調理師の就職先にはどんなところがある?

調理師の勤務先の種類

調理師の勤務先にはさまざまな選択肢があります。

調理師が活躍する場としてまず挙げられるのが飲食店です。

日本には、和食や洋食をはじめとした世界各国の専門料理店があります。

老舗の料理店からファミリーレストランまで各地にさまざまなスタイルの飲食店があり、調理師はそれぞれの場所でおいしい料理を提供しています。

飲食店のほかにも、ホテル・旅館などの宿泊施設や、病院、介護施設、学校などでも調理師が活躍しています。

なかには独立して自分の店や料理教室を開く調理師もいます。

調理師として働く場所が変われば、勤務時間や料理の方法や量、仕事内容も異なってきます。

それぞれの仕事内容を具体的に見ていきましょう。

調理師の仕事内容

飲食店で働く調理師

調理師の勤務先として最も多いといえるのが、飲食店です。

ひと口に飲食店といっても、日本料理や西洋料理、中華料理、エスニック、イタリアンなど料理のジャンルは多岐にわたり、店によって提供するメニューも異なります。

店の形態も多種多様で、大手チェーン店や高級レストラン、個人経営の小料理屋など、それぞれの場所で調理師が活躍しています。

飲食店での仕事内容は、調理や盛り付けだけでなく、食材の仕入れや仕込み、メニュー開発、皿洗い、店内の掃除などがあります。

また、調理師が自ら接客をすることもあります。

ホテル・旅館で働く調理師

ホテルや旅館などの宿泊施設も、調理師の就職先としては代表的です。

ホテルのランチバイキングやディナーのコース料理、婚礼用のパーティー料理、旅館の部屋食、宴会場での会席料理などの調理に携わります。

ホテルや旅館の厨房は規模が大きめで、大勢の調理人が所属しています。

前菜、メインディッシュ、デザートといったような担当業務ごとにセクションが分けられており、それぞれの持ち場で調理にあたります。

ホテルや旅館の厨房は上下関係の面でもかなり厳しい職場といわれており、修行を積んで実力をつけ、独立を果たす調理人も大勢います。

学校や介護施設の給食室で働く調理師

学校や介護施設のようなたくさんの人が集まる大きな施設では、「大量調理」「集団調理」といった、一度に大量の調理をおこなうのが特徴です。

あらかじめ管理栄養士や栄養士が作ったメニューに沿って調理をし、鍋などの調理器具も大量調理向けの大型のものを扱います。

アレルギーやカロリーなどの制限にも注意する必要があります。

学校や介護施設の調理師は、飲食店のように接客やメニュー開発を行うことはほとんどなく、調理そのものに携わるのが仕事です。

病院で働く調理師

病院では、入院患者さん向けに給食を作って提供するために、多くの調理師が活躍しています。

管理栄養士や栄養士があらかじめ作ったメニューに従って、患者さんの健康をサポートするための食事を、朝、昼、晩と交代しながら作ります。

病院では、糖尿病患者さん向けのカロリーを控えた食事、嚥下が難しい患者さん向けの流動食など、メニューの種類はいくつにも分かれ、また大量に調理をすることになります。

病院の調理師は、その日に提供する食事はその日に調理していき、決められたシフトに沿って働くために残業はめったにありません。

同じ調理師でも、飲食店勤務の調理師とは仕事内容や働き方に違いがあるといえます。

病院の調理師として働くには

病院の調理師は、各病院に直接雇用される場合もあれば、給食委託会社に所属して派遣のような形で勤務することもあります。

また、雇用形態は正社員(正職員)としての採用のみならず、パートとしての勤務も可能です。

パートの場合、正社員が調理する料理の調理補助や盛り付け、洗い場などの業務を担当することが多いようです。

採用条件は病院などによって異なりますが、調理師免許の保持が掲げられていることが一般的です。

病院で働く調理師のやりがいと苦労

病院の調理師にとっての一番のやりがいは、患者さんから「おいしかった、ありがとう」の声が聞けたときだといいます。

また、病院では栄養士、調理師、その他の従業員など、多くのスタッフが協力・連携して給食を提供するため、チーム一丸となって頑張ることにやりがいを感じる人もいるようです。

一方、苦労する点といえば、大量調理になるため体力勝負の一面があることです。

大きな鍋を持ったり、重い食材を持ち運んだりすることも多く、考えている以上に身体の疲れを感じるかもしれません。

また、給食は年間を通じて提供するため、ゴールデンウィークやお盆など世間の連休時に休みにくいというのも大変なところです。

料理教室や調理学校で働く調理師

調理師のなかには、料理教室の先生や調理学校の講師として調理技術やおもてなし術などを教えている人もいます。

クッキングスクールや調理師専門学校に就職したり、いくつかの学校講師を兼務したり、自ら料理教室を開いたりといった働き方があります。

調理師免許とともに栄養士の資格を取得すると講師になる際にスキルの証明となり有利でしょう。

また、実力がついて人気が出れば、料理本の出版や料理番組への出演など、活躍の幅も広がります。

料理の先生になるには、料理が好きであることだけでなく、オリジナルメニューを開発する創造力や、たくさんの生徒と接するためのコミュニケーション能力なども必要です。

独立・開業して働く調理師

調理師は、実力をつければ独立・開業して働くことができます。

実際に多くの若手調理師たちが、将来自分の店を持ちたいという夢に向かって修行の日々を送っています。

調理師が独立して自分の店を持つには「食品衛生責任者」という資格が必須となりますが、調理師資格を持っていればあらためて取得する必要はありません。

また、調理師が飲食店を開くには、料理の腕だけでなく独立開業の知識やノウハウも必要です。

資金があれば飲食店の開業は難しくありませんが、実際に長く生き残れるのはごくわずかという厳しい世界です。

そのため、独立支援制度が用意されている飲食店に勤めて開業のノウハウを学んだり、専門学校やスクールに通って独立を目指す人向けのコースを受講したりする調理師も多いです。