納棺師のつらいこと・大変なこと・苦労
納棺師のつらいこと・大変なこと
悲しむ遺族との関わり方
納棺師が一番苦労を感じる瞬間は、棺のふたを閉めるときだといいます。
遺族と故人とを隔ててしまう瞬間を、自分で推し量ってもいいものだろうかと苦悩するためです。
悲しむ遺族を目の前にするとそのタイミングをはかりかね、言葉では表せない苦しい気持ちで胸がいっぱいになります。
感情を抑えて冷静になる
納棺師はいかなる時も涙を流すことは許されません。
あくまでプロフェッショナルとして葬儀の場に立つ以上、必要以上の感情移入は業務の妨げになってしまいます。
とはいえ遺族の悲しみに直に触れたとき、どうしようもなく心が動かされることも珍しくなく、感情を抑え常に冷静でいるということも大変です。
状態の良い遺体ばかりではない
納棺師が扱う故人の死因はさまざまで、なかには痛々しく苦悶の表情に満ちた遺体もあるのが現状です。
変死や事故死、自殺の場合などはあまりの痛々しさにそのままでは葬儀を迎えることができないこともままあります。
どのような事情がある遺体も同様に処置を施すのが納棺師の仕事で、こうした遺体の場合処置は大変つらく、たとえベテランの納棺師であっても目を背けたくなることもあります。
しかし、これは納棺師にしか担えない作業です。
現在活躍中の納棺師は日々強い使命感を持って業務にあたっています。
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納棺師の悩み
いかに周囲に悟られずに時間で動くか
納棺作業は1時間30分ほどで終わるのが一般的です。
遺族の人たちに配慮し、慌ただしく動くのではなく、かといって緩慢になることなく、スムーズに作業を進めていかなくてはなりません。
しかし大切な人を失った遺族の悲しみは計り知れず、ときには作業が止まってしまうことも珍しくありませんし、こうした場合無理に作業を進行させることはできません。
遺族の悲しみに寄り添いながら、なるべく時間どおりに作業を進めなければならないことも納棺師の悩みの一つです。
体力勝負の仕事
遺体は硬直しているため、扱いには大変苦労し、納棺師の多くが腰痛持ちであるという話もあるほどです。
また1日に3~4件の現場をはしごし、その都度、緊張感を持って作業を行うことで精神的にも疲労がたまります。
日常生活の中で疲労回復に努め、適度にストレスを発散させる努力が必要不可欠であるといえます。
納棺師を辞める理由で多いものは?
身近な人の死を体験したとき、その喪失感や悲しみは一朝一夕に言えるものではなく精神力を大いに消耗するものです。
納棺師は縁もゆかりもないとはいえ、日々人の死に接するわけですからその精神の疲弊はすさまじいものであることが容易に想像できます。
実際、そのような毎日に耐えきれず離職していく人も多いのが現状で、離職率の高さもこのあたりに起因するところが大きいといえるでしょう。
慣れれば冷静に仕事ができるというわけではないため、多くの納棺師が日々気持ちの持ちようを模索しています。