【目指す人必見!】自動車業界の設計開発業務を経験者が紹介
就活生をはじめとして人気の高い「自動車業界」。
その中でも「設計開発業務」にあこがれる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、自動車部品の設計開発業務に携わっていた筆者が、設計開発業務仕事の流れや1日のスケジュール、入社前後のギャップを紹介します。
設計開発業務の仕事の流れ
お客様によりますが、設計開発は数年単位のプロジェクトが多いです。
私が携わっていたプロジェクトは2年単位でした。
1つのプロジェクトにおける、基本的な流れは以下の通り。
・試作検討…レイアウト検討、試作品作成など
・性能確認…本型品作成、性能評価など
・量産試作…性能評価、品質確認など
2年単位だった場合、最初の1年が試作検討でその後半年が性能確認、残り半年で量産試作という流れ。
加えて性能確認段階や量産試作段階でエラーが出たり、改善点が生じたりしたら、都度改善を行います。
また、量産開始後に不具合が起きたときは、再発防止に向けて改善が必要です。
(もちろん、ないに越したことはありませんが……)
そして、部品メーカーでは2年間同じプロジェクトを進めることは少なく、2~3個のプロジェクトを同時に回すことが多いです。
私も多い時期で3つのプロジェクトを抱えていました。
設計開発業務の1日
次に、とある設計開発の1日を紹介します。
プロジェクトはA,B,Cの3つ抱えているとします。
・8:30:Aのレイアウト検討
・10:00:Bの評価内容打ち合わせ
・11:00:Aのレイアウト検討の続き
・0:00:昼休み
・13:00:Cの性能評価結果に基づく打ち合わせ
・15:00:Cの強度性能解析
・18:00:事務作業・翌日のタスク管理
・18:30:帰社
「今日はAだけ」といったことは少なく、1日のうちに2つ以上のプロジェクトを進めることがほとんど。
そのため、マルチタスク能力が求められる仕事だと考えておいた方がよいでしょう。
また、専用パソコンで解析を回しながら、別の仕事を進めるといったこともあります。
入社前後のギャップ
実際に設計開発に携わり、入社前後で以下のようなギャップを感じました。
設計開発の仕事に興味がある人は、しっかり把握しておきましょう。
・図面作成は業務のほんの一部
・チームワーク重視
ギャップ①:マルチタスク能力は必須
先ほども紹介したように「マルチタスク能力」は必須です。
複数のプロジェクトを同時に勧めることはもちろんのこと、自動車業界は納期がタイトなことが多いため、スケジュール管理も欠かせません。
このことから、自動車業界の設計開発は激務な傾向が強いです。
残業も全社平均より10~15時間は多く見たほうがいいでしょう。
ただその分、やりがいや給料に反映されやすい業界ともいえます。
ギャップ②:図面作成は業務のほんの一部
2つ目が「図面作成」です。
私が入社して1番驚いたことですが、「設計開発=図面作成」ではありません。
新入社員のころは、CADに慣れるために図面業務が多いですが、年数がたつにつれて図面作成の時間は減っていきます。
特に大手企業ほど顕著です。
なぜなら、CADオペレーターという「図面作成のプロ」が常駐しており、自分で図面を描かずに依頼することが多いから。
設計開発は、図面作成よりも寸法検討や強度解析、評価や生産の打ち合わせがメインということを覚えておきましょう。
ギャップ③:チームワーク重視
3つ目が「チームワーク重視」です。
設計開発やエンジニアと聞くと「一人で黙々と進める仕事」というイメージを持つ人も多いでしょう。
しかし、自動車業界の設計開発は「チームワーク」が求められます。
生産部門や評価部門と連携して仕事を進めることはもちろん、お客様や部品メーカー、材料メーカーとうまくやりくりしていかなければなりません。
相手の要望や意見をくみ取る「傾聴力」や自分の意見を正確に伝える「伝達力」に加え、協調性が重視される業務であることを覚えておきましょう。
この記事では、自動車業界の設計開発業務における仕事の流れや1日のスケジュール、入社前後のギャップについて紹介しました。
数年単位のプロジェクトであることが多く、複数のプロジェクトを同時に回すことから「マルチタスク能力」が求められます。
また、図面作成だけでなく検討や解析、打ち合わせといったように業務の種類も多いです。
大変な時も多いですが、その分達成感も大きい自動車業界の設計開発。
ぜひ、検討してみてはいかがでしょうか。