旧帝大 文学部 国文学科の口コミ
国文学科を目指した理由
中学時代に太宰治の『人間失格』を読んでからというもの日本文学に傾倒し、大学でもっと色んな作家について専門的に学びたいと思ったからです。
また、作品を読むだけでは分からない、文学史全体の俯瞰への興味もありました。
国文学科で学んだこと・役に立っていること
文学がビジネスに役に立つとは、学生の頃は思っていませんでしたが、海外の経営者の方とお話しした時に、日本の作家の話題で盛り上がった経験があり、日本人としての教養をつけることができたのだと感じました。
即効性のある知識としては、難読漢字を読みこなせるようになります。
国文学科の雰囲気
男女比は2:1くらいで、英文学などの方が、女子には人気があったようです。
学生は、文学研究に熱心な大人しめのタイプと、必要な単位だけとってあとはアルバイトやサークル活動に励むタイプとに、二極化していました。
国文学科の楽しかったところ
和本や崩し字について学ぶ短期講座があり、史的価値が非常に高い江戸時代の文献に素手で触れることができて、感激した思い出があります。
また、純文学の作家の名前を口に出すと敬遠されることが多いですが、研究室では同じ文学好き同士、気兼ねなく話せたのが、何より楽しかったです。
国文学科のつらかった・大変だったところ
研究に使うものが全て文献(作家の手記や原稿も含めて)であり、紙の書物は重量があるため、それらを持ち運ぶのに常に難儀していました。
図書館と研究室との往復がつらかったです。
また、研究室の大部分を本が占めているため、小さな地震にもヒヤリとしていました。
国文学科の卒業後の就職先・進路
私自身はIT系の会社に就職しました。
他の学生は、金融や教育系企業への就職が多かったです。
国文学科の就職先は、出版社が多いと思われがちですが、出版社は採用人数が少ないため、皆はじめから分野にはこだわらず、広い視野で就職活動を行っていたようです。
卒業後の所感・メッセージ
あんなに大量の、しかも貴重な文献に触れて好きなことに没頭できる期間というのは、今思えば大学時代だけでした。
実社会で役に立つことは、私のように実際に社会に出てから学ぶ人間も多いです。
大学を卒業してから振り返った時、「豊かな時間を過ごせた」と思えるよう、自分の興味や好奇心に正直な学部選択を行うことを、おすすめします。