仕事人インタビュー

お忙しい毎日の中で仕事以外の趣味はありますか?

趣味は読書くらいしかなくて……。面白味がなくてすみません。石井好子さんのエッセーは大好きです。太宰治の『女生徒』は昔読んで以来しばしば読み返していたり、あとは子供の頃から気に入っているムーミンシリーズは、最近文庫版を全巻そろえました。

お酒を飲みに行くのも好きですね。他には、書店イベントやセミナーに参加してみたり、秋葉原やコミックマーケットに通っていた時期もありました。

今は「論壇女子部」という部のメンバーでもあります。人文書を多くの人に読んでもらうことを目標に掲げているのですが、主に出版社、そして広告、IT企業……と会社の枠を超えた有志部員で、書店フェアや論客へのインタビュー、イベント取材などの活動をしています。

では、もし学生に戻れるとしたら何をしたいですか?

あまり戻りたいと思いません。クレッシェンドのように年々楽しさが増してきているので。それに、どんな時にもつらいこと、もうあんなに頑張れないなぁと思うこと、やり直したらこう運良くいかないかも…ということがあるので、どこかの時点に戻ってやり直したい気持ちはないですね。

いろいろな方とお会いするなかで、学生時代、もっと激しく勉強しておけば良かったと悔やむことは多いです。でも、戻ったところで自分の行動が変わるかは怪しいですし(笑)
これから勉強するしかないかな、と思っています。

あ、人生やり直し的な意味でなく自由な時間を与えられる、例えば一ヶ月だけ大学生に戻れるという趣旨の質問だとしたら、一人で何にも決めず、ふらふらとヨーロッパ旅行に行ってきます。

夢や目標はありますか?

経済学は一般の人にとって、どう世の中の役に立っているかわかりにくい学問かもしれません。

でも、たとえば今年2012年のノーベル経済学賞を受賞したのは、実際の社会制度の構築に応用することのできるマーケット・デザインの分野でした。

学問は机上の空論ばかりではないこと、そして知れば知るほど面白いものだということを、伝えていきたいと考えています。

専門家とビジネスマンを繋げる媒介になっていきたいです。私が出版局に配属されてから出会ってきたのが、素晴らしい研究者の方ばかりだからそう思えるのかもしれません。

今はまだ学問の世界への片思いのようなものですが、自分にできる限りのことを頑張っていきたいですし、まずは興味を持ってもらうための入口を一つひとつ作っていけたらと思います。

最後になりますが、これから編集者を目指す方にメッセージをお願いします。

出版業界を目指せば、出版不況という言葉が耳に入ってくるかもしれません。実際に売上が下がっているところではありますが、それを悲観していても仕方のないことです。

これからの出版の世界で自分に何ができるのか、前向きに考えてみて、希望が見えてきたら、ぜひ面白いことを一緒にやっていきましょう。

(取材・文:舟崎 泉美)