女性の保育士のキャリアパス・結婚後の生活

女性の保育士の現状

厚生労働省がまとめたデータによれば、平成25年の保育士登録者数は女性が1,136,000人に対し、男性は5万人となっています。

この数字を割合で表すと、女性が96%に対して男性はわずか4%であり、世間のイメージと同様、保育士は圧倒的に女性の活躍が目立つ職業ということがいえるでしょう。

最近では男性保育士も少しずつ増えていますが、保育士は女性が目指していきやすく、国家資格を生かして活躍できる職業のひとつといえます。

ただし、保育士の就職先や活躍の場にはさまざまなものがあり、働き方や勤務体系などもいろいろなパターンがあります。

どのような場所で仕事をしたいのかや、どういった目標を持って働いていきたいのかなどは、早いうちに考えておいたほうがよいでしょう。

女性の保育士の強み・弱み

女性の保育士の強み

保育士として働く人の大半が女性であることを見ても、保育士は、女性にとって働きやすい職業だといえるでしょう。

強みとしては、女性は子どもにやさしく語りかけたり、穏やかな雰囲気をもって接したりすることができる人が多く、子どもに安心感を与えやすいということがいえます。

また、保護者の母親と関わることも多く、同じ女性同士、コミュニケーションがとりやすいという強みもあるでしょう。

もし、自分が将来的に子どもを持った場合には自分の育児経験を保育士の仕事で発揮できますし、逆に、仕事で得た知識・技術を生活に生かしていくこともできます。

女性の保育士の弱み

弱みというほどではないかもしれませんが、保育士の仕事は体力を要する面もあり、その点に自信がない人は仕事に慣れるまで少々苦しい思いをするかもしれません。

また、保育士の職場では、同僚や先輩・後輩も女性ばかりということがほとんどです。

男性がたくさんいる場合とは異なり、女性ばかり集まると閉鎖的な雰囲気になってしまう職場もあるようです。

そこで、女性同士のうわさ話や陰口など人間関係の悩みを抱えてしまったり、一緒に働く仲間とうまくやれずに仕事がつらくなってしまうような人もいます。

女性がたくさんいるからこその楽しい面もあるのですが、いいことばかりとは限らないということは、頭に置いておいたほうがよいかもしれません。

保育士の結婚後の働き方・雇用形態

保育士の働き方は正社員以外に、契約社員や派遣社員、パート・アルバイトなど、さまざまなものがあります。

フルタイムで働くことが難しくても、パートタイムで短時間だけ働くという手段ことはできますし、自分のライフスタイルに合う働き方を選べば、結婚後も無理のない状態で仕事を続けることが可能です。

ただし、各保育園がどのような雇用形態で保育士を採用しているかは、園ごとに異なります。

結婚しても仕事を続けたい人は、事前にある程度、雇用形態別の求人情報などを調べておくとよいでしょう。

気を付けておきたいのは、正社員以外の雇用形態であっても、保育士として働くうえでは保育士の資格が必要になることと、子どもに対する責任は同じだということです。

雇用形態に関わらず、保育士として身につけた知識・技術を生かしながら、しっかりと子どもと保護者に向き合っていく姿勢が求められます。

保育士は子育てしながら働ける?

女性がなることが多い保育士ですが、出産をした人は、子育てしながら仕事を続ける人もいれば、仕事を辞めている人もいます。

一概にはいえませんが、とくに民間(私立)の保育園では、結婚・出産後に退職する保育士が多いようです。

一方、公務員として働ける公立保育園では、産休・育児休暇などの待遇が手厚く、子育てをしながらでも働きやすい環境があります。

ずっと保育士として働きたいと思うなら、公立の保育園の保育士のほうが続けやすいでしょう。

しかし、もちろん民間でも手厚い待遇が整っており、妊娠期間中から仕事内容や勤務時間などへの配慮があったり、子育てと仕事を両立させやすい保育園もあります。

将来、育児をしながら仕事を続けたいと考えているのであれば、就職活動のときに福利厚生が充実しているか、子育てしながら働いている保育士はいるか、ということも確認しておくことをおすすめします。

保育士は女性が一生働ける仕事?

保育士は、20代や30代前半など比較的若い年齢の女性が多く働いていますが、結婚・出産によって一度は仕事から離れたものの、しばらくして職場復帰する人もいます。

結婚・出産をすると、それまでとはまた違う視点で物事を考えられたり、子どもや保護者と接することもできるようになるものです。

保育園に大切な我が子を預ける保護者としても、人生経験豊富な保育士に保育を任せられることは、安心感や信頼感につながっていくでしょう。

また、長く働いてベテラン保育士になれば、リーダーや主任、さらには副園長や園長といった管理職・経営者を目指すことも不可能ではありません。

現実的に、長く働き続けるうえでは、勤務時間・休日・給料など、さまざまな課題をクリアしなくてはならないでしょうが、女性が一生やりがいを持ちながら働き続けることができる仕事だといえます。