介護施設で働く生活相談員の将来性は?
「生活相談員って面白そうだけど、この仕事に就いてこの先大丈夫かな?食べていけるのかな?」
このような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、生活相談員の将来性について、これまで生活相談員として10年以上働いてきたわたしの経験を踏まえながら解説します。
生活相談員の将来性について気になる方は、ぜひチェックしてください。
食いっぱぐれない
生活相談員は、あまり食いっぱぐれることがない業種であると言えます。
日本の人口は減り続けていますが、高齢者の人口は増え続けています。
高齢者は年々増加し続け、2040年ごろにピークを迎えるという予想です。
そして、その後も急激に減ることはありません。
少子化も相まって、高齢化率は2065年ごろまで上昇すると言われています。
お年寄りの人数が今よりも増えるわけですから、介護業界の市場規模はこれからも拡大していきます。
市場規模の拡大に伴い、介護従事者の数も増加しています。
しかしながら、必要とされている人数には届いていません。
高齢者が増え続ける一方で、介護従事者は不足しているのです。
そのため、これまで以上に介護業界に人材が求められることになります。ですから、介護業界は「売り手市場」であると言えるでしょう。
介護業界にいれば、急に仕事がなくなって困るということはほとんどありません。
もし今の職場を辞めたとしても、介護業界であればすぐに次の職場が見つかるはずです。
介護施設で働く生活相談員もこれに当てはまります。つまり、生活相談員は、食いっぱぐれない業種であるといえます。
業界内の希少価値が高い
介護施設で働いている職員の多くは、介護職員です。
生活相談員は、介護職員と比べて職場における人数が多くありません。
たとえばデイサービスの生活相談員は、1日最低1人いればOKです。
介護職員のポジションがたくさん用意されているのに対し、生活相談員のポジションは少ないのです。
ですから、生活相談員になれば、他の職員との差別化を図ることができます。
介護施設内において、替えのきかない存在になれるでしょう。
必然的に、介護業界における希少価値も高まります。
また、利用者数や稼働率など、施設の経営に関することも考えなければならないので、将来は施設の幹部を任されるかもしれません。
施設内で出世しやすいポジションと言えるでしょう。
給料が安い
介護サービスの値段を、介護施設が自由に決めることはできません。
介護サービスの値段は、国が定めた「介護報酬」によって決められています。
この介護報酬により、介護従事者の給料が支払われています。
ですから、いくら介護施設が職員の給料を上げたいと思っても、介護報酬が決められている以上、多くの収益を上げることはできません。
さらに、この介護報酬はとても安く設定されています。
今後介護報酬が大幅に上がれば、介護従事者の給料も上がるでしょう。
しかし、今の社会情勢を見るとそれは考えにくいです。
そのため、介護従事者の給料は安く、そう簡単に上げることができないのです。
これは介護施設の生活相談員も変わりません。
他の介護従事者同様、介護報酬に依存している生活相談員の給料は安いです。
仮に職場で昇進したとしても、介護報酬以上の給料をもらうことはできません。
他業種と比べて介護業界の給料は安いため、生活相談員で高所得を目指すのは難しいと言えます。
生活相談員は、食いっぱぐれることがなく業界における希少価値の高い職種です。
その一方で、あまり高い給料が期待できない職種でもあります。
生活相談員の将来性について理解したうえで、ぜひご自身で納得のいく選択をなさってください。