契約社員の給料平均は? 正社員と比較でわかりやすく解説
厚生労働省の最新統計を使用して正社員の給料・年収との比較と手取り額についても掲載しています。
契約社員の給料・年収の平均は?正社員と比較
契約社員の月収平均は21万円、年収の平均は276万円です。
正社員と給料・年収を比較し、手取り額についても解説していきます。
契約社員の給与平均は21万円
とらばーゆより作成
契約社員の給料の平均は約21万円です。
ただし、契約社員の45%は月収が20万円未満です。
契約社員の給料平均には25万円以上の人も含めているので、注意が必要です。
なお、契約社員で月収25万円以下の人は80%を超えており、ほとんどの契約社員は月収が25万円以内と考えて良さそうです。
厚生労働省の平成30年度賃金構造基本統計調査によると、正社員の平均給料は32万円です。
正社員の月収は契約社員よりも10万円程度高くなっています。
契約社員の年収平均は276万円
とらばーゆより作成
契約社員の年収平均は276万円でした。
契約社員の中にはボーナスをもらえる場合があったり、残業などの手当がつくこともあるので平均月収21万円を単純に12倍した金額よりは高くなっています。
契約社員で年収が200万円~300万円の人が約50%ですが、9%の人は400万円~500万円の年収です。
一方、正社員の平均年収は、平均月収32万円を12倍しても400万円前後です。
平均年収で契約社員と正社員を比較すると100万円以上の差があることがわかります。
契約社員の手取りは?
契約社員・正社員の給料から税金などを除いた手取り額は、以下の通りです。
契約社員
- 月収手取り:17万円
- 年収手取り:221万円
正社員
- 月収手取り:26万円
- 年収手取り:320万円
上記の手取りの額は月収、年収それぞれに税金や保険料が20%かかるとして概算で計算したものです。
契約社員が契約時に提示される給料や年収は手取りではなく、税金等を含んだ金額です。
実際に自分の手元に残る金額をざっくりとお計算したいのであれば、給料に0.8倍した金額と考えると良いでしょう。
家賃や光熱費・通信費などの固定費を引いて、自分の手元に残る金額を考えることで「思ったより給料が少なかった」と思わずにすみます。
契約社員の給料以外の待遇は?正社員と比較
ボーナスや退職金、住宅手当といった福利厚生などです。
この章では、契約社員の待遇について解説していきます。
契約社員はボーナスが少額・なしが多い
契約社員ではボーナスが少額のことが多いです。
実際にデータを見てみましょう。
契約社員のボーナス額
- 10万円未満:64%
- 10~30万円:13%
- 30万円以上:23%
とらばーゆより
契約社員がボーナスが少額な理由は、契約社員の給料の決め方によるものです。
契約社員の給料は月給や時給・日給で決まっていますが、その中にボーナスや手当などを含めています。
したがって、契約社員の時給や日給は高く設定されていて、契約によっては正社員よりも月給が多いこともあります。
正社員はその分をボーナスなどで受け取っていて、トータルの金額で見ると正社員の方が手取りの金額などは高くなります。
契約社員の退職金や福利厚生等の待遇
- 退職金:なしが多い
- 住宅手当など福利厚生:なし、もしくは制限があることも
退職金はもともと法律で義務付けられたものではありません。
厚生労働省によると20%の企業では退職金制度がない、というのが実態です。(平成30年就労条件総合調査)
退職金は勤続年数に応じてもらえる金額が増えていき、正社員の資産形成を助けるとともに長期間働くことのモチベーションの位置づけもあります。
契約社員は、3か月や6か月など短期間で働くことを前提にしていることも多く、退職金は一般的にもらえないことが多いです。
ただし、同一労働同一賃金への流れによって、契約社員も退職金をもらえるようになる可能性もあります。
実際、2019年に契約社員の退職金支払いを命じる判決が出ました。
判決は、契約社員1人と元契約社員3人の退職金などの格差を、労働契約法20条が禁じる「不合理な格差」に当たるかどうかを個別に検討。退職金に関しては元契約社員2人が10年前後勤務した点を重視し「長年の勤務に対する功労報償の性格を有する退職金すら一切支給しないことは不合理」と述べ、正社員と同様に算定した額の少なくとも25%は支払われるべきだとした。
現状では退職金を受け取れる契約となっている契約社員は少ないと考えられますが、今後の流れを注視しておくべきでしょう。
一方、以下のような福利厚生については、契約社員は利用できない場合も多いです。
- 住宅手当
- 交通費手当
- 子ども手当
契約社員の給料には上記のような手当や退職金が含まれた金額になっていると考えられます。
契約社員と正社員の給料の差以上に金銭的に差が出る
退職金や福利厚生の面において契約社員と正社員との差は、給料の額面以上になることがわかります。
また、正社員は定期的に昇進や昇給があり、年収が年齢とともに上がっていきやすいという特徴もあります。
契約社員として働く場合は、上記のことも踏まえて提示された給料を見るようにしましょう。
契約社員が給料を上げる方法
ここからは契約社員が給料を上げる方法を3つ紹介します。
契約社員が給料を上げる方法1.契約更新で交渉
契約社員は契約期間の途中で給料を上げることは難しいです。
契約で雇用契約に給料が明記されているので、途中で契約内容を変えることは手続きも煩雑になるからです。
契約を更新するタイミングで、上司や人事担当者などに交渉しましょう。
契約社員が給料を上げる方法2.スキルアップ
契約社員の給料は、スキルや資格・経験などによって決まります。
上記で述べた「契約更新で給料アップの交渉」をするのであれば、給料を上げてもいいと会社側に考えてもらえるようなスキルアップをすることも重要です。
以下のようなスキルは、多くの会社で役立ちますし、任せてもらえる業務の幅が広がって給料アップにつながることがあります。
- Officeソフトなどパソコンの基本スキル
- 英語スキル
- コミュニケーションスキル
パソコンスキルならMOS、英語ならTOEICなど広く知られている資格取得をすると、スキルアップしたことを客観的に示すことができます。
また、社内の人と円滑な人間関係を築けるコミュニケーション能力のある人は、継続契約を得やすいでしょう。
契約社員が給料を上げる方法3.契約条件の良い会社を選ぶ
契約社員の給料は、以下の手当が支給されるかによっても変わります。
- 通勤手当
- 残業手当
- ボーナス
時給や日給だけでなく、こうした手当についても注目して会社を選びましょう。
また、契約社員の給料は時給の高い大都市圏ほど高くなる傾向があります。
したがって、通勤できる範囲で給料の高い地域の会社を探すのも給料を上げる手段になります。
あえて、残業の多い会社で働くことも手取りの給料を増やすことができますが、残業手当がきちんと支給されるかは確認しておきましょう。
20代で正社員への就職・転職
契約社員から正社員を目指す人への注意点
契約社員から正社員になって給料を増やしたいと考える方向けに注意点をまとめました。
契約社員から正社員になる方法については、以下の記事で詳しくまとめています。
正社員のメリット・デメリットを理解する
契約社員から正社員を目指すなら、正社員になることのデメリットの面も理解しておくことで「こんなはずじゃなかった」と後悔することを防げます。
- 安定した雇用と収入
- 福利厚生や退職金など待遇が良い
- 希望しない転勤や異動の可能性がある
契約社員は契約にない業務を命じられることはありません。
しかし、正社員になると、希望しない転勤や部署への異動もあり得ますし、残業や休日出勤をすることもあります。
プライベートとの両立が難しくなったり、ライフプランの見通しが立ちにくくなるというデメリットがあります。
正社員の収入や福利厚生のメリットに目が行きがちですが、契約社員はプライベートとの両立がしやすいなどのメリットがあることも理解しておきましょう。
契約社員と正社員の違いについて詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
契約社員の給料・年収まとめ
- 月収平均は21万円(手取りは17万円)
- 年収の平均は276万円(手取りは221万円)
契約社員の給料と年収についてまとめました。
上記はあくまでも平均で、25万円以上の給料を受け取っている契約社員もいれば15万円以下の人もいます。
ボーナスの有無や手当の有無など、契約社員の給料は会社ごとに異なります。
今回紹介した給料の平均値を仕事を探す際などの目安にしてみてください。
30秒でわかる!転職サービス診断
-
20代・第二新卒・既卒の転職支援サービス:Re就活エージェント(PR)
-
未経験OK! IT・Web業界に特化:マイナビITエージェント(PR)