契約社員は社会保険に入れる? 失業保険はある?
社会保険が用意されていると、何となく待遇が良い印象を受ける人も多いと思います。
ですが、契約社員はいったい社会保険に加入することができるのでしょうか?
今回は、まず社会保険とは何かということを見たうえで、契約社員が社会保険に入るための条件、また退職時の生活をサポートしてくれる失業保険についても見ていきます。
契約社員でも社会保険への加入は可能
契約社員が社会保険に加入する条件
日本の社会保険制度を細かく分けると、「健康保険」「厚生年金保険」「雇用保険」「労災保険」「介護保険」があります。
それぞれ、契約社員として働く場合の加入条件を見ていきましょう。
健康保険・厚生年金保険
以下の2つの条件を満たすと、加入義務があります。
・1ヵ月の所定労働日数が一般社員(正社員)のおおむね4分の3以上であること
・1日または1週間の所定労働時間が一般社員(正社員)のおおむね4分の3以上であること
また、2016年10月の法改正によって、以下の条件をすべて満たすと週20時間以上の労働時間でも加入義務があるとみなされます。
・従業員数が501人以上であること
・月額賃金が8.8万以上であること
・勤務期間が1年以上またはその見込みがあること
雇用保険
以下の2つの条件を満たせば加入が義務づけられます。
・31日以上の雇用見込みであること
・1週間の所定労働時間が20時間以上であること
労災保険
すべての労働者の加入が義務づけられています。
介護保険
・40歳以上65歳未満
という年齢要件以外は、健康保険と同じ加入要件となります。
契約社員でも失業保険はもらえる?
条件を満たせば受給資格あり
会社を辞めた場合にもらえる失業保険(雇用保険)ですが、契約社員も正社員と同じように給付を受けることができます。
ただし、失業保険の受給要件として、以下の条件を満たす必要があります。
・自己都合で退職する場合→雇用保険に加入し、被保険者である期間が通算12ヵ月以上であること
・契約期間満了(契約社員本人が更新を希望しても更新できないケース)の場合→雇用保険に加入し、被保険者である期間が通算6ヵ月以上であること
この条件を満たせば、正社員をはじめ、契約社員やパート・アルバイトなど他の雇用形態でも、失業保険の給付があります。
失業保険はいつからもらえる?
失業保険をもらえる時期は、どのような形で仕事を辞めたかによって異なります。
通常、正社員などが自己都合で退職をする場合には、3ヵ月間は失業保険をもらえない「給付制限」がつきます。
しかし、契約社員の場合、あらかじめ決まっていた契約期間が満了となるタイミングでの退職は、給付制限がなく、退職日から7日間の待期期間後に失業給付が受けられます。
一方、労働契約の合計年数が3年以上になると、事実上「正社員」としての扱いになり、自らの希望で契約を更新せずに退職した場合には自己都合退職と見なされ、給付制限がついてきます。
ただしその場合、会社から30日以上前までの解雇通告があれば、会社都合とみなされて給付制限が適用されません。
また、会社都合であれば雇用保険に6ヵ月以上加入していることで、失業保険の受給資格が得られます。
いずれのケースも例外として判断される場合もありますので、詳しくは会社に確認してください。
20代で正社員への就職・転職
失業保険をもらうまでの流れ
上記の条件を満たしていたとしても、失業保険は、会社を辞めれば自動的にもらえるわけではありません。
失業保険受給までには、大きく以下のステップを踏む必要があります。
1.会社から「離職票」を受け取る
↓
2.住民票を管轄しているハローワークへ失業手当の申請に行く
↓
3.ハローワークの「雇用保険受給者説明会」に参加する
↓
4.失業認定日に求職活動の報告をする
↓
5.失業認定後、1週間ほどで失業手当を受給する
(その後も継続的に求職活動の報告が必要になります)
上記の流れの中にもある通り、失業保険をもらうには「離職票」が必要です。
離職票は、会社から2週間以内に送られてくることがほとんどですが、会社の手続きが遅延しているなどの理由で、なかなか送られてこないケースもあります。
その場合は、まず会社の人事担当者などに確認してください。
それでも送られてこない場合にはハローワークに行って相談をしてみましょう。
ハローワークが会社に対して離職票の発行を促してくれます。
この記事のまとめ
社会保険に入ることで、病気やケガで働けなくなった場合に傷病手当金の受給があったり、出産時の手当が受けられたりするなど、手厚い保障があります。
また、厚生年金保険では老後に受け取れる年金額が増えるなどのメリットがあります。
会社を辞めたときにもらえる失業保険については受給要件が定められており、正しく受けるためにはしかるべき手続きが必要です。
難しい部分は会社やハローワークなどに確認しながら、確実に手続きを進めていってください。
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