行政書士の働き方の種類とその特徴

行政書士の雇用形態

行政書士の働き方は、行政書士事務所などに勤めるケースと、自分で独立開業するケースの2パターンに大別することができます。

前者については、正社員、派遣社員、アルバイト・パートなど、多様な雇用形態で働く行政書士がいます。

行政書士は、経験や実績が重視される実力主義の世界であるため、たとえ行政書士資格を取得しても、実務経験がないと正社員として採用されにくいという事情があります。

そのため、まずはアルバイト待遇などで行政書士事務所などに勤め、行政書士としてのキャリアを積む人も大勢います。

また、後者についても、行政書士一本で働く人や、他士業とのダブルライセンス・トリプルライセンスで働く人、サラリーマンとして働きつつ副業で行政書士業務を行う人など、形態はさまざまです。

以下では、それぞれの働き方における特徴や待遇面などについて、比較しながらご紹介します。

正社員の行政書士

正社員の特徴

行政書士事務所は、少人数で運営しているところが大半であり、また複数の正社員を雇うだけの経済的余力に乏しいケースが多いため、行政書士の正社員は求人数自体が少ないという点が特徴的です。

正社員として採用された場合、ほかの職種と同じように残業などをこなしながら働くことになりますが、行政書士は業界全体としてそこまで残業がかさむことは少なく、家庭生活と両立しやすいでしょう。

休日についても、官公署に合わせて土日祝日を休みとする事務所が多く、ワークライフバランスを取りやすいといえます。

正社員の待遇

正社員の待遇は、個人のスキル次第で大きな開きがありますが、実務未経験者の場合は月給20万円~25万円前後が相場のようです。

無資格で一般企業に就職した場合の初任給とほとんど変わらない水準といえますが、あくまで「仕事のやり方を教えてもらっている」という見習いの立場であることを自覚し、謙虚さを忘れないことが大切です。

ある程度の実務スキルがあり、単独で案件をこなせるようになれば、月給30万円や40万円を得ることも十分に可能です。

派遣社員の行政書士

派遣社員の特徴

派遣社員の特徴は、基本的に残業が発生しないため、業務後の時間を自由に使えるということです。

結婚して家事や育児をする必要がある場合や、両親の介護をしている場合などは、正社員よりも派遣社員のほうが働きやすいケースもあります。

ただ、そのぶん雇用形態としては正社員と比べると不安定になり、雇用期間は数か月のところが大半ですので、数年単位で長期に働く必要がある人にはあまり向いているとはいえません。

なお、勤め先によっては、契約期間満了後に正社員に登用する制度を設けているところもありますので、募集条件をよく確認してみるとよいでしょう。

派遣社員の待遇

派遣社員の給料体系は時給換算が一般的であり、時給1200円~1300円前後、月給にして18万円前後のところが多いようです。

ほぼ残業手当も期待できませんので、収入面では正社員に及ばない可能性が高いでしょう。

ただし、行政書士資格に加えて、実務レベルの英会話能力があったり、他士業資格などがあったりすると、時給1500円~2000円前後の高時給が得られる可能性もあります。

派遣社員にこだわって効率よく収入を稼ぐなら、いずれかの業務のスペシャリストになり、専門性を磨く努力が必要になるといえます。

アルバイト・パートの行政書士

アルバイト・パートとして働く行政書士の事情はさまざまです。

将来的な独立開業を見据えた準備期間として、実務経験を積むために働く人もいれば、専業主婦が合間の時間に資格を生かして働くというケースもあります。

また、アルバイトやパートであれば、行政書士資格がなくても採用するという事務所もありますので、資格取得を目指しながら働くという人も少なくありません。

待遇面についてみれば、地域によって多少の差があるものの、時給900円~1000円前後からスタートすることが一般的であり、行政書士だからといって特別に高給が望めるわけではないようです。

独立開業する行政書士

行政書士は独立開業型の資格ですので、自分の事務所を経営する行政書士は大勢います。

しかし、近年は事務手続きの簡素化・電子化が進み、行政書士需要が減りつつある一方、資格保有者は一貫して増え続けており、行政書士事務所間の競争は徐々に厳しくなっています。

このため、稼げる行政書士と稼げない行政書士の二極化が進んでおり、年収1000万円を得ている人がいる一方、大半の行政書士は年収500万円に満たず、食べていくのがやっとという人も珍しくありません。

独立して成功するためには、経営センスやマーケティングスキルに優れていたり、あるいは司法書士や社労士など、他の士業資格とのダブルライセンスで事務所を経営することが必要といえます。

副業・在宅の行政書士

一般企業などにサラリーマンとして働きながら、休日に限定して行政書士業務を行うことも可能です。

副業行政書士のなかには、いずれ脱サラして行政書士を本業にする心積もりがあるものの、いきなり独立するのはリスクがあるため、生計を立てられるかどうか、まずは副業で実験してみるという人もいます。

行政書士業務を行うにあたって、オフィスを借りたり、特別な機材を購入する必要などはありませんので、勤務している企業に副業禁止規定さえなければ、副業を始めること自体はさほど難しくないでしょう。

しかし、実際に副業として行政書士業務を行うのは、時間的な制約などもあって、なかなかうまくいかないケースも多いようです。