仕事体験談 主婦から日本語教師に。毎日が充実 回答者 : 美和さん(女性/31歳) 職業名 : 日本語教師現在の状態 : 現役経験年数 : 1年 仕事内容 現在、台湾の日本語学校の夜間コースで、非常勤の日本語教師をしています。社会人の中級者を対象に、会話を中心とした授業を行っています。 学生たちは、ある程度日本語を学生時代に習った経験がある人たちばかりで、中には日本人と一緒に仕事をしている人や、日本人と結婚されている人などがいます。 会話では、大人を対象のコースなので、話すトピックスはニュースや新聞の記事を取り上げて日本の社会について話しあう場面を作ってます。文法は受け持ちではないのですが、社会人学生が時間を削って通学しているので、学生要望に答える形で、文法についても触れるようにしています。 授業の復習のため、毎回、小問題テストと宿題を出します。宿題は、わたしが事前にプリントを用意しておき、それを事前学習に使ってもらっています。 対象者が会社員が多いので、あまり厳しく宿題チェックや授業はしていません。しかし、学生たちは熱意を持って勉強されているので、少しでも多く日本語を使うチャンスが回るように注意して指導を行っています。 仕事のやりがい わたしは、もともとは夫の仕事のため台湾に住むことになり、なんとなく日本語教師になってしまった主婦です。一応、アルクや日本語教師420時間コースを通信教育で勉強しました。 教師になりたいなんて考えたこともなかったのですが、海外に来て何の取り柄もない単なる主婦が仕事を得るには、何か日本語を使った仕事しかないと考え、日本語教師になることを目指しました。今、非常勤とはいえども、15人の学生に日本語を教えるようになって、毎日が充実しています。 教師という仕事は、人を育てて自分も成長できるすばらしい職業だと知りました。人前で話すのは、毎回、授業の前は緊張してしまうのですが、授業を始めてしまうと、学生たちと大笑いしてあっという間に1時間が終わってしまいます。 学生たちと、コースが無事に修了したら打ち上げパーティをしようと話しています。一生懸命に日本語を学ぶ姿に、もっとよい授業ができるようになりたいと奮闘しています。 覚悟しておいた方がいいこと 日本語教師になって、初めて現地の人たちと混じり合うことが出来たように思います。そして、自分が日本人なんだって、当たり前ですが思い知らされます。 自国の文化や歴史だけではなくて、相手の国のこともよく知る必要があります。授業の時に、学生たちから、戦争のことや植民地時代のことなど聞いて、自分が勉強不足だったことに気付かされました。 一見、同じアジア人で風貌が似ていて、言葉や文化が違うというだけのように思うのですが、現地の人たちと深く関わっていくと、ふと反日感情というものや日本人を見る目というものを感じることがあります。 初めは軽い気持ちで日本語教師をやっていましたが、学生たちとの対面から、これまで思いもしなかった奥深い人の感情というものにも触れて、歴史をもっと勉強しなくてはと思うこのごろです。 給料・待遇 お給料は、現地のお金で1時間200元から250元ぐらいです。台湾の賃金は地域差が大きいようです。 わたしの場合、現地で暮らしながら、この職に就きました。ビザの取得や住居の手配、日本語教師になるための渡航という手続きは一切ありません。週に4時間というアルバイトなので、よい待遇というものは期待していません。しかし、日本語教師としてプロとして働く機会を得られたことにはとても感謝しています。 少しずつ経験を積んでいきたいと思っています。給料や待遇よりも、今は学ぶことが多いので、授業をしてその対価が少しでも頂けるだけでうれしいです。わずかな収入は、教材や資料、本代などに消えていきます。 この職業を目指す人へのメッセージ とにかく、日本語を教えるとことは楽しいです。授業前の準備は時間のない中で、とても大変です。でも、学生たちの顔をひとりひとり思い浮かべながら、こうしたら分かってもらえるかな、どうしたら楽しい授業になるかな、毎晩、そんなことを考えながら授業の教材を作ったり、案を練ったりしています。 教師の仕事は、手作りなんだと思います。わたしは、自分が学生のときに、そんなに学校が好きではありませんでした。なぜなら、教師はいつも教科書を読みあげるからです。実際に、自分が日本語教師とはいえ、教師職に就いて、教科書を読みあげて学生指導することが手抜き授業で簡単だということが分かりました。 わたしも、まだ駆け出しの新米日本語教師ですが、学習者の興味を引き出すようなおもしろい授業を展開していきたいと思っています。 次の記事へ
学生たちは、ある程度日本語を学生時代に習った経験がある人たちばかりで、中には日本人と一緒に仕事をしている人や、日本人と結婚されている人などがいます。
会話では、大人を対象のコースなので、話すトピックスはニュースや新聞の記事を取り上げて日本の社会について話しあう場面を作ってます。文法は受け持ちではないのですが、社会人学生が時間を削って通学しているので、学生要望に答える形で、文法についても触れるようにしています。
授業の復習のため、毎回、小問題テストと宿題を出します。宿題は、わたしが事前にプリントを用意しておき、それを事前学習に使ってもらっています。
対象者が会社員が多いので、あまり厳しく宿題チェックや授業はしていません。しかし、学生たちは熱意を持って勉強されているので、少しでも多く日本語を使うチャンスが回るように注意して指導を行っています。
教師になりたいなんて考えたこともなかったのですが、海外に来て何の取り柄もない単なる主婦が仕事を得るには、何か日本語を使った仕事しかないと考え、日本語教師になることを目指しました。今、非常勤とはいえども、15人の学生に日本語を教えるようになって、毎日が充実しています。
教師という仕事は、人を育てて自分も成長できるすばらしい職業だと知りました。人前で話すのは、毎回、授業の前は緊張してしまうのですが、授業を始めてしまうと、学生たちと大笑いしてあっという間に1時間が終わってしまいます。
学生たちと、コースが無事に修了したら打ち上げパーティをしようと話しています。一生懸命に日本語を学ぶ姿に、もっとよい授業ができるようになりたいと奮闘しています。
自国の文化や歴史だけではなくて、相手の国のこともよく知る必要があります。授業の時に、学生たちから、戦争のことや植民地時代のことなど聞いて、自分が勉強不足だったことに気付かされました。
一見、同じアジア人で風貌が似ていて、言葉や文化が違うというだけのように思うのですが、現地の人たちと深く関わっていくと、ふと反日感情というものや日本人を見る目というものを感じることがあります。
初めは軽い気持ちで日本語教師をやっていましたが、学生たちとの対面から、これまで思いもしなかった奥深い人の感情というものにも触れて、歴史をもっと勉強しなくてはと思うこのごろです。
わたしの場合、現地で暮らしながら、この職に就きました。ビザの取得や住居の手配、日本語教師になるための渡航という手続きは一切ありません。週に4時間というアルバイトなので、よい待遇というものは期待していません。しかし、日本語教師としてプロとして働く機会を得られたことにはとても感謝しています。
少しずつ経験を積んでいきたいと思っています。給料や待遇よりも、今は学ぶことが多いので、授業をしてその対価が少しでも頂けるだけでうれしいです。わずかな収入は、教材や資料、本代などに消えていきます。
教師の仕事は、手作りなんだと思います。わたしは、自分が学生のときに、そんなに学校が好きではありませんでした。なぜなら、教師はいつも教科書を読みあげるからです。実際に、自分が日本語教師とはいえ、教師職に就いて、教科書を読みあげて学生指導することが手抜き授業で簡単だということが分かりました。
わたしも、まだ駆け出しの新米日本語教師ですが、学習者の興味を引き出すようなおもしろい授業を展開していきたいと思っています。