ソリューションとは
特にIT分野の発展が加速した2000年以降は、一般的なビジネス用語になっています。
ソリューションはそれ自体に形がありません。
ですから聞いたことはあっても「どのような意味をもつ言葉なのかは知らない」という方が多いかもしれません。
ソリューションの意味や使い方について確認していきましょう。
ソリューションとは
ソリューションは、英語の「solution」を語源とする用語です。
solutionは「解決」の意味をもつ名詞。
日本では「問題や課題を解決する・解消する」という意味で使われています。
IT技術の進化に伴いビジネスのIT化が進み始めた頃から、モノだけを提供するのではなく、課題解決策を提供する提案型のサービスが登場。
解決するための手段としてシステム導入が多かったことから、特にIT分野でよく使われる表現となりました。
企業の抱える問題や解決につながる商品やサービス、もしくは提案そのものをソリューションと呼ぶこともあります。
またソリューションとして提供される成果物の形態は、業種によっても異なります。
例えばIT分野では、顧客の課題に即したシステムの提案や、システム構築に必要となる最適なハードウェアを選定すること。
課題を解決に導くプラン自体をソリューションと呼ぶことも可能です。
ソリューションの意味
前述のとおり「ソリューション」は特定の商品やサービスを指すわけではありません。
そのため解釈によっては何のためのサービスなのか、目的が分からないケースもでてくるでしょう。
そこで限定的な意味をもたせるために、「ソリューション」の前に分野や用途をつけた用語が使われることがあります。
例えば「金融ソリューション」は、金融機関向けの課題解決サービスのこと。
「教育ソリューション」であれば、学校や教育機関向けのサービスと理解すればよいでしょう。
一方、業界や分野など、範囲を限定せずに課題解決の手段としてシステム構築を用いる場合には「システムソリューション」ということもできます。
また、それらのソリューションを提供する企業は、取り扱う商品やサービスに応じて「ソリューションプロバイダー」や「ソリューションベンダー」と呼ばれています。
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ソリューション(課題解決)を主な業務とする仕事
問題解決に関わる仕事は数多くありますが、「ソリューション」という言葉とともに仕事内容を表現する職種は、営業やエンジニアなどに限られているようです。
どの仕事にも共通するのは、顧客や社会における「課題」をスタート地点としているところ。
課題の中身や原因を把握し、それぞれの立場で解決策を考えていく仕事です。
ここではソリューション営業、ソリューションデザイン、ソリューションアーキテクトの3つをご紹介します。
ソリューション営業
ソリューション営業は、営業の中でも顧客の課題に対して解決策を提案するタイプの営業職です。
本来は課題解決が目的のため、解決策として用いる手段には多様な選択肢がありますが、基本的には自社が取り扱う商品やサービスを組み合わせ、顧客の課題解決に最適なプランを提案することが一般的。
解決策は必ずしもイチから作りだす必要はなく、既存商品を組み合わせたり、既存商品の最適な活用方法を紹介したりすることでも構いません。
解決へと導く提案や、導入までの一連の流れをソリューションとして捉えればよいでしょう。
ソリューション営業は特定の業種に存在する職種ではなく、さまざまな分野でみられるポジションですが、どの分野においても顧客理解が欠かせない仕事です。
顧客にとっても営業担当にとっても、最終的なゴールは課題を解決すること。
そのためにはすでに表面化している課題の中身を理解することはもちろん、顧客自身も気づいていない課題を洗い出し、本質的な課題解決に向けた提案や取り組みの推進が求められます。
ソリューションデザイン
ソリューション営業がいくつかの選択肢から課題に合わせた解決方法を提案するのに対し、ソリューションデザインでは特定分野の専門家が集まり、知見を活かして課題解決案を考えます。
ときには、解決策の手法そのものを作り上げることもあります。
どのように課題を解決するかについて、広い視野と専門的な視点からデザインしていくイメージです。
課題解決のために最適な手法を考えるという点では、ソリューション営業と少し似ているかもしれませんが、顧客との距離や課題を捉える視点に少し違いがあるようです。
ただし、ソリューションデザインには明確に定義は存在していないため、企業によって言葉の使われ方が違う場合もあり、概念として理解する程度にとどめておきましょう。
ソリューションアーキテクト
ソリューションアーキテクトは、日常的に耳にする言葉ではないかもしれません。
「アーキテクト」は、設計者という意味で理解してよいでしょう。
つまりソリューションアーキテクトは、課題解決のための戦略の組み立てから解決策の実施方法まで、解決に向けた道筋を立てる役割をもつ人のこと。
IT業界では、アメリカに本社を置く大手Webサービス会社Amazonが提供するクラウドサービス「AWS」に関わるエンジニアの名称として知られています。
AWS認定のソリューションアーキテクトは、レベル別にアソシエイトとプロフェッショナルの2種類。
それぞれAWS主催の資格試験があり、クラウドサービスに関わるエンジニアの中には会社から資格の取得を奨励されるケースも少なくないようです。
ソリューションビジネスが求められる背景
とくにB to Bといわれる企業向けサービスでは、提案型のソリューションサービスが多く見受けられます。
例えば、業務システム。
かつてはパッケージシステムを購入し、顧客がシステムに合わせて業務を組み立てるということも珍しくありませんでしたが、現在は企業がある程度の規模になると、パッケージでは対応できなくなっています。
システム間の連携が必要であったり、セキュリティの強化が求められたり、課題は複雑化する一方だからです。
またニーズも多様化しており、すべての顧客に合うサービスを作り出すことのほうが難しくなっています。
また企業も、抱える課題に対してどのように対応すればよいか自社内では判断できないケースが数多くあります。
とくに経営に大きなインパクトを与えるケースでは、専門家に解決策のアドバイスをもらうほうが、結果的に効率的であることも少なくありません。
このような背景から、企業に最適な課題解決策を提供するソリューションサービスが求められるようになったのです。
この記事のまとめ
ソリューションは「解決」や「解消」という意味をもち、主に企業向けサービスで使われる用語。
企業が抱える課題や問題に対する、解決策の提案や問題解消に向けた具体的な取り組みを指す言葉です。
ソリューション型で商品・サービスを提供する企業は、顧客の課題にビジネスチャンスがあるため、顧客理解に力を入れています。
ソリューション自体は物体のように目に見えるものではありませんが、課題の本質をつかむことができれば、ソリューションの質は自ずと高まるでしょう。
変化のスピードが速く、不確定要素の多い時代だからこそ、課題を抱える企業は解決のために併走してくれるパートナーを求めているのかもしれません。
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