ウォンツとは

英語では「欲求」を意味するウォンツ(wants)。

ビジネスでは、特に商品・サービスの開発、販売の現場などで頻繁に耳にする言葉です。

仕事の場で使われる時のウォンツは、具体的に何を指しているのでしょう。





ウォンツとは

仕事の場で使われる「ウォンツ」も、英語の「wants」と同じく「欲求」、「欲しい」という気持ちを意味します。

ただし、ビジネスで使われる場合、一口にウォンツ(欲求)といっても、どういう「欲求」を指しているかは、その時々で、異なります。

ウォンツが指す主な「欲求」を挙げると、

(1)潜在的「欲求」
本人は自覚していないが、心の中にある「欲しい」という気持ち

(2)特定の商品やサービスへの「欲求」
ある商品やサービスにこだわって求めること。

例えば、コーヒー、緑茶、スポーツドリンクの中から、スポーツドリンクに執着して、欲すること

(3)より良いものを求める「欲求」
それを得ることでより良くなれると考えて求めること。

例えば、周囲の評価が上がると考えて、高級ブランドのコートを欲すること

などがあります。

ウォンツという言葉がよく使われる、商品・サービス開発や販売の会議では、ウォンツは「潜在的『欲求』」を意味することが多いようです。

とはいえ、ビジネスの場合は、前後の文脈などに気を付けて、ウォンツが、どの「欲求」を意味しているか、その時々で判断したほうがいいでしょう。

ウォンツとニーズの違い

ウォンツと混同されやすいものにニーズがあります。

ニーズとは「欠乏感」、「必要性」のことです。

特定のものに対してではなく、漠然と何かを必要とする気持ちを言います。

例えば、のどが渇いた時に感じる「何か飲みたい」という気持ちがニーズです。

ここから、具体的に「コーヒーを飲みたい」と感じたら、それはウォンツです。

単に「足りない」「必要だ」という感じ・気持ちが「ニーズ」、具体的な商品やサービスを「欲しい」という気持ちが「ウォンツ」。

ウォンツとニーズの違いは、「具体的に求めているものが、あるかどうか」です。

ここに注目すると、ウォンツとニーズを区別しやすくなります。

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商品開発・販売で重視されるウォンツ(潜在的「欲求」)

さて、ここからは商品開発・販売の場で言うところの「ウォンツ(潜在的「欲求」)」に絞って、話を進めて行きます。

新たなビジネスチャンスを掘り起しやすいため、商品開発・販売ではウォンツ(潜在的「欲求」)が重視されるといいます。

どういうことなのか、「タブレット」の販売を例に説明しましょう。

「買ってくれそうな人」に売るのは難しい?

「自社のタブレットを、だれに売るか」から考えてみます。

もっとも買ってくれそうなのは、タブレットがどういうものか知っており、欲しいと思っている若者。

確かに彼らは、自社製品に興味を示す可能性は高いのですが、多くのライバル企業も、若者を狙って、それぞれの製品を売り込んでいます。

多数の製品の中から、自社製品を選んでもらうのは、そうカンタンではありません。

ウォンツがチャンスを広げる

一方、高齢者に売るとしたらどうでしょうか。

多くの高齢者は、タブレットがどういうものかを知らないし、欲しいと思っていないと考えられます。

ライバル企業も、タブレットのターゲット(見込み客)として高齢者をとらえていません。

しかし、タブレットが高齢者の「お困りごと」を解決するものであれば、「欲しい」と思い、買ってくれる可能性はあります。

詳しく見てみましょう。

まず、タブレットの特徴としては、

・携帯電話やスマホよりも画面が大きいので、字が大きくて見やすい
・ほとんどのことはタップするだけでできる
・文字入力もカンタンで、パソコンより操作がラク
・ノートパソコンより安い・軽い・薄い

などがあります。

これらの特徴からすると、タブレットなら

・視力が衰えても、ニュースをラクに読める
・ネットスーパーへの注文がラクにできるので、足腰が弱っても買い物に困らない
・経済的にゆとりの少ない年金生活者でも比較的買いやすく、筋力が落ちても持ち運びしやすい

と考えられます。

つまり、タブレットは、体力の衰えや経済的厳しさなど、高齢者の「お困りごと」を解決できるわけです。

だとすれば、高齢者は、タブレットを「欲しい」と思う可能性がある、タブレットへの「ウォンツ(潜在的「欲求」)」を持っているといえそうです。

ライバル企業は、高齢者をターゲットにしていないので、もし彼らへの自社製品売り込みに成功すれば、ライバル不在なだけ、大きく売り上げを伸ばせる可能性が見えてきます。

このように、新たなウォンツの発見はビジネスを飛躍させるチャンスにつながるため、商品・サービスの開発や販売の場で、ウォンツに目を向けるわけです。

開発前の調査段階でとらえたウォンツを、新商品の性能に反映させることもあります。

例えば、高齢者をメインターゲットに、ワンタッチで全ての操作ができるタブレットを新たに開発することなどが考えられます。

「買う気にさせる」難しさあり

ただし、ウォンツに照準を当てた商品開発・販売には、注意しなければならないことがあります。

ウォンツを持っている人自身が、「欲しい」と感じているわけではない点です。

先のタブレットの例で言えば、高齢者はタブレットを欲しがっているわけではないので、各種宣伝を通じてタブレットの存在や、それを持つメリットを知ってもらい、買う気にさせて、販売につなげなければなりません。

ウォンツに即した商品開発・販売の場合は、最初から「欲しい」と感じている人に売る場合に比べ、買う気にさせるための時間と手間、経費がより多くかかるという難しさがあるのです。

この記事のまとめ

「欲求」、「欲しい」という気持ちを指すウォンツ。

気を付けたい点は、その時の状況によって、ウォンツが意味する「欲求」の種類が変わる点です。

商品開発や販売においては、「潜在的欲求」を指すことが多いのですが、それぞれのケースに応じて、前後の流れを踏まえてその意味を考えていきましょう。

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