司法書士の求人の状況・就職先選びのポイント

  
司法書士は司法書士事務所・法律事務所から一般企業まで幅広い就職先があります。

それぞれ業務内容や待遇面は異なるため、独立後に自分がどんな案件を手掛けたいかを明確にして、就職先を選ぶことが望ましいでしょう。

この記事では、司法書士の求人の状況・就職先選びのポイントについて解説します。

司法書士の就職先

司法書士の就職先
  • 司法書士事務所
  • 一般企業
  • 法律事務所

司法書士事務所

司法書士の就職先として最も一般的なのは、司法書士事務所です。

ただ、一口に司法書士事務所といっても、その事業規模は大小さまざまで数百人のスタッフを抱える大手司法書士法人もあれば、少人数で運営している個人経営の事務所もあります。

また、業務内容についても、ありとあらゆる案件を手広く取り扱っているところもあれば、「不動産登記」「相続」「債務整理」など、得意とする分野を標榜し、案件を絞って営業しているところもあります。

さらに、代表司法書士の経営理念や営業方針、職員の待遇面なども千差万別ですので、どの司法書士事務所が最適なのかは個人によってばらばらといえるでしょう。

一般企業

数としては決して多くありませんが、司法書士試験に合格して資格を取得しても司法書士会に登録せず、一般企業に就職することを選択する人もいます。

ある程度の規模を有する企業には、法務部や総務部といった法律を取り扱う部署があり、契約書のチェックや顧問弁護士との協議・商業登記・株主総会の運営・社員へのコンプライアンス指導などを行っています。

そうした部署では、法学部出身者をはじめとして、法律に精通した人材が求められますので、司法書士資格を持っていれば優遇されやすいでしょう。

法務セクションをもつ企業は、上場企業をはじめとた大企業が中心ですので、安定的に働ける点も魅力です。

法律事務所

法務省が指定する研修を受け、考査に合格して「認定司法書士」になると少額の訴訟案件については、弁護士と同じように依頼者の代理人となり、相手方と裁判で争ったり、和解交渉ができるようになります。

このため、法律事務所に勤めて、過払い金請求などの案件を専属的に手掛ける司法書士が近年増加傾向にあります。

法律事務所側からしても、民法や商法などについての法律知識が豊富である司法書士を雇用するメリットは大きく、弁護士のサポートスタッフとして司法書士を求めるケースも珍しくありません。

今後についても、司法書士法が改正されるにつれて、司法書士業務はより弁護士業務に近接していくと想定されますので、法律事務所に就職する司法書士がより増えていく可能性も十分にあります。

司法書士の求人の状況

司法書士試験はきわめて合格率の低い難関試験であり、毎年の合格者は全国で600人前後しかいません。

新規の資格取得者が限られるうえ、ある程度の経験を積んだ有資格者が事務所を退職して独立するケースもよくありますので、各事務所は定期的にスタッフを補充する必要もあり、求人数はかなり豊富です。

エリアごとの求人情報についてみれば、ほかの職業と同様、東京近郊や名古屋・大阪といった大都市圏の求人が目立つものの、人口の少ない地方でも求人を見つけられます。

不動産登記などの業務は、どの地域でも一定の需要がありますので、司法書士は全国各地どこでも働けるでしょう。

さらに、体力をあまり必要とせずデスクワークが主体である関係上、性別による差もありませんので、女性でも就職先を見つけやすい点も司法書士のメリットといえます。

司法書士の就職先の選び方

司法書士の就職先の選び方
  • 業務内容で選ぶ
  • 待遇面で選ぶ

業務内容で選ぶ

司法書士の業務は多岐にわたりますが、おおまかには、法務局での登記関連手続きと、裁判所での簡易訴訟手続きに大別できます。

どちらも重要な業務ですが、必要となる知識や仕事の進め方・ノウハウなどは大きく異なりますので、就職先を選ぶ際にはどちらを担当したいかをまず第一に考える必要があるでしょう。

数として多いのは登記関連をメインとしている事務所ですが、ある程度大きな司法書士事務所だと、どちらも取り扱っており、分野によって担当者が振り分けられているケースもあります。

あらかじめ求人情報を調べたり、面接時に確認したりして、自身の希望に合致した業務を行えるところに就職するべきです。

とくに将来的に独立を検討している場合、キャリア的に遠回りにならないためにも、独立後に自分がどんな案件を手掛けたいかから逆算して、就職先を選ぶことが望ましいでしょう。

なお、簡易訴訟関連の業務を手掛けたいなら、司法書士事務所ではなく弁護士の経営する法律事務所に就職するという選択肢もあります。

待遇面で選ぶ

司法書士報酬は案件ごとの単価制であり、いくつの案件をこなせるかが収入面に直結します。

このため、待遇面には個人の実力が反映されやすく、実務未経験者を対象とした求人とある程度の実務経験がある人を対象とした求人では、提示されている給与に大きな開きがあります。

5年以上の実務経験があると、年収500万円以上という比較的好条件の求人が目立ちますので、自分の実力に見合った就職先を選ぶというのもひとつの選択肢です。

ただし、収入面が好待遇であることは、それだけ任せられる業務量も多いので給与を優先するあまり実力以上の就職先を選んでしまうと、後々苦労することになるかもしれません。

就職先を選ぶ際の注意点

司法書士も、一般的な求人と同様、35歳という年齢がひとつの節目といえます。

司法書士資格自体が将来的な独立を前提としていることもあって、あまり年齢のいきすぎた人については、雇う側も二の足を踏むことが多いです。

もちろん、35歳以上でも応募できる求人もありますが、その場合は法曹界に限らず、これまで勤めてきた企業での職務経験などがポイントになるでしょう。

司法書士の志望動機・面接

司法書士が難関国家資格であり、資格保有者が少ないのは事実ですが、それだけですぐ希望の企業に就職できるというわけではありません。

ほかの職業と同様、就職試験で実施される面接対策は必須であり、業界研究や各個別企業の研究を行ったうえで、入念に志望動機を練ることが必要です。

それぞれの司法書士事務所によって得意としている案件の分野は異なりますので、就職先の事務所にどのような特色があり、どういう種類の案件をおもに手掛けているのか、しっかりと下調べしておきましょう。

また、司法書士事務所は小規模なところが多く、スタッフ同士の結びつきが強いため職場の雰囲気に馴染めるかどうか、言い換えれば「人柄」がよいかどうかが重視されやすい傾向にあります。

面接においては、チームワークや協調性、コミュニケーション能力などをアピールするように心がけるとよいかもしれません。

司法書士の志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?

就職先の探し方

就職先の探し方
  • 研修先にそのまま勤める
  • 司法書士会に紹介してもらう
  • 一般の求人サイトから探す

研修先にそのまま勤める

司法書士試験に合格した後は、司法書士会が実施する新人研修を受講する義務があります。

研修前には、具体的にどのような分野の業務を手掛けたいか尋ねられる機会があり、その要望にもとづいて、できる限りイメージに近い事務所に配属されます。

このため、研修を修了した後も、同じ職場で働き続けるケースもよくあります。

十分にキャリアを積んで一人前となった後は、そのまま事務所に勤め続けるという選択肢もありますし、独立して大きな飛躍を目指すために選ぶ人もいます。

司法書士会に紹介してもらう

研修先がイメージと違っていたり、あるいはほかの業務に関心が出てきたという場合は、司法書士会から就職先の紹介を受けるケースが一般的です。

各地域を管轄する司法書士会では、ホームページなどで求職者情報提供を行っており、自分の希望に合致した就職先を見つけられるでしょう。

司法書士会によっては、正社員だけでなく、パート・アルバイトなど、勤務形態についてもある程度選択できます。

一般の求人サイトから探す

ほかの職業と同じく、民間の求人サイトやハローワークなどでも、比較的簡単に司法書士の求人情報を見つけることが可能です。

就職先によっては、司法書士資格だけでなく「認定司法書士」まで必須であるケースもありますし、反対に、将来的に資格を取得する意思さえあれば、入社時点では無資格でも採用するというケースもあります。

これから司法書士を目指そうという人については、一般の求人サイトから求人情報を見つけて、アシスタントとして就職し、働きながら試験勉強に励むという道も考えられるでしょう。

司法書士の求人の状況・就職先選びのポイントのまとめ

司法書士の就職先は司法書士事務所・一般企業・法律事務所があり、最も一般的なのは司法書士事務所です。

案件を手広く取り扱っているところもあれば、不動産登記・相続・債務整理など得意とする分野を標榜し、案件を絞って営業しているところもあります。

代表司法書士の経営理念や営業方針、職員の待遇面などもさまざまであり、どの司法書士事務所が自分に最適なのかよく調べましょう。

一般企業・法律事務所にしても、将来的に独立を検討している場合は、独立後に自分がどんな案件を手掛けたいかから逆算して就職先を選ぶことが望ましいでしょう。

待遇面についても、個人の実力が反映されやすく、実務未経験者を対象とした求人とある程度の実務経験がある人を対象とした求人では、提示されている給与に大きな開きがあります。

就職先は、研修先にそのまま勤める・司法書士会に紹介してもらう・一般の求人サイトなどから探します。

また、ほかの職業と同じく民間の求人サイトやハローワークなどで、比較的簡単に司法書士の求人情報を見つけることも可能です。