看護師の病院以外の勤務先・活躍の場

看護師は病院以外にも多くの勤務先・活躍の場がある

看護師の職場というと、多くの人が思い浮かべるのは大きな病院ではないでしょうか。

しかし実際には、看護師は病院以外でもさまざまな場で働いています。

厚生労働省「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」では、平成30年末現在の就業場所として以下の分類で、働く人の人数を発表しています。

実人員が多い順にまとめると、

・病院(863,402人)
・診療所(155,986人)
・介護保険施設等(89,270人)
・訪問看護ステーション(51,740人)
・社会福祉施設(18,897人)
・看護師等学校養成所または研究機関(16,867人)
・その他(8,091人)
・市区町村(7,139人)
・事業所(4,784人)
・助産所(190人)
・保健所(1,237人)
・都道府県(1,003人)

となっています。

出典:平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況

圧倒的に多いのは病院ですが、それ以外にも診療所、福祉・介護施設や企業(事業所)、市区町村や都道府県など、さまざまな活躍の場があることがわかります。

ここからは、病院以外のおもな勤務先・活躍の場について詳しく紹介します。

看護師の仕事内容

看護師の病院以外の勤務先・活躍の場の種類

診療所

病院と診療所は、どちらも病気や怪我の患者さんを診る医療機関ではありますが、明確な定義の違いがあります。

病院はベッドの数が20床以上ある医療機関、そして診療所は19床以下の医療機関を指し、まったく入院用のベッドを持たない診療所もあります。

診療所は、看護師の勤務先として病院に次ぐポジションです。

診療所は通称「クリニック」や「医院」などともいわれ、その特徴は病院に比べて規模が小さく、地域に根差した医療機関であることです。

いわゆる「かかりつけのお医者さん」として通う地域住民が多く、病院に比べて看護師と患者さんの距離感が近いです。

診療所によって、内科・眼科・整形外科など特定の診療科で診療を行うところもあれば、いくつかの診療科で複合的に運営するところもあります。

小さな診療所で働く看護師は数人以内、のケースがめずらしくないため、院長のそばで多岐にわたる業務を任されることが多いです。

介護保険施設

介護保険施設には、特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設、サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホーム、デイサービスなど、さまざまな施設があります。

とくに要介護の高齢者が利用する特別養護老人ホームでは、看護師の常駐が義務付けられており、病院以外の看護師の代表的な就職先のひとつとなっています。

このような施設は病院とは異なり、看護師は常に病気や怪我の診察介助をするわけではありません。

サービス利用者の急な体調不良などに対処できる体制を整え、安心して生活できるような環境づくりをします。

訪問看護ステーション

訪問看護とは、看護師が病気や障害、怪我などを抱える人の自宅を訪問して、主治医の指示や連携によって行う看護ケアのことを意味します。

具体的には患者さんの日常的な身体的・精神的なケアのほか、家族など介護者に対する相談・助言、病院への入退院に関する相談・支援などを行います。

訪問看護ステーションとは、この訪問看護サービスを提供する事業所のことです。

介護保険法に基づき、都道府県知事(または政令市・中核市市長)の指定を受けており、保健師または看護師が管理者となって運営しています。

訪問介護は、高齢化社会が進むにつれて需要が増しているサービスであり、看護師の勤務先・活躍の場としての割合も大きくなっています。

事業所

一般企業で働く看護師もいます。

よくあるのは、企業内の相談室や医務室において、従業員の急病時の対処や健康指導、メンタルヘルスを含めた健康相談にのったりするケースです。

産業医との連携や健康診断時のサポートなども行います。

ただし企業内に看護師を設置するのは大手企業が中心で、求人がさほど多いわけではありません。

市区町村、都道府県

市区町村や都道府県で働く看護師は、いわゆる公務員の立場になります。

公務員の看護師の身分は、さらに「地方公務員」と「国家公務員」に分かれます。

地方公務員の看護師の勤務先

・都道府県立、市町村立病院・診療所
・公立幼稚園・保育園・保育所
・地域の保健所や保健センター
・公立看護学校

など。

地方公務員としては、地域住民の健康管理を担う仕事が中心となります。

教員としての講習を受けることで、看護学校で学生の指導にあたることもできます。

国家公務員の看護師の勤務先

・自衛隊員としての看護師
・厚生労働省においての看護師技官

など。

国家公務員の看護師は、国の機関に勤務します。

なお、国立病院は現在は独立行政法人 国立病院機構によって運営されており、そこで働く看護師は「みなし公務員(準公務員)」の立場です。

なかには自衛隊など、一見、看護師とは関係のなさそうな場で活躍することも可能です。

自衛隊の看護師になるには? 仕事内容は?

その他

上記で挙げた場以外にも、民間の検診センターや美容クリニック、献血センターなどで、看護師が働いています。

あまり数は多くありませんが、あるいはテーマパークやレジャー施設など、多くの人が遊びに訪れる施設の救護室なども看護師の勤務先・活躍の場のひとつです。

さらに看護師資格と経験を生かし、JICAの海外協力隊として途上国支援の活動に携わる人もいます。

看護師の勤務先ごとの仕事内容の詳細は、以下のページで説明しています。

勤務先による看護師の仕事の違い