高卒・中卒から行政書士を目指せる?

高卒・中卒でも行政書士になれる?

行政書士試験に学歴制限はなし

行政書士になるためには、基本的に行政書士試験を受ける必要がありますが、同試験には受験資格がなく、高卒の人でも中卒の人でも、誰でも試験を受けられます。

また、試験自体の難易度も、司法書士税理士など、ほかの法律系資格ほど難しくはないため、大卒者などと比較した場合の「学歴によるハンデ差」は、そこまで大きくないといえます。

もちろん、相応の努力が必要なことには変わりありませんが、たとえ法律についてまったく学んだことがない高卒者や中卒者でも、行政書士試験に合格することは十分に可能です。

行政書士試験を受ける以外の資格取得方法

試験を受ける以外にも、国家公務員地方公務員として一定年数行政事務に携わると、行政書士資格を取得することができます。

国家公務員試験の場合は「一般職」、地方公務員試験の場合は「Ⅲ類」や「初級」といった名称で、高卒・中卒でも受けられる試験が実施されています。

それらを受けて公務員になり、高卒者は17年、中卒者は20年の業務経験を積むことで、行政書士資格を得るというルートも考えられます。

時間がかかってしまうことはネックですが、取得の確実性はかなり高いといえます。

高卒・中卒から行政書士試験に合格するには

学歴に関係なく誰でも目指せるとはいえ、行政書士試験の合格率は毎年10%前後という狭き門です。

合格率3%前後の司法書士などよりもチャンスが大きいことは事実ですが、合格するためにはしっかりとした対策が不可欠です。

民間の資格学校やスクールなどに通って、基礎から法律を学ぶことが望ましいでしょう。

すでに社会人として働いている人などでも、夜間に開かれている講座を受講することで、仕事終わりに勉強することが可能です。

また、経済的な事情や家庭の都合などで通学することが困難な場合であっても、完全に独学で挑むよりは、通信教育などを利用したほうがよいでしょう。

とくに高卒者や中卒者の場合は、法律既修者よりも余計に勉強時間が必要となるぶん、いかに効率を高められるかが合否を分ける重要なポイントとなります。

通信教育を利用したほうが、独学よりも要点をおさえた学習が可能であり、より行政書士資格取得に近づきやすいでしょう。

高卒・中卒から行政書士を目指す場合の注意点

登録は20歳まで待たなければならない

行政書士試験自体は何歳でも受験可能であり、なかには現役中学生や現役高校生の受験者もいます。

しかし、試験に合格しても、実際に行政書士としての業務を請け負うためには行政書士会への「登録」が必要であり、この登録は未成年ではできません。

このため、行政書士として働き出せるのは、最短でも20歳からである点には留意しておく必要があるでしょう。

10代のうちに行政書士資格を取得できた場合、「行政書士補助者」や事務員として行政書士事務所に勤め、実務経験を積みながら登録できるのを待つという道も考えられます。

就職時に不利に働く可能性がある

行政書士は独立開業型の資格ですが、まったく実務経験のないまま開業して自分の事務所をもつことにはかなりのリスクが伴います。

したがって、たとえ将来的に独立する意思があっても、資格取得後にはいったんどこかの事務所に勤めることが望ましいといえます。

ただ、就職活動に際して、高卒や中卒といった最終学歴がネックとなり、なかなか希望するところに就職できないという可能性もあります。

とくに行政書士事務所は少人数のところが大半であり、そもそも求人数自体が非常に少ないという問題もあります。

独立するための「修業期間」と割り切って、給料などの待遇面を妥協したり、あるいはアルバイトやパートとして就職したりすることも視野に入れないといけないかもしれません。

資格取得後も勉強し続けなくてはならない

たとえ資格を取得できたとしても、それはあくまで行政書士として必要最低限の知識を身につけたにすぎません。

行政書士の業務範囲は非常に広大であり、自身の手掛けられる案件の種類を増やしていくためにも、継続的な勉強は不可欠です。

大学で法律を学んでいた人と比べると、どうしても基礎知識で劣る高卒者や中卒者は、その分働きだしてから苦労することが多いかもしれません。

しかし、行政書士は専門知識の量や顧客を掴むための営業力などがものをいう実力主義の世界ですから、自身の努力次第では、大卒者より活躍することも十分に可能といえます。

一般的な会社員と比べると、行政書士は、学歴に関係なくフェアに競争できるといえるでしょう。