間は特に、周囲を気にかける余裕すらありませんでした。
しかしそのような私と違って、新入社員の段階から「できる人」と評価されている後輩を、何人も見てきました。
銀行ではどのような新入社員が「できる人」と言われていたのか、彼らの特徴を3つご紹介します。
ハキハキと喋る
接客が基本であるため、明るい受け答えは必須のスキルです。
まずどの部署に配属される銀行員も、最初の数ヶ月は営業店のロビー・窓口業務を経験する場合が少なくありません。
お客様がどのような要件で来店し、どのような手続きを案内する必要があるのかについて学び、銀行の基礎知識を習得します。
最初は知識がなく、自信をもって受け答えできなくても無理はありませんがおどおどとした態度ではお客様が不安になってしまいます。
ハキハキとした声を出すことでお客様には安心感を与え、先輩たちには新入社員の行動がわかりやすくなるため、皆にとってメリットです。
じっくりと考えるのは閉店後
できる新入社員に共通して言えることは、手続きを待っているお客様の存在を常に意識する「お客様ファースト」の考え方であることです。
銀行の手続きは複雑で、理屈や根拠が理解できないと応用が効きません。次に自分一人でやるときに、状況が違ってすぐにわからなくなってしまいます。
しかし自分が深く理解したいために、お客様を余計にお待たせするのは「お客様ファースト」ではありません。
また先輩に聞いて手を煩わせたくない、先輩に怒られたくないという気持ちもありますが、必要なときはすぐに質問することが大切です。
当然「深く理解しなくて良い」「その都度誰かに聞けば良い」ということではありません。
できる新入社員は、開店時間内はとりあえずメモをとり、閉店後に理屈や根拠の部分までしっかり確認するという習慣で成長していました。
自分以外の仕事も見ている
新入社員は、教わった内容を覚えることで精一杯になりがちです。
しかし自分以外に目を向けて「いつもこの時間に、この人がこういう動きをしているな」と漠然と把握できる新入社員と、全く見ることができない新入社員に分かれます。
そして把握している人は、他の新入社員より仕事の流れを理解するのが早いという特徴があります。
理由として挙げられるのは、銀行では仕事の多くが分業体制であることです。
たとえば1つの書類でも、受付から手続きの完了まで複数の人が関わっています。営業店の外に持ち出され、別のセンターや外部機関で処理するものも少なくありません。
できる新入社員は、一連の流れを把握し、自分の仕事の前後を知ろうとします。
それによって、自分がどのように仕事をすればスムーズかを理解した行動ができるのです。
銀行で「できる新入社員」と思われる3つの特徴をまとめると、学生の意識から、社会人の意識に切り替わっているという共通点があります。
学生の意識とは、下記のような「自分の性格を優先してしまう行動」です。
・引っ込み思案であるため、ハキハキと喋ることができない
・完璧主義であるため、深く理解するまで次の仕事に移れない
・集中型であるため、周囲に気を配れない
「できる新入社員」の違いは、いかに知識があるかという差ではありません。
「できる新入社員」は銀行員としての成長も早く、いち早く即戦力になります。
できるだけ早く心掛けと行動を見直すことが「できる銀行員」への近道です。