翻訳者(翻訳家)のつらいこと・大変なこと・苦労

翻訳者のつらいこと・大変なこと

語学の勉強と言葉のセンスを磨き続ける努力

翻訳はその性質上、学問の最先端の分野に携わることが多くあります。

まったくの新製品、文化であっても、日本ではほとんど知られていないことは珍しくありません。

該当の分野で不明なところやよくわからない部分があっても、日本語の文献では調べようがないケースも出てきます。

背景を知らず、正確に理解するためには翻訳以前の下調べと勉強に時間がかかりますし、一つの単語を明らかにするために何日間もかかるケースもあります。

つまり翻訳者の知的能力や言葉のセンスなどがダイレクトに反映されてしまうわけです。

読む日本語の対象者に誤った情報を伝えるわけにはいけませんし、医学の分野や機械の操作方法だと時にひどい事故さえも招きかねません。

誤った翻訳をしてしまっては、信用問題やその後の仕事の受注にもかかわってきます。

企業に所属していた場合は、その企業の信用さえ傷つけてしまうことになってしまいます。

常に勉強をし、文化や言葉のセンスを磨き続けなくてはならないのは、この仕事の大変な一面です。

表現・文化の差に関する苦労

翻訳作業はどうしても文化や言葉の差異によって悩まされることがあります。

現在の日本語には大量の英語や外国語がそのまま流入していることがありますが、外国語をそのまま使わないとニュアンスが表現できない、日本語にその概念がないといったことも影響しています。

日本文化の儀礼的な意味合いの話をそのまま外国語に訳すと理解できないと言われたり、誤解を招いたりするときもあります。

逆に、外国ならではの文化に関する話を、日本語に訳す場合も同じことがいえます。

翻訳では、そうした行き違いをなくすために、原文の意味を尊重しながら伝わるように内容を変えたり、意味中心の翻訳をしたりしなくてはなりません。

そこが翻訳者の腕の見せどころでもあり、苦労するところでもあります。

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翻訳者の悩み

外国語の文章を直接日本語に訳そうとすると、どうしても無理が生じてしまいます。

翻訳しようと思っても文章に合うふさわしい日本語がなかなかうまく出てこないこともあります。

シンプルな文章や、知っている単語だったとしても、日本語でもっとうまく伝わる表現はないかと、辞書を引いてヒントを探し続けることもあります。

頭ではどういうことかわかっていても、ひとつの文章にまとめるのは本当に大変で、納得できないうちは辞書や参考文献、はたまたインターネットまで駆使して調査に没頭してしまうこともあります。

外国語の習得は決して簡単ではありませんが、日本語の表現も十分に難しく、訳出しした文章でも助詞や敬語表現など、さまざまなことに配慮しなければなりません。

そのようなことを気になりだすと、際限なく悩み出してしまうことが翻訳者の職業病です。

言葉に敏感になるあまり、日常に使うちょっとした言葉や表現が気になったり、つい訂正したくなったりすることも少なくありません。

翻訳者を辞める理由で多いものは?

翻訳者のなかでも、とくにフリーランスの働き方を辞める理由として多いものは、仕事の不安定さと収入の低さが2大理由です。

企業などでしっかりと実績を積み、クライアントをいくつか持って独立したフリーランスは別として、これから経験を積み、クライアントを開拓して仕事を受けていこうとフリーランスになる翻訳者は、思うように仕事を受けられないこともあります。

仕事量が不安定であることや単価の低い単発の仕事をいくつも抱えていると、それをこなすことで精一杯になります。

なかなかブラッシュアップができず自分のスキルに自信が持てなくなったり、先行きが不安になって転職や就職などを検討するに至るケースも少なくありません。

しかし、語学力を生かした事務職や通訳など、翻訳者以外の仕事の選択肢もたくさんあります。

これは、語学の高度なスキルを持つ人にとっては強みになるといえるでしょう。