大学職員の海外対応、グローバル化

国家戦略で増え続ける、海外協定校への交換留学生

平成25年6月に閣議決定した「第2期教育振興基本計画」では、2020年を目途に日本の海外留学生数を倍増(大学等:6万人から12万人)させるという方針が発表されました。

この計画の実現に向けて交換留学や協定校での現地研修・実習のための留学が重視されています。

協定校留学をした学生の数は、約10年前の2004年には18,570人、2008年に24,508人、2013年には45,082人にまで増えました(独立行政法人日本学生支援機構調べ)。

留学生増加の経営的背景

このように協定校留学が増える背景には、国策であるという以外に大学の経営上の課題もあります。

大学を取り巻く大きな課題に「少子化」と「大学全入時代」が挙げられます。

将来、日本人学生の志願者が少なくなるので、生き残りをかけて何としてでも留学生を増やして学生数を維持したいという、大学側の思惑があるのです。

海外の大学と交換留学の協定を結べば、海外から留学生が入ってくれるうえに、日本人学生がその大学に留学することもでき、留学生倍増という国の目標にも合致するというわけです。

では、このような「留学生倍増」の流れを受けて、大学職員に求められる役割について挙げていきましょう。

海外に留学する学生を支援する取り組み

文部科学省は、留学の意欲ある学生に対して、経済的負担を軽減する措置を大学に求めています。

そこで、各大学では「学内奨学金制度」や「宿泊費・滞在費等の支給」「留学期間中の学費の減免制度」などを用意しています。

また、支援策とあわせて、姉妹校締結や海外の大学と単位互換の取組等、大学の教育環境整備を進めることなども課題といわれています。

これに対しては、学部ごとに留学単位互換用科目を定めたり、語学の必修科目との単位互換を認めたりといった措置が設けられています。

海外留学の盛んな大学では、留学相談専任の職員の配置や、プロの留学カウンセラーを中途採用するほど支援を充実させている大学もあるのです。

勤務校にどのような留学形態があり、期間や費用、単位互換有無はどうなっているのか、大学職員は把握しておく必要があるのです。

海外からの留学生を支援する取り組み

2014年現在、外国人留学生の約9割が学位取得生で、大学に在籍する留学生の約7割が、国内の日本語学校や専門学校、短大などを経て進学・編入した学生たちです。

大学は、日本語学校ほど日本語の基礎教育が充実していないため、日本語で行われる授業が理解できる学生に限り、受け入れているケースが多いのです。

言葉の問題はある程度クリアできているにしても、住居や学生間国際交流など留学生ならではの支援策が、職員に求められます。

また、短期の交換留学生の受け入れが増えると、日本語の理解力が不十分な学生も多くなってきます。

そこで、夏期など交換留学生の多い期間には、英語だけで授業を行う科目を設け、交換留学生の便宜を図ると同時に、日本の学生にもその科目を履修させて留学準備に役立ててもらうなどの取り組みが始まっています。

そのような特別科目に限らず通常の開講科目も、学位取得生、交換留学生を問わず、外国人留学生が履修にやってきます。

通常科目は日本語が理解できることを前提に履修してもらうので、英語で対応するなど特別扱いは不要ですし、学生が言葉の壁を言い訳にすることは許されていません。

とは言え、時間に対する考え方が違ったり、日本人とは異なる自己主張をしたりする学生もいますから、文化的な違いをよく把握したうえで、日本式の時間管理を指導していく必要があるのです。

とくに日本での就職をめざす学生に対しては、日本社会のルールを大学生のうちに理解してもらうことが将来、本人のためになるという意識で指導することが大切ではないでしょうか。