弁理士になるための学校と費用(大学学部・専門学校・スクール)

弁理士になるための学校の種類

弁理士試験は、学歴などに関係なく誰でも受験することができますので、たとえば弁護士になる場合とは異なり、どこか特定の学校に通わないといけないわけではありません。

しかし、弁理士試験は毎年の合格率が1ケタに届かない非常に難易度の高い試験であり、問われる知識レベルが非常に高度であることもあって、実際の受験者は大卒者・院卒者が大半を占めます。

さらに、特許事務所などに就職する際も、採用を大卒者以上に限定しているところが多く、学歴が必要になるケースは少なくありません。

従って、学歴不問とはいえ、大学などで専門的に学ぶことが望ましいのは間違いないでしょう。

また、大半の受験者は、大学とは別に、民間の資格専門学校やスクールなどに通って、弁理士試験に精通した講師からの指導を受けながら合格を目指しています。

社会人として働いており、仕事の都合で通学することが困難だったり、あるいは地方に在住していて近隣に学校がない人については、通信講座を利用して自宅で学習を進めるケースが一般的です。

弁理士になるためには、大学や予備校など、さまざまな学校を複合的に利用することが必要といえるでしょう。

弁理士になるには

弁理士になるための大学

文系・理系の選択

毎年特許庁から発表される合格者の統計情報をみれば、最も割合が多いのが東京大学、次いで京都大学、大阪大学となっており、受験者のレベルの高さがうかがえます。

また、学部の出身系統について着目すると、8割以上が理系出身者を占めていることが特徴的です。

これは、特許の多くが科学技術や工業技術と密接に結びついているため、かなり専門的な理系知識がないと新規出願手続きなどの実務を手掛けられないということが大きく関係しています。

物理工学や機械工学について修士課程・博士課程まで修めると、弁理士試験の当該試験科目が免除されるというメリットもあります。

もちろん、文系出身者であっても弁理士になることは十分に可能ですが、その場合は特許よりも意匠(デザイン)や商標登録、あるいは訴訟問題などを扱う事務所に勤めるケースが多くなります。

これから文系・理系選択を控える人については、将来的な働き方まで視野に入れて進路を検討するとよいでしょう。

学部・学科の選択

弁理士業務に関連性のある学部としては、理系であれば理工学部のバイオテクノロジー系学科、情報工学科、医用工学科など、文系であれば法律系学科、外国語系学科、知的財産系学科などが挙げられます。

実務に直結するのは知的財産系学科ですが、設置されている大学は決して多くありませんので、実務で求められる知識を身につけるためには、理工学部への進学が第一選択肢となるでしょう。

その場合、技術者や研究者として企業に勤めることも可能ですので、働きながら資格取得を目指すという道もあります。

同じように、法律系学科に進んだ場合、弁護士になることを並行して目指すという人も少なくありません。

あるいは、外国語学部に進学して、近年増加傾向にある国際出願を手掛ける弁理士になるという選択肢も非常に有効といえるでしょう。

学費についてはかなり幅があるため一概にいえませんが、1年間で100万円ほどが目安となります。

弁理士になるための専門学校・予備校

弁理士を目指せる専門学校としては、法律専門職コースや司法試験コース、会計ビジネスコースなどを設置している学校があります。

しかし、それらは司法書士試験や行政書士試験、国家公務員採用試験などの対策を総合的に行っているところが大半で、弁理士試験の対策だけに焦点を絞っているわけではありません。

このため、明確に弁理士への志望が固まっている人については、専門学校よりも資格学校の全日コースを選ぶケースが一般的です。

LECやTACといった大手予備校のほか、弁理士試験対策のみに特化している代々木塾なども選択肢となるでしょう。

大学に加えて予備校にも通う「ダブルスクール」で試験勉強に励む人や、仕事終わりに予備校の夜間コースに通う社会人も大勢います。

ただし、費用は1年間で30万円~50万円前後と決して安くはないうえ、東京・大阪・名古屋といった大都市圏にしか学校がない点がネックとなります。

弁理士試験合格者の平均受験回数は3回~4回前後となっており、ある程度長期戦を覚悟して臨まなければなりませんので、百万円単位の学費が必要となるでしょう。

弁理士になるための通信講座

昨今はIT技術が急速に発展していることもあり、スマートフォンやパソコンを利用して、自分の好きな場所で通信講座を受講する人も増加傾向にあります。

基本的には、録画した講義をwebやDVDで視聴する形式となりますが、ライブで配信される講義を視聴する「オンライン予備校」と呼ばれる形式の講座もあります。

通信講座は、通学制予備校よりもコスト面を抑えられることがメリットであり、学費は10万円~20万円前後が相場となっています。

ただし、つらく厳しい受験勉強を一人で乗り切るためには、自分を律する強靭な精神力が求められますので、通信講座には個人によって向き不向きがあるといえるでしょう。

独学

どの学校にも通わず、独学だけで弁理士試験合格を目指すという道もあります。

独学の場合、必要となる費用はテキスト代だけで済みますので、通信講座を受講するよりもさらに経済的負担は軽くなるでしょう。

ただし、弁理士試験は知識を丸暗記すれば突破できるというやさしいものではなく、法律解釈や各種専門科目についての深い理解が必要です。

また、二次試験となる論文式試験は、自分で書いた文章を自分で添削しなければならない独学の場合、そもそも対策が難しいという問題点もあります。

独学で弁理士試験に挑むなら、かなりの困難が待ち受けていることを想定しなければならないでしょう。