補償のための鑑定評価

公共事業の補償に使われる

国や都道府県、市町村などがおこなう公共事業には、土地の取得や建物の移転が必要不可欠です。とくに都心部や主要都市でおこなわれる道路の新設などでは、かなりの数にのぼり、土地を取得する交渉が難航しがちです。

そこで、「補償基準」というものに基づいて、お役所の担当者の方々は交渉をおこなうのですが、やはり事業主サイドの人間がおこなったものでは納得しないといった場面が出てきます。

そこで、不動産鑑定士による鑑定評価が活用される場合があります。不動産鑑定士は、専門的職業家としての公平性や公正さを求められておりますので、地権者や地主を説得させるのに最適といえるのです。

地下鉄の新設などでは専売特許状態

地下鉄を地下にとおす場合地上での重量が制限されますが、これについては事業主と地権者とのあいだで一定の契約を締結し、区分地上権という特殊な権利をつけます。

この場合、その権利を付けるのに相応の対価(権利金)が必要となってきますが、この算定は非常に難しいものです。

というのは、たとえば本来10階建てまで可能な土地であるにもかかわらず、地下鉄がとおったことによって4階建てまでしかできないとなると、その分の土地の利用価値は下がってしまうわけです。

この利用価値が下がる分をきちんと鑑定評価して、地権者に対して権利金というかたちで補償することになるのですが、かなりむずかしいものになります。そのため、このような鑑定評価ができる方は限られてきます。

また、同じような事例として電力会社による高圧線もあります。

この場合は高圧線のボルト数によって制限される範囲が異なってきますし、電磁波の影響などの心理面での悪影響もかんがえる必要があるため、こちらも難易度の高い鑑定評価(補償)になるのです。