視能訓練士の求人状況・就職先選びのポイント

視能訓練士の就職先にはどんなところがある?

私立系医療機関

「視能訓練士実態調査報告書2015年」によると、視能訓練士の6割ほどが「私立系医療機関」に就職しているとされています。

n=2178
・私立系医療機関:62%
・国公立系医療機関:33%
・その他:5%

多くは眼科診療所で働いており、私立大学病院などで働いている人もいます。

また、ごく一部ですが「レーシックセンター」で働いている視能訓練士もいます。

n=1353
・眼科診療所:59.1%
・私立病院:23.9%
・私立大学病院:12.3%
・私立眼科病院:4.5%
・レーシックセンター:0.1%

出典:日本視能訓練士協会 視能訓練士実態調査報告書2015年

私立大学病院は視能訓練士の中でも収入が多い方なのですが、一方で眼科診療所や市立病院で働く視能訓練士の収入は視能訓練士の中でも収入は低めです。

国公立系医療機関

視能訓練士実態調査報告書2015年によると、視能訓練士の3割ほどは「国公立系医療機関」に就職しているとされています。

そのうち約8割ほどが公立医療機関や公立に準ずる病院および診療所で働いており、その収入水準は視能訓練士の中でも高い方です。

ごくわずかではありますが「国立高度専門医療センター」に就職している視能訓練士もいます。

n=727
・公立に準ずる病院および診療所:40.0%
・公立医療機関:39.0%
・国立大学法人:9.0%
・独立行政法人国立病院機構:8.0%
・公立大学病院:2.0%
・国立高度専門医療センター:1.0%
・その他国立系の病院:1.0%

養成施設

視能訓練士の多くは医療関係の職場で働いていますが、5%ほどがそれ以外の職場で働いています。

そのほとんどは視能訓練士の養成施設であり、一部は医療関係企業に就職しています。

n=98
・養成施設:73.0%
・医療関係以外の職業:22.0%
・病院、医院以外の医療関係企業:4.0%

視能訓練士の求人の状況

年々増加している視能訓練士の数

視能訓練士の国家資格がスタートしたのが1971年、当時は全国にわずか121人しか視能訓練士の有資格者は存在していませんでした。

4年後には3倍以上に増加し、それ以降も右肩上がりで視能訓練士の有資格者数は増加していきました。

・1971年:121名
・1975年:396名
・1980年:749名
・1985年:1259名
・1990年:1813名
・1995年:2675名
・2000年:4267名
・2005年:6336名
・2010年:9351名
・2019年:16199名

出典:日本視能訓練士協会 視能訓練士の現状と展望

眼科医療の進歩と高齢化による需要の増加

視能訓練士の数が増加しているということは、限られた就職枠を多くの視能訓練士が競争する構図になるわけです。

では、現場はどう考えているのかといえば、視能訓練士実態調査報告書2015年によると常勤の視能訓練士の人数について以下の結果が出ています。

n=2267
・足りている:61.7%
・足りていない:33.4%
・無回答:4.9%

6割以上の視能訓練士が常勤の視能訓練士の数は足りていると回答している一方で、3割以上の人が足りていないと回答しています。

理由としては以下の内容が回答されています。

n=758(複数回答)
・外来患者数が多い:62.1%
・眼科一般検査訓練などの業務が多い:66.5%
・事務業務が多い:20.2%
・その他:17.2%

視能訓練士の仕事は、少なくない人が「仕事が多い」と回答しているのです。

眼科医療の進歩や高齢化の進行、医療分野の細分化によって今後も視能訓練士の需要は最低でも維持される傾向にあるというわけです。

平成30年版高齢社会白書によれば2017年の65歳以上の人口は3,515万人、総人口の27.7%に相当しています。

都市部と地方で大きく異なる求人状況

しかしながら、視能訓練士の需要は全国で平坦というわけではありません。

「視能訓練士の現状と展望」によると、視能訓練士の数は東京都や大阪府を筆頭に都市部に集中しており、地方だと都市部の10分の1程度しか分布していないとされています。

これは視能訓練士の活躍の場となる医療関連施設や、視能訓練士を育成する養成所が都市部に集中していることが大きな理由であると考えられています。

結果、都市部では視能訓練士の求人が進んでいる一方で、地方では都市部ほど求人が出ていない傾向にあります。

視能訓練士の就職先の選び方

年収を多くするためには大学病院がおすすめ

働くうえで重視されるポイントの1つが「収入」です。

プライベートや将来設計を充実させるためには、相応の収入を得ることが望まれますが、視能訓練士の収入はそれほど多いものではありません。

視能訓練士として働き、少しでも多い収入を得るためには「大学病院」で働くのが一番の近道となります。

・私立大学病院:495.6万円
・公立大学病院:467.3万円
・公立医療機関:450.7万円
・準公立病院、診療所:432.3万円
・国立医療機関:422.4万円
・私立眼科病院:407.2万円
・国立大学法人:401.4万円
・私立病院:368.9万円
・眼科診療所:354.7万円
・その他:416.1万円

大学病院と眼科診療所では、年間所得が100万円以上も違います。

少しでも多くの収入を視能訓練士で稼ぎたいのであれば、就職先を見据えた勉強をすることをおすすめします。

就職・転職先を探しやすいのは都市部

就職先を探すうえで選定の1つのポイントとなるのが「勤務エリア」です。

果たして「故郷で働きたい」のか「大学と同じエリアで働きたい」のか、それとも「就職を機に都会に出たい」など、就職先となるエリアの選定基準は人によって異なりますが、視能訓練士として就職先を探しやすいのは「都市部」となります。

都市部は視能訓練士が活躍できる医療機関が多く立地しており、視能訓練士向けの教育機関等も多く立地しています。

実際に、地方と比較して都市部に集中的に視能訓練士が分布しているデータもあるため、就職先を探しやすい環境であることがわかります。

就職先が多いということは、就職後の転職先を同じエリアで探しやすいというメリットもあります。

都市部での就職を前提として、視能訓練士の養成機関も都市部にしておくと、就職時の環境の変化を最小限に抑えられます。

研究機関や養成機関で働くという選択肢も

視能訓練士の活躍の場の多くは医療機関で患者さんと接する仕事になるのですが、それ以外にも「大学の研究機関で研究をする」「視能訓練士の養成機関で後進の育成に尽力する」といった生き方もできます。

視能訓練士はまだまだ技術的な発展の余地がある分野であり、まだまだ需要の高まりに供給が追い付いていない状況です。

最新の技術や優れた新人視能訓練士が増えてくれば、それだけ多くの患者さんに貢献できることになります。

患者さんとの直接の接点は少なくなりますが、巡り巡って多くの患者さんのためになる働き方ではあり、尊い働き方であるといえます。

なお、養成機関で働く場合には「教員免許」が必要になる可能性があるため、学生時代の間に教員免許を取得しておくと働き方の幅を広げることができます。

視能訓練士の志望動機・面接

視能訓練士として就職の面接に臨むにあたっては「志望動機」を聞かれますが、いかに「この人はこの職場に合致している人物である」かを読み取ってもらえるかが重要です。

面接時には「なぜ、この職場を選んだのか?」を聞かれることが多いので、事前に(事実に反しない範囲で)しっかりとした動機を考えておく必要があります。

転職する場合は「前職の退職理由」や「(前職が視能訓練士ではない場合)なぜ視能訓練士に転職しようと思ったのか?」を聞かれますが、ここでネガティブな理由(人間関係の悪さなど)を前面に押し出すと良くない印象を持たれる可能性があるので避けておきましょう。

また、全体的に誠実な人物が好まれる傾向にありますので、履歴書の書き方や面接時に受け答えには丁寧な態度が求められます。

視能訓練士の志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?

就職先はどのように探したらいい?

求人情報を利用する

一般的な求人サイトでは、視能訓練士の求人情報が掲載されています。

また、公益社団法人日本視能訓練士協会のホームページにも、視能訓練士向けの求人情報が掲載されています。

勤務エリアなどを限定して求人情報を検索することができますので、希望する勤務条件を満たす求人情報を探しやすいです。

知人の紹介で就職・転職する

視能訓練士の就職先・転職先は「知人からの紹介」でも探すことができます。

視能訓練士は勤務先だけでなく、勉強会などで多くの医療関係者と知り合うことができます。

場合によっては「知人が眼科医院を開業するんだけど、視能訓練士を探しているんだ、よかったら紹介しようか?」のような紹介を受けられるかもしれません。

積極的に他人と関りを持ち、そうした紹介を受けられる機会を持てるようになれば、より良い条件で働ける場所を見つけられるかもしれません。