納棺師の1日のスケジュール・勤務時間や休日についても解説
納棺師の業務スケジュール
納棺はチームで行う
その日によってメンバーは異なりますが、納棺作業は基本的に2~3人のチームであたります。
必ずベテランと新人が組むように編成されているため、経験の浅い納棺師も不安感を持たずに作業ができます。
移動には社用車を使うため、すべてのスタッフに普通免許は必須です。
その日に運転を担当したスタッフには手当を付与する会社もあります。
納棺の場はさまざま
納棺を行う現場はセレモニーホールの他、自宅や病院などさまざまです。
一言で納棺といっても、地域や宗派によっては遺族が納棺に参加したり、独自の儀式を行ったりとその進行も異なります。
朝のうちにその日一日の現場と納棺の流れを把握し、滞りなく作業を進めなければなりません。
業務の流れ
納棺作業は地域によっても差があるため一概にはいえませんが、お通夜の開始までに遺体を清め、仏衣を着せて棺に納め、祭壇に安置するというのが主な流れです。
納棺にあたっては、火葬場で荼毘(だび)に付すまで遺体を美しく保つことを念頭に置いて作業を行っています。
人は亡くなった瞬間から体の中に菌が繁殖して腐敗が進行していきます。
遺体の状態や季節によって進行速度は異なりますが状況によってさまざまな対応が必要となります。
ドライアイスをあてて鼻や口の中に詰め物をするのが通常であり、場合によっては長期保存のために遺体の殺菌・消毒、防腐処置といったエンバーミングを行うこともあります。
その後、着ていた服を脱がせて体をきれいに拭く湯灌の儀、女性の場合は化粧を施し、男性の場合は顔そりを行った後に仏衣を着せます。
そして遺体を棺に納めて作業終了で、基本的には90分~120分程度で仕事を終えます。
この流れをベースに遺族の要望や地域性に応じて細かな対応をしていきます。
遺族の悲しみに寄り添いながらすべての行程を終えることは納棺のプロだからこそできる仕事であるといえるでしょう。
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納棺師で働く納棺師の1日
納棺師の勤務時間・休日
納棺師の勤務時間
納棺師の就業時間は大体9時~17時が基本です。
もちろん日によって手がける件数の前後があり、現場への距離も異なるため、始業、終業共に多少のずれはありますが、一般的な会社員と勤務時間はほぼ変わらないと考えていいでしょう。
ただし、仕事の性格上既定の勤務時間内に終わらない場合も多くあります。
納棺師の休日
納棺師はシフト制であることがほとんどであるため、休日が不定期になることが多いです。
基本は4週8休、週休2日制、または月に5日から7日という規定でシフト制になっていますが、葬儀会社は24時間365日対応しなければならないため、不定休であることが多く、急に葬儀が立て込むなど時期によっては連勤が長引くこともあります。
また、他の職員との兼ね合いで必ずしも希望日に休日をとれない場合や、中小企業で働く場合は休みであっても急遽出勤要請がかかることもあります。
勤務年数に応じて有給休暇が発生し、慶弔休暇ももちろんとることができますが、他の職種に比べて休日がイレギュラーになることだけ、覚悟しておきましょう。
納棺師の残業時間
納棺師の仕事は準備や後片付けを含め、1件あたり1時間30分~2時間程度で終わります。
1日の訪問件数は多い日で3~4件、少ない日で1~2件程度が通常です。
このペースであれば、多少の前後はあってもほぼ定刻に終業できます。
ただし、季節やタイミングによっては葬儀の数が増え、1日に5件以上の現場をはしごすることもあります。
また場合によっては時間外の作業を依頼されることもあるため、残業がまったくないわけではないことを覚悟しておいて下さい。
納棺師は忙しい? 激務?
体力勝負の仕事
納棺師の仕事は意外と体力勝負で、遺体を搬送するときや、遺体を棺におさめるときには体力を消耗します。
仕事柄足腰を悪くする人も少なくありませんし、納棺が重なっているときは一日何人もの遺体と向き合わなくてはならないため、体力がないと続けるのは難しいでしょう。
精神的にも消耗する
納棺師は精神力も求められる仕事です。
遺体の処置をすること自体も、強い精神力と使命感を持っていないとこなせませんし、急な身内の死を前に、悲しみに打ちひしがれた遺族とコミュニケーションをとらなくてはならないことも非常に大変です。
納棺の際にも、遺族同士でもめごとがはじまったり、泣き崩れる遺族を前に仕事の手が止まったりするようなことも多々あります。
どんなことにも動じず冷静に仕事ができるタフな精神力がなくては、仕事は務まらないでしょう。
納棺師の休日の過ごし方
社員が多い葬儀会社で働く場合は、シフトがしっかりと組まれていて休日もとることができます。
しかし小規模の葬儀会社や納棺専門の業者で働く場合は、急な葬儀が舞い込むと休日でも仕事に呼び出されることもままあります。
そのため、納棺師のなかには休日でも携帯電話をこまめに確認する、仕事にすぐ戻れるように遠出はしないなど、仕事のことが頭から離れない人も多いようです。