弁護士の勤務先と仕事内容の違い

弁護士の勤務先の種類

弁護士は、法律事務所に勤める人が圧倒的多数を占めます。

しかし、ひとくちに法律事務所といっても、それぞれに異なったカラーがあり、事務所の大きさも対象顧客も得意とする分野もさまざまです。

数百人の弁護士を抱え、大規模に事業を展開している弁護士法人もあれば、弁護士は代表者一人だけで、債務整理や相続など、特定分野だけに限定して事業を行っている小さな事務所もあります。

また、弁護士過疎地をなくすために日弁連が運営しているひまわり公設事務所や、国が出資している法テラスといった組織も有名です。

さらに、法律事務所以外にも、一般企業や中央省庁、地方公共団体に就職する人もおり、近年は会社員や公務員として働きつつ資格を生かす「組織内弁護士」も増加傾向にあります。

そのほか、大学や大学院に勤めるケースもあり、弁護士の勤務先はさまざまな選択肢があるといえるでしょう。

弁護士白書2018 弁護士の活動領域の広がり
弁護士の仕事内容

法律事務所で働く弁護士

法律事務所で働く弁護士の仕事は、まず法律相談が挙げられます。

時間単位の報酬で、一般市民からの相談に応じる事務所もあれば、顧問契約を締結している企業からの相談のみに応じるという事務所もあり、そのスタイルはさまざまです。

抱えているトラブルを解決するために、アドバイスだけでなく法的対応が必要と判断される場合は、依頼者と代理人契約を締結し、各種書類を作成したり、示談交渉を行ったり、損害賠償を請求したりします。

相手方との話し合いで決着がつかない場合は、訴訟手続きを行って、法廷で争います。

なお、裁判というと、ドラマなどでよく取り上げられる刑事裁判のイメージが強いかもしれませんが、実際は民事裁判を手掛ける法律事務所が大多数であり、刑事裁判を請け負う弁護士は少数派です。

一般企業・公的機関で働く弁護士

全国でおよそ4万人いる弁護士のうちの約2500人、割合にしておよそ5%ほどの人が、一般企業の法務部や官公署といった組織で働いています。

数としては決して多くありませんが、近年は法律事務所の就職競争が激しくなっていることもあって、企業に就職する弁護士の数は急速に伸びており、ここ10年で10倍近くに増加しています。

組織内弁護士の仕事内容は、事業運営における法的アドバイスや、契約書のチェック、社員へのコンプライアンス教育、訴訟する際・訴訟された際の対応、顧問弁護士とのやり取りなど、多岐にわたります。

弁護士資格を保有していると、基本給に加えて資格手当が付与されたり、責任ある役職を任されたりと、ほかの社員より優遇されるケースが多いようです。

教育機関で働く弁護士

大学の法学部や法科大学院、あるいは司法試験予備校などで、学生に対する教育を行う弁護士も一定数います。

教授職などに就き、専任で学生への指導だけにあたる人もいれば、法律事務所と兼務し、弁護士の本業のかたわらに、非常勤講師として週にいくつかのコマを受け持つ人もおり、その働き方はさまざまです。

また、若手の弁護士が、法科大学院の学生をフォローする「チューター」をしたり、司法試験の模試や司法修習試験などの採点アルバイトをすることもあるようです。

独立して働く弁護士

弁護士は、単独で、またはほかの弁護士と共同で、法律事務所を経営する人も少なくありません。

近年は若手弁護士の早期独立が目立っており、司法修習を終えて弁護士登録した後1~2年で独立する人も多く、なかには修習終了後すぐに独立する人もいるようです。

独立している場合、弁護士としての業務に加えて、営業活動や人事管理、経理処理といった経営者としての業務も平行して手掛けなければならない点が特徴的です。

また、近年は弁護士数が急増していることもあって、都市部を中心として法律事務所は飽和状態にあります。

アピールポイントをつくって他者との差別化を図らなければ、たくさんの事務所のなかに埋もれてしまいますので、成功するには経営者としての手腕がより重要になっているといえるでしょう。