鍵師の需要、現状と将来性

鍵師の現状

近年、「手に職をつけたい」という理由で、鍵師を目指す人が増えているようです。

鍵師には公的な資格が存在せず、誰でも技術を身に付ければ現場で働くことができます。

また、独立開業も比較的しやすいことから転職や新規参入のハードルは低いといえますが、この仕事一本で成功するのは簡単ではありません。

鍵師が得る利益の多くは、鍵の紛失をはじめとするトラブルの対応によるものです。

どうしてもお客さまからの依頼ありきの仕事になるため、自ら営業をしていかなければ、なかなか安定して収入を得ることは難しいといえます。

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鍵師の需要

職人的な要素の大きい鍵師の仕事は、いつの時代も一定の需要はあります。

しかし鍵のトラブルや需要が急激に増えるということは考えにくく、現在すでに飽和状態であるともいわれます。

鍵師は年齢を問わずに活躍できるため、高齢で熟練の鍵師が多く活躍しており、引退する人が少なく世代交代が進まないことも背景にあるようです。

鍵師の将来性

鍵といっても、さまざまな種類のものがあり、その仕組みもそれぞれ違います。

近年はICチップが搭載されたカード型の鍵や、スマートフォンのアプリを利用して鍵を管理するスマートロックという商品が出てきています。

今後は鍵師の世界にもこうしたIT化の波が押し寄せると考えられ、鍵師も新しい製品に対応できるような技術や、お客さまのニーズにこたえられるような知識を習得しなくてはならないでしょう。

鍵の技術も日進月歩で進んでいるため、このような鍵が主流となれば、鍵師の技術が求められることも減っていくかもしれません。

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鍵師の今後の活躍の場

さまざまなサービスと共同して

今後、鍵師が鍵の仕事だけで生き残っていくのは非常に難しいと考えられます。

そこで、ほかのさまざまなサービスと合わせて鍵の仕事を請け負うという人が増えてきています。

たとえば電気工事関係の仕事をしながら、不動産会社や管理事務所から鍵関係の仕事をいっしょに受注する、車やバイク関係の仕事をしながら、そこに依頼された鍵のトラブルを請け負う、などです。

また、地域の人々からさまざまな依頼を受けるいわゆる「便利屋」「何でも屋」として働く人も多いようです。

このように、鍵師としての技術以外にもさまざまな技術やサービスができる人は、活躍の場がより広がっていくでしょう。

古い錠前を扱う

近年では鍵が普及し、一般家庭でも日常的に使われていますが、もともと「錠前」はオーダーメイドで一つ一つ手作りでつくられていました。

そのため、長い間人目に触れなかった古い金庫などは、鍵や開け方が残っておらず、誰にも開け方がわからないものも少なくありません。

また、古い錠前は防犯の観点から複雑な機構を施しており、からくり仕掛けになっていたり、開錠するために何本も鍵が必要だったり、鍵穴が隠されていたりします。

こうした鍵は、鍵に関する知識を持つ鍵師にしか開けることができません。

近年では企業や個人からこうした古い金庫に関する依頼も増えていますが、扱える鍵師が少ないのが現状です。

活躍の場を広げるには、このように古い錠前も扱える技術を持つことが必要です。