無期雇用の契約社員とは?

世の中には、正社員、契約社員、派遣社員、パート・アルバイトなど、さまざまな形で雇用されている人がいます。

そのなかには、正社員のように無期(働く期限の定めがないこと)雇用が前提の働き方ばかりでなく、契約社員や派遣社員など、一定期間だけ契約を結んで働く「有期雇用」の働き方もあります。

ただし、契約社員の場合はある条件を満たすことで、無期雇用で働くこともできます。

今回は、無期雇用の契約社員とはどういうものなのかや、無期雇用で働くことのメリットを紹介します。





契約社員とは?

まず、そもそも契約社員とは何か、というところから見ていきます。

契約社員は、「労働契約にあらかじめ雇用期間が定められている社員のこと」をいいます。

一般的な派遣社員も雇用期間が決まっていますが、派遣社員が派遣元となる派遣会社と雇用契約を結んだうえで派遣先となる企業で仕事をするのに対し、契約社員は実際に働く企業と直接雇用契約を結びます。

有期雇用で働く契約社員は、雇用期間に定めのない正社員よりもやや不安定といえる立場となり、給与形態やさまざまな待遇においても正社員とは異なる場合がほとんどです。

契約社員は何年働ける?

先ほど「契約社員は無期雇用である」と説明しましたが、それではいったい、契約社員は何年働くことができるのでしょうか?

企業によって異なりますが、契約社員は3ヵ月や6ヵ月、あるいは1年など、3ヵ月単位での雇用契約を結ぶケースが多いようです。

ただし、契約期間が満了するまでに企業側と契約社員本人の合意によって「更新」をすることができるので、契約更新を繰り返して、数年単位で働くことも不可能ではありません。

とはいえ、有期雇用の契約社員として働く期間には上限があり、それが通称「5年ルール」といわれるものです。

労働契約法の改正によって、2013年4月1日以降に開始した有期労働契約は、5年を超えて反復更新された場合は、労働者の申込みによって無期労働契約に転換することが可能になりました。

つまり、契約更新を繰り返して5年が経つと、契約社員本人が望めば、企業側はその人と無期労働契約を結ぶことが義務付けられています。

この背景には、有期労働契約の反復更新で生まれてくる「雇い止め」に対する労働者の不安解消があるとされています。

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無期雇用になると変わること

無期雇用=正社員ではない!

無期雇用になれば、労働者本人としては「いつ更新されなくなるか…」という不安がなくなりいます。

ただし、ここで気をつけておきたいのは、「無期雇用=正社員」というわけではないことです。

無期雇用の契約社員は、あくまでも有期労働契約が無期労働契約に変わっただけなので、その他の勤務条件(給与や勤務時間など)はそれまでと同様の場合もあります。

無期雇用へ転換後の働き方のパターン

契約社員が5年ルールによって無期雇用になると、以下のいずれかのパターンで働くことが多いようです。

無期契約社員(処遇条件の変更なし)

契約期間の定めはなくなるものの、職務・勤務地・給与・労働条件などは直前のものと同じように働きます。

無期契約社員(処遇条件の変更あり)

契約期間の定めがなくなると同時に、職務・勤務地・給与・労働条件に変更があるケースです。

正社員まではいかなくても、さまざまな条件が良くなる場合が一般的です。

限定正社員

職務、勤務地、勤務時間などを限定した正社員になるパターンです。

例として、転勤をしないことや、職務範囲が限られていることなどがあります。

正社員

企業によっては、このタイミングで正社員への切り替えができる場合があります。

無期雇用で働くメリット・デメリット

無期雇用になれば、まずは契約更新による「雇い止め」の不安がなくなります。

それによって長期的なキャリアビジョンを持ちやすくなりますし、さらに仕事に積極的に打ち込むモチベーションが上がる人もいるでしょう。

また、無期雇用になるまでにその職場での勤務態度が認められ、一定の成果を上げていれば、給与や待遇の改善も期待できます。

しかし、ここには注意点もあります。

無期雇用の契約社員になることを選択すると、今度はその職場で正社員になるチャンスが減ってしまうかもしれません。

企業としては、無期雇用の契約社員は正社員よりもコストをかけずに雇用できるので、あえて正社員にすることを考えない場合があるからです。

よい人材は積極的に契約社員から正社員に切り替えていくのか、それとも無期雇用になっても労働条件は見直さないのかなどは、企業の考え方によるのが実情です。

この記事のまとめ

今回見てきたように、もともと有期で働く契約社員も、条件を満たすことで無期契約を結ぶチャンスがあります。

ですが、そもそも有期契約の契約社員を雇おうとする企業は、正社員のように無期雇用の社員を多く雇う余裕がない場合があります。

そのため、企業によっては5年ルールが適用となる前のタイミングで、契約社員の契約更新をせずに打ち切る「雇い止め」を行う場合があります。

契約社員として5年を経てば必ず無期雇用になれるわけではありませんので、その点は念頭において就職先や働き方を選択しましょう。

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