保育士の配置基準とは?
保育士の配置基準とは?
保育園を運営していくうえでは、施設の広さや給食設備などに関する、さまざまな基準を満たすことが求められます。
その基準のひとつが「保育士の配置基準」と呼ばれるもので、これは厚生労働省による「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」に定められています。
そこで定められている保育士の配置基準は、下記のようになっています。
・0歳児:子ども3人に対し子ども3人
・1~2歳児:子ども6人に対し保育士1人
・3歳児:子ども20人に対し保育士1人
・4~5歳児:子ども30人に対し保育士1人
これに加えて、「定員90人以下の施設にあってはこの定員のほかに1人以上の保育士を配置しなければならない」「配置する保育士の数は、常時2人を下回ってはならない」という基準があります。
このような、国が定める基準をすべて満たした保育園は「認可保育所(認可保育園)」と呼ばれています。
上記は国が定めた基準ではあるものの、実際に保育をしていると、それぞれの月齢の子どもの人数に対して保育士1人で保育をするのは大変です。
そのため、実際には、多くの保育園で配置基準の1.5倍から2倍ほどの保育士を雇用しているのが現状です。
なお、地域によって保育需要は異なることから、自治体ごとにも配置基準は異なります。
ただし、自治体が配置基準を定める際にはあくまでも国の基準をベースに、それと同じ内容か、それ以上の質の基準でなくてはならないという決まりがあります。
無許可保育園の配置基準
認可保育所ではない「無認可保育所」では、最低基準などの守らなければいけない基準が原則としてありません。
施設側が独自の判断で保育園などの施設を運営しているため、この配置基準よりも保育士の人数が下回っている場合もあります。
保護者側からすると子どもの安全を徹底している認可保育園に行かせてあげたい気持ちが強いようですが、倍率が高かったり、待機児童が多かったりすることで、なかなか希望する保育園に行くことは難しくなっています。
そのため、無認可保育園に入園する人もいます。
先に書いたとおり、無認可保育園では保育士の人数が少ない場合もあるため、子どもを預ける側は気を付ける必要があります。
ただし、もちろん無認可保育園であっても、子どもを安心して預けられる信頼できる保育園は数多くあります。
配置基準の見直しも行われている
近年、ニュースなどで、保育所などに入れない「待機児童」に関する問題がしばしば取り上げられており、それにともなって保育士の配置基準についての見直しも検討されています。
そのひとつは、国より厳しい独自基準を設けている自治体に対して、国基準の範囲内での緩和を要請することで、待機児童を減らすための取り組みです。
また、おもに0~2歳児を預かる小規模保育施設では、定員を拡大するとともに3歳児の受け入れを促すことも検討されています。
さらに、保育士を最低2人配置するよう定めた国の基準を緩和し、子どもの少ない朝と夕方は保育士1人に加え、保育士資格がなくても所定の研修を受けているなどの人であれば働ける新たなルールも生まれています。
しかし、こうした配置基準の変更は保育士の負担を増やすのではとの議論もあり、今後も省令が随時改正されていく可能性があります。