司法書士の働き方の種類とその特徴

司法書士の雇用形態

司法書士の働き方としては、被雇用者として働くか、独立開業して事務所を経営するかという2種類に大別することができます。

司法書士は、難関試験を突破した有資格者だけが就ける専門職ですので、被雇用者として働いている人の多くは正社員です。

しかし、家庭の事情や個人の意向などから、派遣社員として期間を限定して働いたり、アルバイト・パートとして資格を生かしている人もいます。

司法書士は、有資格者数が限られている分だけ就職上有利であり、多様な雇用形態を選択することができるでしょう。

また、これから司法書士になるべく試験勉強中の人については、経済状況や試験勉強の進捗状況に応じて、最適といえる働き方はさまざまといえます。

以下では、司法書士の働き方の種類とその特徴、待遇面などについて、それぞれの雇用形態を比較しながらご紹介します。

正社員の司法書士

正社員の特徴

正社員の募集は、司法書士有資格者、またはある程度の法律知識を備えた「司法書士補助者」としての採用が一般的です。

ただし、未経験者であっても、事務所によっては一般事務スタッフとして正規採用されるケースもあります。

正社員の業務内容は、個人のスキルレベルによって差があるものの、依頼者との面談から書類作成、裁判所や法務局への外訪など多岐にわたりますので、さまざまな経験を積めることが特徴です。

とくに将来的に独立を検討している人については、正社員として働く期間は、開業した後に必要な実務能力を身につけるための「修業期間」と捉えることもできるでしょう。

正社員の待遇

司法書士の給与は個人の実力に大きく影響されるため、正社員の年収は250万円~600万円とかなり開きがあります。

業務に慣れていない若手のうちはそこまで高給は望めませんが、経験を積んで多数の案件を同時進行でこなせるようになると、それに見合った収入が得られるでしょう。

資格未取得であり、仕事が補助業務に限定されている間は、月収20万円前後であるケースが多く、年収は下限に近くなります。

ただ、実務を通して不動産登記や商業登記などの法律知識を身につけることが可能であり、司法書士試験に合格するために役立つ環境であることは間違いありません。

司法書士を目指すなら、たとえ経済的なメリットが薄くても、正社員として働く価値はあるでしょう。

派遣社員の司法書士

派遣社員の特徴

派遣社員の最大の特徴は、基本的に残業がなく、勤務時間が固定化されているということです。

育児や介護といった家庭の事情で、毎日決まった時間に帰宅することが必要である人や、資格取得のためにまとまった勉強時間を確保したい人などは、派遣社員という形態が最適である可能性もあります。

ただ、正社員と比べると、限られた時間内で一定の成果を上げることが求められるため、即戦力となれる人材の採用が中心です。

派遣社員になるには、司法書士資格を有している、司法書士事務所での勤務経験がある、officeなどのPCスキルがある、金融関係の職歴があるなど、いずれかの条件をクリアしていることが必要です。

派遣社員の待遇

ある程度の実務経験がある人については、時給1400円~1800円前後と、比較高単価の求人が多いようです。

司法書士資格を取得していればより高くなり、時給2000円の求人も見受けられます。

ただ、雇用期間については、基本的に3か月未満、それ以上は3か月ごとの契約更新が必要で、ひとつの勤務先に留まれるのは最長でも3年程度であり、待遇的にあまり安定しているとはいえません。

業務内容も事務作業がメインであり、そこまで責任ある仕事に携わることができるわけではありませんので、人によってはやりがいを感じにくい可能性もあります。

アルバイト・パートの司法書士

正社員や派遣社員としてフルタイムで勤務するのが難しい場合、アルバイト・パートとして司法書士資格を生かすという選択肢もあります。

午前中だけ、午後だけ、あるいは1週間に数日だけといったように、各人の都合に合わせて働くことができますので、たとえば出産や育児などライフイベントの多い女性でも、限られた時間を有効利用しやすいでしょう。

待遇面については、実務未経験者は時給1000円前後からスタートすることが一般的ですが、その後スキル次第で昇給することが可能です。

独立開業している司法書士

独立開業している司法書士は数多くいますが、そのスタイルはさまざまで、単独で司法書士事務所を経営している人もいれば、税理士土地家屋調査士などと合同で「総合事務所」を経営している人もいます。

独立している場合の働き方としては、勤務時間や勤務場所などを自分で自由に決められることが特徴といえますが、勤務している場合よりも一人で多数の業務をこなす必要に迫られるため、忙しくなりがちです。

また、収入面についても、近年は司法書士数の増加によって競合が激しくなっている影響もあり、そこまで高い給料を得られるわけではなく、独立司法書士の大半は年収500万円前後であるようです。

勤めるよりも、リスクが増える分だけ高収入を得られるチャンスが大きいのは確かですが、司法書士としての実務スキルに加えて経営スキルや営業スキルが必要になるため、誰もが独立に向いているとはいえません。

副業・在宅の司法書士

司法書士は、依頼者と面談したり、法務局や裁判所に足しげく通わないといけない関係上、会社員が副業として空き時間に司法書士業務を行ったり、あるいは在宅で仕事をするのに適しているとはいえません。

また、経済面から考えても、司法書士業務を行うために司法書士会に登録すると、会費や支部会費などの固定費が毎月数万円単位で発生しますので、それ以上の報酬を稼がなくては副業として成り立ちません。

このため、副業・在宅として司法書士業務を行っている人はほとんどいないようです。

ただ、司法書士業務で身につけた知識を用いて、インターネットのクラウドソーシングサービスから、法律相談などに関する専門記事の執筆案件を受注するといった働き方は可能かもしれません。