契約社員と正社員の違いは?一覧表でわかりやすく解説

契約社員と正社員の違いとして最も大きな点は、雇用期間が有期か、そうでないかです。

契約社員は雇用期間が3か月、6か月などと決められていますが、契約の更新によっては、さらに長期間働けます。

一方で正社員は無期雇用契約で、期間の定めはありません。

この記事では、契約社員・正社員の違いを一覧表を使って一目でわかりやすくまとめています。





契約社員とは

契約社員には、以下のような特徴があります。

  • 雇用期間が契約によって定められている(有期労働契約)
  • 正社員と同じ業務内容なら同じ給与(同一労働同一賃金)
  • 以下で、それぞれの特徴を詳しく説明します。

    有期労働契約で働く

    契約社員として働くことが決まれば、本人は企業と契約を結びます。

    そこで「6か月」や「1年」などの約束をし、その契約期間が終われば、別の企業へと移らなくてはなりません。

    ただし、勤務態度が良かったり能力があると認められたりすれば、企業側から契約の更新を打診されることもあります。

    契約期間中は同じように働き続けることができます。

    このような雇用期間を定める契約の形態を「有期労働契約」といい、有期労働契約を結んで働く社員が契約社員となります。

    有期雇用労働者は、契約社員の他に以下のようなものがあります。

    【有期雇用労働者の例】

    • アルバイト
    • パート
    • 嘱託社員
    • 派遣社員

    アルバイトやパートは勤務時間がシフトで融通が利く点が、業務時間が正社員と同じことが多い契約社員とは異なります。

    また、派遣社員は雇用契約を結んでいるのが派遣会社である点が契約社員とは異なります。

    同一労働同一賃金

    実は、契約社員は「有期」という点を除けば、正社員と雇用形態はほとんど変わりません。

    正社員以外の社員にも正社員と同様の仕事内容や人事異動などを要求する場合には、待遇の差が生じてはいけないことになっているからです。

    契約社員の場合、給与は時給制や年俸制が基本となりますが、専門性の高い仕事を任される場合には正社員以上の収入を得られることもあります。

    契約社員と正社員の違いとは

    契約社員と正社員の違いを簡単にまとめると、下の表の通りです。

    契約社員 正社員 違い

    正社員・契約社員ともに直接会社に雇用された労働者である点は共通していますが、待遇や働き方には違いがあります。

    この章では、契約社員・正社員の違いに焦点を当てて解説します。

    契約社員と正社員の違い1.待遇

    契約社員と正社員の待遇の違いは、下の表の通りです。

    契約社員 正社員 違い

    すでに述べた通り、給与は正社員と同じ業務内容なら同じ分受け取れます。

    高度な専門知識を一時的に企業が必要としている場合、正社員以上の月収を支給することもあります。

    定期的な昇給・昇格は正社員のようにはありませんが、契約更新時には昇給や賞与が設定されることもあるなど、実力次第でより高待遇の下に働くことも可能です。

    正社員であれば受け取れる退職金の支給に関しては、契約社員の場合は「なし」となっていることが多いですが、とくに契約書に明記されていない場合にはもらえる可能性もあります。

    福利厚生に関しては正社員のみが利用できるなど、契約社員には制限があることも多いようです。

    一方で、契約社員も社会保険と有給休暇は一定の条件を満たせば加入・付与されます

    契約社員の社会保険と有給休暇

    • 社会保険:加入条件(1週間の労働時間が20時間以上など)を満たせば強制適用
    • 有給休暇:契約から6ヶ月経過などの条件を満たした場合支給

    社会保険・有給休暇は、一定の条件を満たした契約社員には正社員と同じように加入・支給することが法律で義務付けられています。

    契約社員と正社員の違い2.働き方

    契約社員 正社員 違い

    契約社員は、契約内容によってさまざまな働き方の選択ができる点が、一律の職務規定に従わなければならない正社員と大きく異なります。

    契約社員と正社員は、どちらも会社と直接雇用契約を結びますが、正社員は基本的に複数の会社と雇用契約を結ぶことができません。

    一方、契約社員は会社に迷惑がかからないのであれば複数の会社と契約でき、副業を認められていることも多いです。

    業務時間についても正社員は一律で社内規則によって決められていますが、契約社員は契約によって決められるため、子育てと両立したいと言った理由から時短勤務を選ぶこともできます。

    このように、契約社員は正社員に比べて仕事の内容・時間などを自由に選択しやすいといえます。

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    契約社員と正社員のメリット・デメリット

    契約社員 正社員
    ここからは、契約社員・正社員それぞれのメリット・デメリットに焦点を当てて解説していきます。

    契約社員のメリット

    契約社員は、契約時に業務時間を選べるため、たとえば「週に3回」の勤務といった働き方も可能です。

    希望しない転勤や異動もないため、プライベートとの両立がしやすいメリットがあります。

    また、契約社員は、契約にない業務を行うことはありません。

    専門分野に特化してさまざまな会社で働き、スキルアップしたいと考えるような人にとっては、有期労働契約はメリットだと感じやすいでしょう。

    契約社員のデメリット

    企業が正社員でなく、あえて契約社員を雇用するのは、一定の期間内だけ力を発揮してもらいたいと考えているからこそです。

    したがって、契約社員は正社員のように長期にわたって働き続けることは難しくなります。

    こうしたことから、契約社員は特定の環境に腰を据えて、じっくりと働き続けたいと考える人にとってはデメリットといえるでしょう。

    また、契約社員は正社員のように定期的に昇進の機会が得られるわけではなく、安定的に収入を伸ばしていくことも難しいでしょう。

    待遇の面では全体的に正社員の方が恵まれているといえます。

    正社員のメリット・デメリット

    正社員は契約社員と異なり、よほどのことがなければ解雇されることはありません。

    安定した雇用・収入が得られることや定期的な昇進・昇格の機会があることは正社員のメリットです。

    一方で、正社員は、転勤や異動の命令には従わねばならず、希望していない業務に就く可能性もあります。

    予期せぬ転勤や、希望していない部署への異動によってライフプランを会社に左右されやすいという点はデメリットになるでしょう。

    契約社員から正社員を目指したい方は以下の記事に「正社員登用制度」についてまとめているので参考にしてください。

    正社員登用制度とは?

    契約社員に関わる法律改正

    契約社員は「有期雇用」で働くことが一番の特徴ですが、実際は長期にわたり継続して契約更新されています。

    加えて、会社都合で雇止め(契約更新をせずに期間満了をもって退職させること)を行うといったことが、トラブルの原因にもなっていました。

    この解決策として、改正労働契約法が2013年4月に全面施行されました。

    この章では、契約社員になる可能性がある人が知っておきたい法律の改正について解説します。

    改正労働契約法で契約社員が安心して働けるように

    改正労働契約法の概要

    • 無期労働契約への転換:契約期間が5年を超えた場合に「無期労働契約」に転換できる
    • 「雇止め法理」の法定化:合理的な理由のない雇い止めの禁止
    • 不合理な労働条件の禁止:同じ条件で働いている場合には雇用条件・待遇に差をつけてはならない

    雇用の安定を図ることを目的とし、2013年4月に改正労働契約法が全面施行、契約社員がより安心して働ける制度ができ上がりました。

    最も注目された法改正の内容は「無期労働契約への転換」です。

    改正労働契約法では、契約社員の契約期間は最長で「5年間」と定められています。

    もし、有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合には、契約社員の申込みによって、会社は社員を無期労働契約(契約期間の定めがない働き方)に転換させることが義務づけられています。

    (ただし、5年を超える一定の期間内に完了することが予定されている業務に就く、高度に専門的な知識などを有する契約社員は、最長10年となります。)

    このほか、有期労働契約の更新の手続きがずさんで、更新時の合意があいまいであった場合などには、会社は雇止めができなくなるなどのルールも設けられています。

    「契約社員と正社員の違い」まとめ

    契約社員と正社員の最も大きな違いは、有期契約であるか否かです。

    契約社員は契約期間を過ぎた場合、契約更新がなされなければ別の仕事を探す必要がありますが、正社員はよほどのことがない限り解雇されることはありません。

    契約社員の働き方は正社員よりも柔軟に調整できることや、転勤・異動はないことからプライベートとの両立がしやすい働き方です。

    正社員と比較すると、雇用や収入が安定しないというデメリットも理解したうえで、自分のライフスタイルに合う働き方を選択してください。

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