研究者にはどんな役割がある?

研究成果の社会還元

いつの時代にも、社会の発展の裏側には、優秀な研究者による画期的な発見があるものです。

自動車や電車、飛行機や宇宙船などの乗り物の発明は、人類が遠く離れた目的地に短時間で辿り着くことを可能にしました。

医薬品や医療器具、食品や飲料の開発は、健康的で豊かな暮らしをもたらしました。

また、文学や語学、哲学や史学の研究は、文化的で平和な社会をつくることに役立っています。

私達は、これまでに数え切れない研究者が画期的な発明や開発をしてくれたおかげで、便利で豊かな生活ができているわけです。

このように研究者が社会を良くするような貢献をすることを、「研究成果の社会還元」といいます。

研究というものは地道で地味な作業の積み重ねであり、思うような成果が出ない間は日の目を見ないまま長期間苦境に立たされることもあります。

しかし、ひとたび研究の成果が出たときには、人類の生活に大きな利益をもたらすものとなるのです。

研究者は自分が社会の発展のために重要な役割を担っていることを忘れずに、日々の研究に真摯に取り組むことが大切です。

科学の世界の倫理を守る

多くの研究者が真摯に研究に取り組む一方で、残念ながら科学の世界では一部の人間によるデータの改ざんや捏造、論文の盗用、無断転載などの不正行為がたびたび起きていることも事実です。

こうした不正行為は真実を歪められた研究成果の発表につながり、当然ながら、その内容は世間を不必要に大きく混乱させるものとなります。

近年では、日本でも「STAP細胞」の実験結果をめぐって大きな論争が巻き起こり、社会問題となりました。

こうした過ちが起きるのを防ぐために研究者がすべきことは、常に誇りと責任感、高い倫理観を持って研究に取り組むことです。

また、この世界はその専門性の高さから一般の人間が内容をチェックしたり疑問を持ったりしにくいという特徴があります。

研究者どうしで切磋琢磨しながら、ときには不正がないかどうかをお互いに目を光らせ合い社会に幸福をもたらすための研究を守ることも、研究者の使命のひとつです。

専門分野の「有識者」としての役割

国や自治体などでは、有識者として研究者を招集することがあります。

近年では、防災や都市計画などで研究者が活躍する場面が増えていますし、いじめや少子化などの社会問題でも研究者が有識者として活躍しています。

研究者が持つ専門知識を政策や対策などに反映することも少なくなく、研究成果以外にも研究者としての見識が問われる場面も多いのが特徴です。

学術振興への貢献

研究者の多くは、学会で研究した成果を発表しています。

それぞれの研究テーマにおいて学会が開かれ、同じテーマを研究している研究者が一堂に集まって研究成果を発表しあいます。

こうした活動は研究者ならではのもので、研究者であるからには学術振興に貢献する責務があるといえます。

ノーベル賞などに象徴されるような学術賞の多くも、こうした学術振興に貢献した功績から与えられるものです。