財務専門官採用試験の難易度・倍率・合格率

財務専門官採用試験とは

財務専門官採用試験とはその名の通り、財務専門官になるための試験です。

国家公務員試験の一種で、試験の分類は専門職試験にあたり財務専門官になるためには必ず受験しなければいけない試験です。

ちなみに財務専門官に類似した職種の国税専門官になるための国税専門官採用試験も専門職試験の一つです。

財務専門官に中途採用はなく、新卒者以外でも財務専門官採用試験を受験しなければいけません。

受験資格は後述しますが、22歳~30歳(試験年度に30歳の人)であれば学歴に関係なく受験できるため、一度就職している社会人の人でもチャンスはあります。

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財務専門官採用試験の受験資格

財務専門官採用試験には年齢による条件と学歴による条件があります。

分かりやすく説明するため、2023年度の受験資格を例にします。

<2023年度 財務専門官採用試験の受験資格>

  1. 1993年4月2日~2002年4月1日生まれの者
  2. 2002年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの

(1)大学を卒業した者および2024年3月までに大学を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
(2)短期大学または高等専門学校を卒業した者および2024年3月までに短期大学または高等専門学校を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者

参考:人事院 財務専門官採用試験

まず「1.1993年4月2日~2002年4月1日生まれの者」ですが、要するに試験年度に22歳~30歳になる人に受験資格があるということです。

この年齢内であれば学歴に関係なく受験できるので、高卒の人でも受験できますし、社会人の人も財務専門官を目指せますが、大卒程度の学力は必要になります。

次に「2.2002年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの」は要するに試験年度に21歳になる学生を対象にした受験条件です。

大学の場合、ストレートに進学していれば卒業前なので卒業見込みが条件となり、短大や高等専門学校(高専)に進学した人は卒業している人もいるので、卒業または卒業見込みが条件ということです。

財務専門官採用試験の難易度・勉強時間

財務専門官採用試験の難易度ですが、一つの指標として近年の合格率を紹介します。

財務専門官採用試験の合格率

・2022年度
2501名の申し込みに対し、最終合格者は632名で合格率は約25%

・2021年度
2503名の申し込みに対し、最終合格者は597名で合格率は約24%

・2020年度
2796名の申し込みに対し、最終合格者は560名で合格率は約20%

これは財務専門官採用試験の最終合格者ですので、ここから採用面接に進み、さらに人数が絞られます。

参考:人事院 財務専門官採用試験

採用面接の合格率

・2022年度
最終合格者は632名に対し、採用は167名で合格率は約26%

・2021年度
最終合格者は597名に対し、採用は146名で合格率は約24%

・2020年度
最終合格者は560名に対し、採用は144名で合格率は約26%

参考:財務局 財務省財務局採用サイト

最終合格者全員が採用面接を行うとも限りませんので、上記数値はあくまでも参考程度にとらえてください。

数字を見ても分かるように、最終合格者でも30%前後の通過率であるため、かなり難易度は高いといえるでしょう。

そのため、相当な勉強時間をさいて試験に臨む必要があります。

財務専門官採用試験は第1次と第2次に分けられており、第1次は筆記試験で第2次は人物試験(個別面接)、最終合格者だけが進む採用面接もあり、学力だけでなく、面接への対応も必須といえるでしょう。

人事院の採用ページには過去問題が公開されていますし、問題集も多数市販されています。

また資格スクールや予備校などでも財務専門官採用試験の対策コースを開講しているので、場合により活用するのも合格率を上げる方法です。

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財務専門官採用試験の合格率

財務専門官採用試験申込者数

財務専門官採用試験の申込者数は、やや年によってばらつきがあります。2022年度の申込者数は2,501人でした。

財務専門官採用試験申込者数の推移_2022

財務専門官採用試験合格倍率

財務専門官採用試験の合格倍率は、2012年度は合格者数が少なかったため高くなっていましたが、2022年度は4.0倍に落ち着いています。

財務専門官採用試験合格倍率の推移_2022

2022年度の最終合格者数は632人、うち女性は281人で、女性比率は44.5%となっています。なお、財務専門官の採用予定人数は170人となっています。

最終合格者は、1年間有効の「採用候補者名簿」に得点順に記載され、この名簿の中から採用状況を考慮して、全国の財務局および福岡財務支局に採用されます。

そのため、たとえ最終合格者に選ばれても、必ず財務専門官になれるわけではない、という点は注意が必要です。

2023年度 財務専門官採用試験の概要

試験日 ・第1次試験:2023年6月4日(日)
・第2次試験:2023年7月3日(月)~7月6日(木)
試験地

第1次試験

札幌市、盛岡市、仙台市、東京都、新潟市、静岡市、名古屋市、金沢市、京都市、大阪市、松江市、岡山市、広島市、高松市、松山市、福岡市、熊本市、鹿児島市、那覇市

第2次試験

札幌市、仙台市、さいたま市、名古屋市、金沢市、大阪市、広島市、高松市、福岡市、熊本市、那覇市

受験資格 1.1993年4月2日~2002年4月1日生まれの者
2.2002年4月2日以降生まれの者で、次に掲げるもの
(1)大学を卒業した者及び2024年3月までに大学を卒業する見込みの者
(2)短期大学又は高等専門学校を卒業した者及び2024年3月までに短期大学又は高等専門学校を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者
試験科目

第1次試験

◇基礎能力試験(多肢選択式)
公務員として必要な基礎的な能力(知識及び知能)についての筆記試験
出題数は40題
知能分野 27題
文章理解11、判断推理8、数的推理5、資料解釈3)
知識分野 13題
自然、人文、社会13(時事を含む。)

◇専門試験(多肢選択式)
財務専門官として必要な専門的知識などについての筆記試験 出題数は40題
<必須>
2科目28題 (憲法・行政法、経済学・財政学・経済事情)
<選択>
次の8科目(各6題)から2科目選択12題解答
民法・商法、統計学政治学社会学、会計学(簿記を含む。)、 経営学、英語、情報数学情報工学

◇専門試験(記述式)
財務専門官として必要な専門的知識などについての筆記試験
次の5科目(各1題)のうち1科目選択 憲法、民法、経済学、財政学、会計学

第2次試験

◇人物試験
人柄・対人的能力などについての個別面接

合格発表 ・第1次試験:2023年6月27日
・第2次試験:2023年8月15日
採用予定人数 約160人(2023年度)
最終合格者数 632人(2022年度)
合格倍率 4.0倍(2022年度)
詳細情報 財務局 財務専門官採用試験